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こんにちは、医学生道場です!
先日(3月16日)医師国家試験の合格発表が行われましたが、もうご覧になられましたでしょうか?
もし、記事をご覧になってくれている方で、今年の国試を受験したよ!という方がいらっしゃいましたらひとまずお疲れ様でしたとお伝えしておきます!
しかし、落ち着く間もなく国試を踏まえて次の行動に移っていかないといけません。
今回の記事では、今年の第117回医師国家試験の結果発表をざっくりとみていった後に、
それぞれの医学生がこれからどんな行動をしていったらいいのかを一緒に考えていきたいと思います!
◎国試合格者数等の推移
第117回医師国家試験 | 第116回医師国家試験 | 第115回医師国家試験 | |
---|---|---|---|
受験者数 | 10,293 | 10,061 | 9,910 |
合格者数 | 9,432 | 9,222 | 9,058 |
合格率 | 91.6% | 91.7% | 91.4% |
医師国家試験の合格率は毎年9割前後を推移しています
今年度の合格率についても、91.6%とほぼ例年と同様の9割近くの合格率であり、合格率の変化は見られませんでした。
◎医師国試男女別合格者数等の推移
第117回医師国家試験 | 第116回医師国家試験 | 第115回医師国家試験 | |
---|---|---|---|
合格率(男) | 91.0 | 90.8 | 90.4 |
合格率(女) | 93.0 | 93.4 | 93.4 |
つづいて男女別の合格率についても昨年までと大きな変化はありませんでした。
◎卒業年次別合格率
では、次に卒業年次別合格率についてみていきましょう。
来年度以降に受験する新1〜6年の医学生の方や、今年の受験で不合格となってしまい、来年度も受験する卒業生の方は、とくに注意してこちらをご覧ください。
令和 4年 4月~令和 5年 3月卒 | 令和 3年 4月~令和 4年 3月卒 | 令和 2年 4月~令和 3年 3月卒 | 平成31年 4月~令和 2年 3月卒 | 平成30年 4月~平成31年 3月卒 | |
合格率 | 94.9 | 71.0 | 60.0 | 47.9 | 18.2 |
このように、新卒から遠ざかり受験回数が増加するにつれて右肩下がりに合格率が低下する傾向にあります。
とくに、新卒としてはじめて受験可能な年から5回目以降の受験者の合格率の低さは顕著であり、
この傾向も例年とは変わりなく、新卒から遠ざかれば遠ざかるほど国試合格は厳しく高い壁となりそうです。
参考:「第117回医師国家試験の合格発表について」厚生労働省
つづいて今年度の117回医師国家試験の内容や難易度についてみていきましょう。
なお、こちらの今年度国試の内容・難易度に関しては、マイナビレジデント掲載の医学生道場代表・橋本将吉のインタビューをもとに作成しましたので、こちらの記事もあわせてご覧ください。
「難易度難化」専門的な細かい知識が問われた117回医師国家試験
第117回医師国家試験の難易度は、第116回と比べて難化している印象です。第116回と比べて定義や治療法など、より専門的な細かい知識が聞かれていたり、先天性心疾患など今まで出題数の少なかった分野から出題されていた印象です。また、疾患が絞り込めても、より深い病態まで考えないと正解に辿り着かない問題も多くなりました。マイナー科目の疾患に関しても、疾患名だけでなく、細かい治療法に関して出題がされていました。
公衆衛生に関しても、過去問よりも細かい知識が幅広く聞かれた印象です。計算問題に関しても、臨床文に当てはめてより考えさせる過程を増やした問題が増えました。第118回から新しい出題範囲に変わるため、出題項目に関して必ず確認すべきでしょう。
過去問の丸暗記はダメ! 病態や定義まで考える問題が増えた
第117回では、第116回までと比べて単純暗記ではなく、病態や定義まで考えて答えなければ正解出来ない問題が増えた事が挙げられます。また疾患の定義や今まで出題がなかった細かい治療法も覚えておく事が必須となりつつあります。今まで過去問で問われた知識より、病態を考えてもう一歩踏み込んだ内容まで覚えておくことが必要になると考えています。
「現役医師 橋本将吉氏に聞いた!2023年(第117回)医師国家試験、難しかった?SNSの反応は?/マイナビRESIDENT」
以上が、117回医師国家試験の合格発表の概観です。
合格率については、例年通りであり、難易度や傾向についてはやや変化があったとも考えられることがわかりました。
では、この概観を踏まえてそれぞれの医学生がこれから何を行っていけばいいのか。
一緒に考えていきましょう!
