こんにちは。医学生道場の代表医師の橋本です。
先日、ある医学生さんから、次のような質問を頂きましたので、ご紹介したいと思います。
医学生
「先生はいつも素で話していて、表と裏が無さそうですよね」
橋本
「おう、俺はあんまり考えるのが嫌だから、あんまり表裏は無いかもしれないな。いきなりどうしたよ?」
医学生
「いや、自分っていわゆるコミュ障なんで、どうやったらコミュニケーション能力って鍛えられるのかなと思ったんです」
橋本
「別にコミュニケーション能力は、表と裏を作る能力じゃないぜ」
医学生
「え、ずっとそうなのかと思っていました。というか、コミュニケーション能力ってなんですか?」
橋本
「ふむ、いい質問だ。よし、今日はコミュニケーションについて考えてみよう。題して、コミュ障克服わくわく大作戦だ!」
医学生
「え、友達が減りそうな気がしてきました(´・ω・`)」
目次
コミュニケーションは、少し抽象的な言葉ですよね。そもそも日本語ではなさそうです。インターネットで検索してみると、「社会生活を営む上で必要な情報伝達」ということです。これだと少し考えづらいですので、「言葉を使って、うまく生活していくこと」と読み替えてみましょう。
うまく生活をしていくための武器が、コミュニケーション能力なのです。例を挙げてみたいと思います。
「この科目の資料をあげるから、こっちの資料手に入ったら貸してー」
「今悩んでることがあるんだけど、聞いてくれない?」
「今週末バーベキューやんない?仲いいメンバーを何人か誘ってさ!」
こうやって分解してみると、そんなに難しい事ではなさそうです。医学生であろうとそうでなかろうと、コミュニケーション能力とは、上手く生活をしていくための武器なのです。
次に、コミュニケーション能力を鍛える事は出来るのか、という事についてです。結論から言うと、コミュニケーション能力は、センスでも第六感でもありません。必ず鍛えられるものです。医学的に考えてみましょう。
人間は所詮、細胞の塊です。受精卵と言う一つの細胞から分裂し、徐々に細胞の数を増やして人になっていきます。そしてその人の行動は、コミュニケーションを含め、脳の神経細胞に制御されています。
つまり、コミュニケーション能力も、人が成長する過程で身に着けるものなのです。
コミュニケーション能力が生まれつき優れている人はいません。家族との生活環境や、通っていた学校やコミュニティの環境で身についてくるものです。つまり、今からでもコミュニケーション能力は鍛えることができます。
そして、もしそのコミュニケーション能力を鍛えて、コミュ障を克服するためには、どうしても訓練が必要です。それでは、コミュ障を克服し、コミュニケーション能力を鍛えるための具体的な方法を紹介したいと思います。
医学部に入ることが出来た人は、ひたすら勉強に集中した人です。
他人がディズニーランドにデートに行っている間も、他人が一足先に大学生になって遊んでいる間も、他人がゲームセンターで遊んでいる間も、全部かなぐり捨てて勉強をした人です。
だから入学出来ました。そうでなければ入学できなかったのです。ですが、その反面、自分のことについてゆっくり考える暇が無かったのも事実だと思います。
・なぜ医学部に入ったのか?
・自分は本当に楽しいと思うことは何か?それはあるのか?
・大切な人は誰なのか?
・自分の目標は何か?
・座右の銘があるか?
・このままずっと医学部、医者でやっていくべきなのか?
・医師になったら、どのような生活スタイルになるのか?
・何科に進むのか?
ゆっくり時間をかけて考えてみると、自分のコミュニケーションをする時のスタンスが見えてきます。
自分がどういう風に、どんな人と関わっていくのか、必然的に見えてきます。「時間をかけて考えるために日記をつけ始めたんですが、人生が大きく変わりました」と言ってくれた生徒さんもいました。自分について考えるという事は、コミュ障を克服するために、まず行いたい事の一つです。
同じように、一番近い仲のいい人のことを、ゆっくり考えてみましょう。お父さん、お母さん、兄弟、彼氏や彼女でも誰でも構いません。
・なんで自分を育ててくれたのか?
・なんで自分を大切にしてくれるのか?
・その人の大切なものは何なのか?
・なんでその人はその職業についているのか?
・その人の目標は何なのか?
他の人のスタンスまで見えるようになると、コミュニケーションが取れないということはなくなります。フェイスブックやツイッターを丁寧に見てみる、というのもいいかもしれません。考えてもらった、というのを知っただけでも、人は嬉しくなりますよね。
とにかく人と会うように意識してみましょう。しかし初めのうちは、大小様々なトラブルが起きてしまうかもしれません。
・嫌われた
・怒られた
・そういうのやめてくれと言われた
・きちんと考えを言え、と言われた
・フラれた
・こういう所を変えたほうがいいと言われた
確かにへこみます(-_-メ)ですが、そんなトラブルを出来るだけ怖がらず、一つ一つ目を向けて改善していきます。
そうすると、気づけば沢山のコミュニケーションの経験を積むことができ、それがコミュニケーション能力を鍛え、コミュ障を克服することになるでしょう。
何事も挑戦だと思って、アルバイトや部活など、違う環境に飛び込んでみるのも、大きな成長の一つになります。コミュニケーション能力を鍛えるためには、勇気が必要なのです(^ω^)
※関連コラム「医学生のアルバイトのメリットをまとめてみた(=゚ω゚)ノ」
これでコミュ障を克服できた生徒さんがいます。どういうことかと言いますと、1つの科目をとにかく勉強して、極めて、資料を作って配るようにアドバイスしたんです(まさかクラスのLINEで配布するとは思いませんでしたが)。そうしたところ多くの反響がありました。
「この部分を、もっと詳しく解説してください!」
「作ってもらってありがとうございます!違う科目も作ってください!」
「ギブ&テイクで、私の持っている資料をあげますね!」
「今度一緒に勉強会をやってくれませんか?」
「先輩頭いいんですね!先輩が作った資料、うちの代も使わせてもらってます!」
その子の元に沢山の声が入ってくるようになり、必然的に仲間が増えて、コミュニケーション能力が鍛えられ、嫌でもコミュ障を克服することになりました。
※関連コラム「医学部って資料ないとヤバイですか?大切さから作り方まで」
相談するのが遅くて手遅れになる事はあっても、早くて問題になる事はありません。お困りの方は早いうちにご相談ください。
医学生道場 代表医師 橋本将吉