こんにちは。医学生道場の代表の橋本です。
先日、ある医学生さんから、次のようなお問い合わせを頂きましたので、ご紹介したいと思います。
医学生
「先生、資料って無いとやばいですか?」
橋本
「資料はあった方が便利かもねえ。どうしてだい?」
医学生
「いやあ、中々資料が手に入らなくて、、、」
橋本
「そういう時もあるよねえ。別に誰も配布する義務があるわけじゃないからねえ」
医学生
「でも、留年したら大変なので、どうしたらいいかの相談です」
橋本
「なるほど。そんなあなたにぴったりの方法がある!」
医学生
「え、教えてください!何でもやります!」
橋本
「よし言ったな!名付けてスペシャルオリジナル資料わっしょい大作戦だ!」
医学生
「あ、ちょっと考え直していいですか、、、?」
医学部の進級試験対策で資料が中々手に入らない時ってありますよね。今回は、前提として資料とは何かを説明し、手に入らない時の具体的な方法までを説明したいと思います。出来るだけ簡単に説明していますので、楽しく読んでくれたらと思います(*´▽`*)
目次
医学部では毎年、膨大な進級のための試験があります。しかも、それらはほとんど全てが必修科目です。また、授業だけではありません。時間も沢山取られてしまう実習もあります。実習は馬鹿にしていると、授業のコマ数自体が少ないので、少しでも休んでしまえば即留年(ソクリュー)になってしまう危険性もあります。また、部活やサークルに所属している場合には、どうしても時間に余裕をもつことができなくなってしまいます。
※関連コラム「受験で培った技術は、進級試験に必要な技術と全く違う!?」
ということで、医学部では進級試験一つ一つと面と向かって戦っていたら大変です。真っ向勝負を挑んでしまったら、全く時間が足りずに、沢山の試験科目を落としてしまう可能性があります。医学部では、効率良く勉強しなければならないのです。ちょっとズル賢いぐらいが強いこともあります。
その時に活躍するのが、今回のテーマである「資料」です。初めて聞く新しい概念だ、という方もいると思いますので、簡単に説明したいと思います。
クラスにはクラス委員と言う「まとめ役」がいることがあります。そのクラス委員が、このように話します。
「これからクラスを5人ずつのグループ(資料班)に分けようと思います。A班は生化学1、B班は生化学2、C班は分子生物学、、、、の資料を作ってください。また、それらの資料は、試験の2週間前までに作成して、クラス委員に提出してください。責任をもって、編集して公開しようと思います」
と、こんな様子です。最近では、パソコンを利用して、インターネットで、ラインのグループやグーグルドライブ、クラウドなどを利用して、資料を共有している所も増えてきました。
このように、資料は沢山の人が作ってまとめたものです。その沢山の人と言うのは、医学部に合格するだけの学力があるツワモノ達です。かなり安心できます。「これだけやれば試験に受かるよ」という、いわば攻略本のようなものだと考えてください。ところが、この資料なんですが、入手するためにはいくつかの障壁があります。
大変なことに、資料自体が存在しない場合があります。例えば次のような場合です。
・クラス委員がいない
・クラス委員に、やる気や責任感がない
・クラスの仲がとても悪い
・(資料やラインの)グループに入り損ねた
・閉鎖的なグループで、仲間に入れない
※関連コラム「医学部って、仲間を作らないと進級は難しいんですか?」
まさかと思う方もいるかもしれませんが、医学部では本当によくある話です。
誰も悪くない時や、時には理不尽な場合も多くあります。そういう場合には、先輩の学年の資料を入手する必要がありますが、それさえ難しいことも少なくありません。
医学部で資料が手に入らなければ、進級はできないのでしょうか?いえ、そんなことはありません!ここで、医学生道場が持つ裏技的な方法を伝授したいと思います!
