こんにちは! 医学生道場の橋本です。医学生にとって、最初の関門ともいえる「解剖学」ですよね。ここでは、いくつかのコラムにわたって、解剖学を効率よく勉強するための手助けとなるような情報をまとめていきたいと思います。
ここでも模式的なイラストを示しますが、アトラス等で自分で確認しながら勉強を進めていってほしいと思います。また、自分で図を描きながら理解していくことも一つの手です。その時に、この図を参考にしてみて下さい。
解剖学の中でも今回は、筋肉を学ぶにあたって、大まかなことを書いていきます。
突然ですが、「筋肉」とは何か、を説明できますか? 国語辞典には、「動物が運動するために必要な、収縮作用を持った器官」とあります。書いてある通り、力を出すためには「縮む」ことが必要になります。そのメカニズムについては、別のコラムにまとめてありますので、併せて読んでみてくださいね。
さて、筋肉と一口に言っても、いくつかの分け方があることは皆さんが知っている通りですね。その分け方の中でも代表的なものを挙げてみたいと思います。
随意筋―不随意筋
横紋筋―平滑筋
骨格筋―平滑筋―心筋
医学部生でなくとも、中学や高校の理科で聞いたことのある単語だと思います。それでは、それぞれがどんなものなのかを、見ていきましょう。
「随意筋」は、文字通りに自分の意思で動かすことができます。「随意筋」にあてはまる「骨格筋」は、これもまた文字通りに、骨格系に付着して運動をするのが役目です。
また、「骨格筋」は、顕微鏡で見た時に縞状の模様が見えるので、「横紋筋」という括りに入ります。後でも同じ単語が出てくるので、「横紋筋」という単語は頭の隅に置いておいてくださいね。
全身の筋肉をすべて紹介するのは無理なので、上の図ではそのうちのいくつかを書いています。
一方、自分の意思に関わらず、常に動き続ける筋肉もあります。「平滑筋」と「心筋」です。これらが自動で動いてくれないと、どうなるでしょうか。気を抜いた瞬間に心臓や食べ物の消化吸収が止まる、という恐ろしい事が起こってしまいますね。まずは、「平滑筋」の話からです。
「平滑筋」は、消化管や血管などにあります。食べ物を口から肛門に送る働きである「蠕動」を行うのが平滑筋です。比較的ゆっくりとした動きを、長時間続けるのが得意な筋肉です。
「心筋」は、名前の通りに心臓にあります。心臓は、全身に常に血液を送るためのポンプ機能を持ちます。
血液を全身にとどけるには、とても強い力が必要ですね。ですから、心筋は、人体でも最も丈夫な筋肉になっています。そして、強い力を出すのに向いた構造になっています。そう、骨格筋と同じように「横紋筋」に属しているのです。骨格筋とは同じ「横紋筋」の中でも少し構造が違うのですが、詳しくは別のコラムを読んでみて下さいね。
これで、筋肉の大まかなお話はできたかと思います。それぞれの場所で筋肉がどこを通っているか、ということは、場所ごとにほかのコラムにまとめてみました。併せて読んでみて下さいね。
以上、医学生道場の橋本でした。