目次
🖊著者紹介
竹田美穂 (医学部医学科4年生)
3浪を経て医学部入学、その後留年を経験。心電図検定3級取得。医学の勉強と課外活動を両立。
留年・浪人経験者だからこそわかる、医学のつまずきポイントを紹介。単なる暗記に頼らない、理解を深める勉強法を模索し発信中。ギリギリでも何とか進級するために、実体験に基づく視点からアドバイス。医学部生活を充実させるためのヒントや、課外活動との両立術も共有しています!
留年のこわさ、勉強の挫折、精神的なリカバリーの方法などを身をもって経験しています。「大学の勉強がしんどい…」と思っている人に寄り添った、役立つ情報を発信していきます!
【過去に著したブログ】
【失敗談】孤独な医学生のデメリットとリスク【私が留年した理由】【医学生道場】
【失敗談】「一人で判断してしまう」医学生がやりがちな勉強法【私が留年した理由】【医学生道場】医学生道場公式LINE
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🖊今回の概要
・医師臨床研修マッチングの仕組みとは。
・昨年度のマッチング結果について。
・マッチング結果から分かることとは。
今年も「医師臨床研修マッチング」の希望順位登録が始まりました!
9月26日には中間公表があり、各プログラムの第一希望者数が発表されます。
さて、「マッチング」という言葉は、医学生ならだれもが耳にしますが、
「マッチングってどうやって決まるの?」
「第1希望に行ける人ってどのくらいいるの?」
と疑問に思ったことがある人も多いはず。
今回は、最新の令和6年度(2024年度)の結果データをもとに、
マッチングの仕組みとその数字から読み取れる近年のマッチ傾向をわかりやすく解説します!
この記事を読み終えた時には、
マッチング制度の理解が深まり、どう攻略すべきかが見えてくるはずです。
ぜひ最後までご覧ください!
医学生道場では、24時間無料相談を受け付けています!マッチングの悩み相談や、卒業試験、医師国家試験の対策など、心配事のある方は是非お気軽にご相談ください!
医師国家試験に合格しても、すぐに一人前の医師として働けるわけではありません。
まずは2年間、臨床研修医として病院で経験を積みます。
その研修先を決める仕組みが、医師臨床研修マッチング制度です。
一般的な就活とは異なるのは、そのマッチングの方法です。
この両方のリストをもとに、コンピュータで最適な組み合わせを決定します。
つまり、相思相愛である組み合わせが優先的にマッチする仕組みになっているのです。
6月5日(木)14:00〜 参加登録開始
7月31日(木)14:00 参加登録締切
9月11日(木)14:00〜 希望順位登録開始
9月25日(木)14:00 希望順位登録・中間公表前締切
9月26日(金)14:00 中間公表
10月9日(木)14:00 希望順位登録 最終締切
10月23日(木)14:00 組み合わせ結果発表
☞時間はきっかりと定められています。途中で入力中でも自動で締め切られてしまうため、必ず余裕を持って手続きをしましょう。
それでは、昨年度(2024年度)のマッチングの結果から、近年のマッチング傾向を読み解いていきます。
昨年度の研修プログラム全体の募集定員は10,724 人でした。
前年よりマッチ率は上昇し、ほとんどの学生がどこかの研修先に内定しています。
登録プログラム数は、平均4.62件(最大130、最小1)でした。
マッチング結果を「希望順位別」に見ると以下の通りです。
→ 約9割の人が第3希望までで決定◎
つまり、マッチングは希望が通りやすい制度であることが分かります。
昨年度は、大都市圏(東京・神奈川・愛知・京都・大阪・福岡)以外において、60.1%が内定しました。
地方志向が少しずつ高まっている結果となりました。
その背景として、近年の大都市圏における物価や家賃の高さなど、生活コストの影響が考えられます。
また、車や電車ですぐに都市圏に行ける場所も非常に多く、週末は友達に会いに出かけたり、イベントやライブに行くということも十分可能なことも要因でしょう。