それでも進級するためにはどうしたらいいのでしょうか。ガチンコ勝負でいくのは、危険があります。そんな時にとっておきの方法があります。
それは、「自分で時間をかけて、過去問を分析して、資料を作る」という方法です。詳しく説明したいと思います。
資料はいきなり湧いてくるものではありませんし、ボランティアの人がくれたりするものでもありません。どこかで誰かの人の手でつくられるものなのです。つまり、自分でも作ることができるはずなんです!
また、人からもらった資料は、内容のソース(根拠)が怪しいこともありますが、自分でつくったものであれば、どれが正しくて、どれが怪しいのかを把握することができます。自分で納得のいく資料をつくることができるのです!
さらにメリットがあります。それは、自分でつくった資料を利用して、他の人の資料と交換を狙いましょう。そうすると1つの科目の資料をつくれば、他の科目の資料もどんどん手に入れることができます。「働かざるもの食うべからず」とは、まさにこのことかもしれません( ゚Д゚)
それでは、具体的な資料のつくり方を伝授したいと思います。
※関連コラム「医学生がコミュニケーション能力を鍛える方法を考えてみた!」
資料を作成する流れとしては、次のようになります。
いきなりですが、過去問を解いてみましょう。
「いきなりなんて過去問を解けないよ!」という方もいると思いますが、ここで一つ、有機化学の勉強を振り返ってみましょう。
多くの人は、有機化学の勉強を始める時に、「とりあえず、どんどん問題を解いてみよう。そうすれば徐々に分かってくるから」と言われた経験があると思います。同じように、全く分からなくても良いので、過去問をいきなり解いてみましょう。
おそらく全く分からないかもしれません。それでも構わないので、一通り3~5年分解いてみましょう。この段階では、あまり時間をかけず、流れや空気感をつかむことを目標にしてください。
さて、問題を解き終えた後は、答えを覚えてしまいましょう。
分からない所は丸暗記するのでも結構です。そうして、なんとか覚えようとしていると、不思議と「見えてくるもの」があります。
例えば、少し理解できたり、興味を持ったりする部分が出てくるのです。そして、それがチャンスです! 教科書やプリントを見て、より一層の理解を試みましょう。全く分からない所に関しては、丸暗記で大丈夫です。完璧主義にならないことが重要です。ポイントはスピードを重視することです。
自分で疑問に思ったことを調べて、周辺にどんどん記入してみましょう。この時は、専門用語を無理して使わないでください。
どんどん素人考えで、素人の言葉を使って書きまくってまとめていきましょう。それらの情報を、他の人が知りたいのです! 「調べたらこんな情報が出てくるのか、調べてくれていて助かる!」と言われるのを目標にすると、素敵な資料ができ上がっています。
最後に、時間があれば試験問題を予測してみましょう。
どんな先生が作るのか、その先生の出題傾向はどんなものなのか、など色々なことを考えて、予想問題を作成するといいと思います。
インターネットで先生の名前を打ち込んで検索すると、その先生の発表した論文が出てきて、軽く読んでいたらそれが試験に出ていた、ということはしょっちゅうあります。実は医学生道場では、私が検索して、必勝の試験対策問題をつくることもあります。
論文はつくるのが大変なので、その先生が作った論文を読んでいると、授業のスライドに使われていたり、自信をもって授業で話されていたり、大問題として高得点の問題として出題されていたりします。この技術を手に入れることができれば、医学部の先生の思惑が、手に取るように分かってしまうのがおそろしい(≧▽≦)
まあこんな感じで、ぜひぜひ、楽しくやってみてくださいね。知的な遊びだと思ってもらえたり、資料がないときほど燃えるようになれば、医学生の思考としては、大変素晴らしいものだと思います。また、資料をつくってみて、「あの資料楽しかったよ!次回もお願いね!」なんて言われると、なかなか嬉しいものです。
相談するのが遅くて手遅れになることはあっても、早くて問題になることはありません。お困りの方は早いうちにご相談ください。
医学生道場 代表医師 橋本将吉