こんにちは。医学生道場の代表医師の橋本です。
先日、ある医学生さんから、次のようなお問い合わせを頂きましたので、ご紹介したいと思います。
医学生
「先生、医学部って仲間を作らないと進級は難しいですか?」
橋本
「う~ん、なるほど。そういう見方もあるか。仲間を作りたくない?」
医学生
「いや、そういうわけではないんですが、なんとなく面倒で、、」
橋本
「なるほど。その気持ちも良く分かる」
医学生
「え、そうなんですか?先生なんて、顔が広くて仲間だらけじゃ、、、」
橋本
「全くそんな事は無い。そして俺は、意外に気を遣い過ぎるから、すぐに疲れやすい」
医学生
「うわ、顔に似合わず、、、」
橋本
「あ、言ったな!顔の「面積が」広い癖にって言ったな!」
医学生
「いや、言っていません(-ω-)/」
ということで、今回は「医学部では、仲間を作らなければ進級は難しいんですか?」という内容でコラムを書いてみたいと思います。
最近はこの自己満足のコラム達も、医学生の親御さんにも読んでもらっていることが分かりましたので、医学生でない方でも分かりやすいように、簡単に説明していきたいと思います。是非楽しく読んでみてくださいね(≧▽≦)
そもそも前提として、医学部での仲間ってのは何なのでしょうか。人によっては色々な価値観がありますので、色々な答えがあると思います。
「将来の医者仲間になると思っています」
「どうせ将来同じ職場で働く可能性は低いわけですから、今だけの都合のいい付き合いです」
「まあ、喧嘩しないように、仲良くなり過ぎないように、が丁度いいのかな、なんて思っています」
「僕は仲間に頼らないと生きていけない性格なんで、いつも助けてもらっています」
まあ、このように沢山の価値観があって、楽しいと思います。私はどれも個性だと思っていて、それは将来的に患者さんにとって、お医者さんを選ぶ時の選択肢になると思うからです。
人に話せないような価値観だったとしても、その考えはあなたにとって大切なものなので、まずは否定したり卑屈になったりせず、大切にしてあげてくださいね。
では次に、医学部の中で、仲間がいることのメリットについて挙げていきたいと思います。
医学部では膨大な進級のための試験があります。
そうすると、手を抜く科目と手を抜かない科目のバランスが重要になります。もし全ての科目を全力投球で満点合格を狙って、留年科目と言われる科目を落としてしまっては大変です。
その時に重要になるのは、試験に関しての「情報」です。
情報と言うのは、過去問だったり、試験での重要ポイントだったり、手抜きが出来るかどうかの情報だったり、試験対策のための資料だったりと様々です。医学部の中での情報は、医学部の卒業を容易にすると言っても過言ではありません。
※関連コラム「医学部って資料が無いと、進級は難しいですか?大切さから作り方までを伝授!」
そして、部活やサークルに入っていたり、クラスに仲のいい仲間がいたりすると、そういった情報を、より多くもらうことができます。それらの情報は時間の無い医学生にとって、とても大切な情報になります。
「薬理学の〇〇先生のアドレナリンの範囲は、先生の研究範囲だから、毎年出題されるんだぜ!」
「この範囲は毎年出題されているから、来年は出されないと思う、って同じ科の〇〇先生が言ってたぜ!」
「お前この資料持ってる?これ貸しだからな~(=゚ω゚)ノ」
「次の試験は難しいらしいぞ。でも過去問をやっておけば時間が削減できるぞ!」
と、このような様子です。こういった情報があるだけで、とても効率的に学習することが可能です。
ただし、やはり所属できる部活やサークルは、どうしても限界があります。沢山の部活に入ることはできません。そこで、「色々な」部活に所属している仲間が重要になります。
ラグビー部にはラグビー部の情報がありますし、サッカー部はサッカー部の情報がありますし、軽音楽部には軽音楽部の情報があります。どんどん情報は共有したいところです。