まずは、医師国家試験合格おめでとうございます!
合格者の皆さんは、これから医師免許を取得するために必要な手続きを踏んでいくことになります。
医師として業務を行うためには、免許申請を行い、厚生労働省で管理する有資格者の籍簿に登録される必要があります。登録前に業務に従事すると、行政処分の対象になるので注意しましょう。
医師免許申請手続は、受験者住所地の保健所(一部県では県庁)に書類提出して行います。
はやめに調べて手続きを行いましょう!
<手続きに必要なもの>
1. 医師免許申請書
2. 発行日が1カ月以内の診断書
3. 本籍が記載され個人番号が記載されていない住民票、または戸籍謄本、戸籍抄本
4. 6万円分の収入印紙(申請書に張る)
5. (希望者のみ)登録済み証明書用63円の葉書。免許証が申請者に届くまで2~3カ月かかるので、その間に証明の必要がある場合はこちらを利用します。290円の切手を持っていくと速達にもできます。
今年度の受験で不合格となった方も、ひとまず受験勉強たいへんお疲れ様でした。
おそらくほとんどの方は、来年度の受験を考えており、これからどうしようかと悩んでおられる方が多いかと思います。
とはいっても、なかなかすぐに勉強が手につかないことも十分に承知しています。
そこで、医学生道場がこの時期におススメすることは、
今後の勉強方針、具体的には自宅で受験生をするか、予備校・塾に通うかの選択だけでもしておくことです!
2回目以降の受験の方は、まずはこの大きな選択をすることから受験生活が始まります。
この選択は、現役時代の国試受験にあたってビデオ講座を受講するかどうかの選択とはまた異なってくるので注意が必要です。
多くの受験生の方は、たとえ不合格となった場合であっても、これまでにかなりの勉強を行ってきていて、それなりに知識が身についているパターンが多いです。
しかし、それでも今年度は惜しくも合格に至らなかったのは、勉強方法や計画に少し不具合があったからであり、来年度の合格を掴みとるためには、なんとしてでもこの部分の修正を行っていかなければならないことになります。
もっとも、勉強方法や計画が正しいものであるかどうか、一人で判断することはとても困難です。
そして、とくに2回目以降の受験の方は、初受験の方と比べて知識にリードがあることや、初受験で不合格となってしまったことからつい必要以上の細かい知識の勉強に走ってしまうことがほんとうに多く、それがさきほどみたデータで2回目以降の受験では、合格率が右肩下がりに落ちていく理由のひとつともなっています。
そうならないように定期的にメンテナンスを行う必要があるのです。
また、長い受験生活では、途中で気持ちが途切れてしまうことが多く、勉強できる日とそうでない日にムラがでてきます。
その結果、勉強できる日には、かなりの熱量をもって、勉強を行うことができますが、その反動でできない日もまた多く、まとまった期間でコンパクトに集中して勉強する現役生に追い抜かれてしまう可能性もあるのです。
このような理由から、2回目以降の受験の方は、予備校・塾に通い始める受験生がほとんどです。
勉強計画の管理や、モチベーションの維持、国試情報の入手のためにも、予備校や塾に通い快適な受験生活を過ごしていくのがベストでしょう。
※医学生道場では、2回目以降の国試受験の方向けのコースもご用意しています。
授業はフルオーダーメイドプランとなっており、集中的に授業を組んだり、コンスタントに授業を組んだりなどもできますので、それぞれの受験生に合わせた授業を行うこともできます。
国試を受験するために、まずは定期試験やCBT、卒試を乗り越えて、
国試をいちはやく受験するために日々の勉強を頑張る必要があります!
留年率が他の学部と比べて格段に高い医学部ではこれらの試験も気を抜いていたら
取りこぼしてしまう可能性が高いです。
医学部の試験を乗り越えるためには、特有のコツが存在しているので、これらを踏まえて対策していくことが必要になってきます。
※医学生道場では、進級対策やCBT対策、国試受験に向けたコースをご用意しています。
記事を最後までお読みいただきありがとうございました!
今年度の国試については、やや例年の傾向から変化があったと考えられる部分もありますが、合格率などにはとくに大きな変化も見られず、来年度以降も国試合格者に求められるレベルには依然として変わらないだろうと予測されます。
とにもかくにもそれぞれに応じた次のステップをいちはやく踏み出すことがなによりも重要です!
医学生道場は医学生の皆様の健康と検討をお祈りしています。
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