こんにちは。医学生道場の代表の橋本です。
先日、医学部の生徒さんと、次のような会話をしたのでご紹介したいと思います。
医学生
「先生、医学の勉強の効率が悪い気がします。というか頭が働きません。暗記ばっかで面白いわけがありません」
橋本
「うんうん、よく堂々と俺にそれが言えるよね、うん(;´∀`)」
医学生
「だって、医学って覚える事ばっかりで、本当にみんな良くモチベーションが続くなって感じです。薬理なんてカタカナばっかり(‘ω’)ノ」
橋本
「よし、そうしたら医学部の中で医学を効率良く勉強するために、いくつか伝授しようではないか!」
医学生
「お願いします!」
橋本
「略して、医学生効率的医学勉強方法だ!」
医学生
「先生、中国語みたくなってます(‘ω’)ノ」
医学部では数えきれないほど大量の、そして進級がかかった重い重い試験ばかりがあります。
しかし、医学生は医学部に入学するまで、いろいろなことを沢山我慢して、がむしゃらに勉強をしてきたのです。
入学してから部活・サークル・アルバイトや恋愛まで、やりたいことが沢山ある人も多いと思います。
そういう状況ですので、医学の勉強を出来るだけ効率よく行いたいと考えるのは、誰もが思う自然な悩みだと思います。
このコラムでは、医学を効率的に勉強するために必要な、精神論と実践論をお話したいと思います。
先に、医学を効率よく勉強するための意識についてお話したいと思います。
まず、人が新しい学問を勉強する時に、爆発的に記憶力や理解力を上げる、簡単な方法があります。それは何だと思いますか?
、、、はい、正解は「興味・好奇心」です。
例えば、小学校の時に、時刻表や野球選手の名前と番号を、逐一覚えている子はいませんでしたか?
彼らは湧いてくる好奇心に従って記憶しているので、すごい力を発揮します。
「知りたいな」「面白いな」という、いわば純粋なピュアな気持ちです。
それを医学に応用するのです。
具体的には次のように考えるようにします。
「医学を心から楽しんでやるぞぼ」
「うわ、面白い!と感じるまで調べてやる!」
「人間の仕組みについて、全体像を把握してみたい!」
「医学を体系化してみせる!」
こんな気持ちです。
ちなみに、これを「思い込み」や「マインドセット」と呼ばれたりすることもあります。
早い段階でこの意識を持てるかどうかで、後がかなり変わってきます。
というのも、医学という学問自体の性質が「人間は所詮、細胞の塊でしかない」という、いわば本質の部分を何度も何度も確認する学問と言えるからです。
反復の回数が多ければ多いほど、その本質が身に染み付いてきて、どんどん医学に強くなっていきます。
そのためには、上記の気持ちをもって勉強するのが一番手っ取り早いと思います。
医学的には、人は興味があることに対して、ドーパミンの放出量は一気に増えるので、記憶の形成(シナプスの結合)が早くなるということです。
さらに、実際に理解が深まってくると、医学はどんどん楽しくなってきます。
「なるほど、だからこの病気が存在するのか~」
「なるほど、そうしたらこんな病気もまさか、、、あ、やっぱりあるのか!」
「この病気の治療の仕方ってシンプル、、、というか、意外と医療ってまだまだ原始的なものもあるんだな」
「うわ、人間の脳ってそういう仕組みなんだ!あれ、現実世界で応用出来るんじゃないか!?」
我々は人間ばかりの世界で生きているので、人間を理解する事が出来れば、人生がもっと楽で楽しくなるかもしれません。
※関連コラム「医学そのものを利用して、医学を効率的に記憶する方法!?」
次に実践論についてです。効率よく勉強する方法については、私もずっと研究し続けていました。
そして、最終的にはとても単純な結論に至りました。今回はそれを特別に伝授したいと思います。
それは、「面倒であっても、実際に手を動かして書き込んでおくこと」です。
これが遠回りのようで、効率よく前に進む方法です。下の写真のような感じです。
少し面倒に感じて、頭の中で考えようとすると、専門用語ばかりの医学は手が付けられません。
よく分からなくてもとりあえず手を動かして書いてみましょう。
出来ればひねりを加えて、絵にしてみましょう。そして、その絵から矢印を引いて、文字を書いてみてください。そうすると見えてくる世界があります。
「あれ、この部分からこの部分は本当につながるのかな?」
「あれ、これ当たり前に考えてたけど、言葉の定義ってなんだっけ?」
「この部分、調べてみたら、結構しっかりかけるかもしれない」
こんな様子です。
自分で作っていく作業になるので、覚えるだけの受動的な姿勢ではなく、能動的・主体的な姿勢に変わります。
ドーパミンの放出量は格段に違う事でしょう。
「え、それは生化学じゃできないんじゃない?」
おっと、いい質問が聞こえてきました。大丈夫です。教科書に、何でもいいのでどんどん書き込んでいきましょう。
例えば、「インスリン」という言葉が出てきたら、スマホで調べて、矢印を引いて「血糖を下げるホルモン」と書き込んでみましょう。
全く違う文章に変わります。
「それって分子生物学でもできませんか?」
はい、是非やってみましょう。
例えば「DNAポリメラーゼ」という言葉が出てきたら、スマホで調べて、「DNAを作る酵素」って書き込んでみましょう。
本当に少しずつですが、断然読みやすくなると思いませんか?
このように、参考書をどんどん自分の言葉で溢れた教科書に変えていきましょう。
そうすると、段々とスラスラ読めるようになり、話している意味が理解できるようになってきます。
パズルや謎解きゲームのような気分になったら、もうこちらのものです。
ちなみに、なぜ基礎医学が分かりにくいのかというと、実は大きな原因が教科書自体にある事もあります。
例えば、翻訳本の場合だと、日本語自体が読みにくいことがあります。
また、著者や監修者が寄せ集めの参考書の場合も、大変読みにくいものです。
私も昔はそういった参考書にずいぶん惑わされました。
しかし、どんどん書き込んでいくと、理解が深まっていくだけでなく、間違いにさえ気づくようになります。
是非、どんどん面倒がらずに書き込んでいくということを試してみてください。
※関連コラム「あ~つまらない!基礎医学を乗り越える為の勉強方法!」
相談するのが遅くて手遅れになることはあっても、早くて問題になることはありません。お困りの方は早いうちにご相談ください。
医学生道場 代表医師 橋本将吉