※関連コラム「医学部で生き残るには、部活に入らないとダメ?」
また、先生のところへ質問に行くのが好きなタイプの人がいます。そういうタイプの人は、時々「この範囲は重要だから、他の人にも伝えておいて」と、最重要の情報を教えてもらっていることがあります。昔から「先生に愛されるキャラ」というのはいるもので、そういう友達とは、ぜひ交流をもっておきたいですね。
医学部の進級試験は、難関入試を突破したもの同士の戦いです。ですので少しでも多く、力強い仲間を集めることは重要になってきます。沢山の情報を手に入れて、逆に自分が手に入れた情報は仲間に惜しみなく流して、みんなで共有して、なんとか乗り越えていくようにできれば理想です。
自分で言うのもなんですが、このホームページを友達に教えてあげるだけでも、悩んでいる人にとっては嬉しいと思います(^◇^)
試験の前には独特の不安な空気が流れます。自分の医学の勉強が本当に正しいのかどうか、それぞれの試験科目に費やす時間の比重を、大きく間違えていないかどうかなど、様々な心配が出てきてしまいます。また、普段には思わないような小さな心配も、大きく感じることがあります。そういったものを和らげてくれるのも、やはり仲間だったりします。
「ねえ、お前、微生物の勉強、どこまで進んでる?」
「そういえばさあ、医学生物学で配られたこのプリント、見ておくべきかな?」
「今回の医学部前期試験、どの科目が重いと思う?」
「お前そういや寄生虫学の授業聞いてたじゃん。俺部活で疲れて聞いてなかったんだけど、なんかあったら助けてくれな」
「この科目は極めてるから、もし何かあったら声かけてくれよ」
このような何気ない会話でも、とても大きな心の支えになったりします。医学生の皆さんには、少し先の話になってしまいますが、医師になってから患者さんの治療をする時に、本当に正しい治療を出来ているかどうか不安になることがあります。
そういう時には、やっぱり仲間がいてよかったと実感することがあります。少し試験前の仲間の感覚に似ているかなと思ってお話しました。
医学部に入るまで、ずっと勉強してきたはずです。
ですので、友達が多くないのは当然です。もし地方出身で、住み慣れた地域を離れて、医学部に進学した人であれば、なおさら当然だと思います。
確かに人間関係は面倒なこともありますが、楽しいこともあると思います。自分の趣味や楽しいことを共有できる仲間を見つけたら、医学部で過ごすためのメンタルを確保できる可能性が格段に上がります。ぜひ意識してみてください。
※関連コラム「医学生がコミュニケーション能力を鍛える方法を考えてみた!」
ちょっと身の上話になるんですが、医師になってから初めて気づいたメリットがあるのでご紹介したいと思います。
そもそも、私は昔からあんまり人に頼るのが好きではなくて、医学生時代は全部自分のせいにして生きていく癖がありました。
何かあった時には、自分の力不足のせいだと、だからもっと頑張らなきゃいけないと、そう考えるようにしていました。
(蛇足ですが、私が医学生道場を始めてから、びっくりした事なんですが、同じような医学生が多い事も分かりました。そんな医学生は、後輩としても可愛いし、自分と似たような考え方をしていたりして、もっと可愛いかったりします(*´▽`*))
そんな私には、当時全く気付かないメリットでした。
私が医師になってから気づいたメリットと言いますか、年齢を重ねて気づいたメリットです。それが「昔話で笑い合える」ということです。
先日、後輩の部活に顔を出してきたときに、たまたま医学生時代の仲間が来ていました。
その時に昔話をしていて、「なるほど、仲間のメリットは医学生時代には気づかなかったが、会う機会が減った時に初めて感じるものなんだ」と、私にしては恥ずかしいと思ったものでした。なんか映画みたいですね。あ~恥ずかしい(〃ノωノ)
相談するのが遅くて手遅れになることはあっても、早くて問題になることはありません。お困りの方は早いうちにご相談ください。
医学生道場 代表医師 橋本将吉