大学病院でマッチした人のうち、自大学出身者は平均 56.5%でした。
特に地方大学は「ほぼ全員が自大学出身」というところも多いです。
大学病院では、自由度は低く、給与や勤務環境は市中に比べてやや厳しいこともあり得ます。しかし、基礎研究や専門性の高い分野に触れやすく、また教授や専門医とのコネクションを築くこともできます。将来大学院進学や学位取得を考えている方は、大学病院がおすすめです。
また市中病院では専門的な症例が少なく研究・学位に直結しにくい一方、救急・一般診療など幅広く実践的な経験ができます。また研修医の裁量が大きく、実際に手を動かす機会が多いこと、給与や福利厚生も良い場合が多いです。
将来母校に残るか、外の病院で経験を積むかということは、キャリア設計として早めに考えておきましょう。
そもそもこのマッチングの仕組みは、「安定結婚問題」と呼ばれるアルゴリズムがベースとなっています。
このアルゴリズムでは、学生の希望が最優先で反映されるように設計されています。
仕組みの流れを説明します。
・まず、学生の第一希望が仮に割り当てられる。
・病院側が定員を超えた場合や、病院の評価リストに基づいて一部の学生が外れる。
・外れた学生は第二希望に進み、再び仮マッチ。
・これを繰り返して、全員が最終的に落ち着く。
この仕組みから導かれる結論は、
☞本当に行きたい病院は、迷わず第一希望に書くべき。
ということです。
理由は次の通り。
・倍率が高い病院でも、第一希望に書かなければ挑戦権すらないということ。
・もし外れても第二希望以降に進めるのでリスクは少ないということ。
たとえ第一希望の研修プログラムAを落とされて第二希望のプログラムBの仮マッチに回されたとしても、Bの病院がその学生を高く評価していれば、Bを第一希望としている別の学生より優先的にマッチされます。
つまり、倍率が高いから順位を下げておこう、と考えるのは損というわけです。
むしろ強気に本命を第一希望に書いた方が合理的なのです。
ただし、学生の希望が優先されると言っても、最終的には病院側の評価リストも影響します。
そのため、実習や見学、面接での評価を高めることも非常に重要となってきます。
今年の結果からは「希望は通りやすい」「地方もチャンスが広がっている」ということが見えてきました。
マッチングは「運」だけで決まるものではなく、ルールに基づいた合理的な制度となっています。
といった準備をしっかり整えることがマッチング成功のカギとなります。
将来マッチングを控える医学生のみなさんは、
早めに先輩や指導医、そして予備校などのサポートを活用しながら、
自分にとってベストな選択肢を準備していきましょう。
👉 医学生道場では、マッチング体験談や病院選びのポイントを、先輩医師から直接聞くことができます。「どの病院が自分に合うのか不安…」という方は、ぜひお気軽にLINEからご相談ください!
Q1. 第1希望に行ける人ってどのくらい?
A. 62.5%です!半分以上が第1希望で決まっています。希望している病院が倍率が高くても、物怖じせずに第一希望に書くべきです。また、第三希望までで9割の学生がマッチしています。最終的には病院側からの評価でマッチが決まりますが、基本的には希望通りの順番でそのまま登録しておくのが良いでしょう。
Q2. 都市圏と地域の病院はどちらが人気?
A. ここ数年は地域病院の人気が高まっており、昨年度は6割の内定者が大都市圏以外を選びました。理由として考えられるのは、大都市圏の生活コストの上昇傾向や、交通網の発達により都市圏との行き来が容易になったことでしょう。地方で働きながらも週末は都市圏にアクセスできるため、生活のバランスを取りやすいということで好まれる傾向にあります。
Q3. 大学病院と市中病院、どちらがいいの?
A. 一概にどちらがいいとは言えませんが、大学病院は自大学出身者が多いのが特徴。市中病院はより多様な背景の研修医が集まりやすいです。研究や専門性を深めたいなら大学病院、実践的な臨床スキルを重視するなら市中病院でしょう。自分が将来どういう医師になりたいかを考え、それに合う方を選ぶのがベストです。