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こんにちは!医学生道場です!
今年医学部6年生のみなさんは、医師国家試験が終わり、いかがお過ごしでしょうか。
その他のみなさんは、試験勉強だったり春休みだったり、それぞれの時間を過ごしていると思います。
さて、今回は具体的なテーマとなりますが、「消化器外科」の魅力について話していこうと思います!
医学生の視点からお話させていただこうと思いますので、将来の進路に悩んでいる方や、専門家についてよくわからないという方等、ぜひご参考ください!
消化器外科と聞いて、皆さんはどのようなイメージを持ちますか?
消化器外科とは、食べ物を消化・吸収・排泄・代謝・貯留する「消化器」に病気ができた場合に、手術によって治療する診療科です。
消化器は、食道・胃・十二指腸・小腸・大腸・肛門・肝臓・脾臓・胆道・膵臓という領域に分けられます。
「胃腸外科」や「肝胆膵外科」と表示される病院もありますが、これらは全て「消化器外科」の診療科であり、近年では、「消化器外科」と表示する病院も増えてきました。
「消化器外科」では、先ほども述べた通り、食道・胃・十二指腸・小腸・大腸・肛門・肝臓・脾臓・胆道・膵臓といった広範囲な臓器を対象とした手術が行われます。
このため、解剖学の知識だけでなく、繊細な手技や高度な判断力が求められます。
例えば、胃がんの手術では、腫瘍の大きさや位置、リンパ節転移の状況に応じて手術法が異なり、部分切除から全摘までさまざまな手術が行われます。
さらに、腹腔鏡手術やロボット支援手術といった最先端技術を駆使する機会も多く、常に新しいスキルを習得できる環境が整っています。腹腔鏡手術では、従来の開腹手術に比べて、侵襲が少なく、患者さんの回復が早いというメリットがあります。一方で、限られた視野と操作範囲の中で正確な手技を行うため、高度な技術が求められます。モニターを見ながらの操作になるため、現在どこの場所がうつされているのか、どのような方向でうつされているのかを把握するのが難しいです。
急性腹症や消化管穿孔、出血性疾患など、緊急手術を必要とするケースがあります。そのような状況下では、迅速な判断と対応が求められます。このような状況で患者さんの命を救えたときの達成感は格別です。例えば、急性虫垂炎や消化管穿孔などの緊急手術では、迅速な診断と手術が患者さんの予後に直結します。緊迫した状況の中で、限られた時間で最善の判断を下すことは非常に難しいですが、その分やりがいも大きいのです。
また、がん治療においても手術が重要な役割を果たしており、患者さんの生活の質を向上させることができます。特に、消化器がんでは早期発見と適切な手術が患者さんの生存率を大きく左右します。手術後のフォローアップや再発予防のためのケアも重要であり、患者さんと長期的な関係を築くことができるのも魅力の一つです。
消化器外科は、内科医、放射線科医、麻酔科医、看護師、薬剤師、栄養士など、多職種との連携が不可欠な分野です。特に、がん治療では、外科手術だけでなく、化学療法や放射線療法、緩和ケアなど、多方面からのアプローチが必要です。医学生として臨床実習に参加する中で、チーム医療の重要性を実感することができ、将来の医師としてのコミュニケーション能力や協働力を養うことができます。
実際の手術室では、外科医だけでなく、麻酔科医や看護師が一丸となって患者さんの安全を守るために協力します。それぞれの職種にはしっかりとした役割があり、個々がその役割を果たすことで一人の患者の手術を安全に成功させることができます。また、術後の管理では、内科医やリハビリテーションスタッフと連携し、患者さんの回復を支援します。このような多職種協働の経験は、医学生にとって貴重な学びの場であり、将来の医療現場で役立つスキルを身につけることができます。
医学は常に進化しており、消化器外科も例外ではありません。新しい手術技術や治療法が次々と開発されているため、自己研鑽が欠かせません。医師は生涯勉強し続けなければならないというのは、このためです。しかし、この継続的な学びこそが医師としての成長につながり、常に新しい挑戦が待っていることがこの分野の魅力でもあります。
例えば、肝臓や膵臓の手術では、高度な血管再建術や複雑な解剖学的知識が必要です。これらの手術は高い技術力を要求されるため、経験を積むごとに新たな発見や学びがあります。また、国際学会や研究活動を通じて、最新の知見を取り入れることができるのも大きな魅力です。
消化器外科では、急性期の治療だけでなく、慢性疾患や術後管理においても患者さんと深く関わることができます。例えば、炎症性腸疾患(IBD)や慢性膵炎など、長期的なフォローアップが必要な疾患では、患者さんの生活に寄り添いながら医療を提供することが求められます。手術したら終わりというわけではないので、長い付き合いになりますし、このような関係性を築くことで、患者さんから信頼される喜びを実感することができます。
また、患者さんやその家族とのコミュニケーションも重要なスキルの一つです。信頼できない医師に自分の命を預けたくはないと思います。手術のリスクや予後についてわかりやすく説明し、今後の方針について患者にも分かるように説明したり、不安な点をヒアリングし、少しでも不安な気持ちを解消してあげることも重要です。そのように医師と患者間で信頼関係を築いてはじめて、治療を行っていくことができます。この経験は、医学生にとって医療人としての成長に欠かせない貴重な学びとなります。
消化器外科の手術では、手術時間が長くなりやすいです。手術によっては10時間に及ぶものもあり、かなり大変な手術となります。そのため、体力的にきついというものがあり、女性の医師が少なく、男性の医師が多いです。
実際に女性医師がいない消化器外科も存在します。
消化器外科分野では女性医師がまだまだ少ないため、女性チームが活躍できることがあります。
体力に自信があるという方はぜひ行ってみてください!
最後までご覧いただきありがとうございます!
消化器外科の魅力についてお話してきましたが、みなさん、興味を持っていただけたでしょうか?
消化器外科は、知識、技術、そして人間力を総合的に磨くことができる魅力的な分野です。
患者さんの命を救うという使命感と達成感、そしてチーム医療の中での自分の成長を実感できることも、消化器外科の魅力の一つだと思います。
医学生としての視点から見ても、多くの学びと成長の機会があり、将来のキャリアとして選ぶ価値のある専門領域であると感じます。
今ポリクリでいろいろな診療科を回っていると思います。
今興味があると絞っている方も、ぜひ一度消化器外科を回ってみてください!
それぞれの診療科の魅力を感じられると思いますので、良い学びのあるポリクリにしてほしいなと思います!
今後の勉強や実習を医学生道場スタッフ一同応援しています🚩