こんにちは! 医学生道場の橋本です。医学生にとって、最初の関門ともいえる「解剖学」ですよね。医学部1,2年生で学ぶ科目の中でも、一番重い科目かもしれません。ここでは、いくつかのコラムにわたって、解剖学の勉強の手助けとなるような情報をまとめていきたいと思います。
今回は、その中でも、神経にスポットを当ててみたいと思います。神経と言うのは、解剖学の中でも、特に覚えることが大変に感じる分野だと思います。
ぜひ、一緒に勉強の仕方を見ていきましょう。橋本のおすすめは、「図を自分で書いてみる」ことです。図を自分で書くことで、わからない部分をはっきりさせることができます。
それでは、いつもの通り、「神経は何に使う器官なのか」と言うところから見ていきます。
結論から先に言ってしまうと、神経系とは、「身体の中で情報をやり取りする器官の一つ」です。
それでは、「身体の中でやりとりされる情報」とは、いったい何でしょうか。
痛み、熱さ、冷たさだけでなく、目で見たものや耳で聞こえたものも「情報」と言えるでしょう。
他にも、血糖値や臓器に流れる血液量といったものもありますね。
次に、体の中で、細胞同士が情報をやり取りする手段について考えてみます。
隣り合っている細胞同士で、細胞膜を介して物質のやり取りをすることもあります。では、隣り合っていない細胞同士が情報をやり取りするのには、どういった方法があるでしょうか。大きく分けると、二種類の方法があります。
一つは、「内分泌」系です。ホルモンと呼ばれる物質を血中に出して、遠くの臓器の細胞がそれを受け取ることで効果を出します。血液を介するので、一度にたくさんの細胞に対して効果を及ぼすことが出来ますが、その一方で情報の伝達速度も遅くなっています。
そして、もう一つが、「神経」系です。相手の近くまで、電気信号を使って素早く情報をやり取りすることが出来ます。今回は、そんな「神経」のお話をします。
神経細胞には、次の標的の細胞まで続く、長い「軸索」という部分があります。そして、その「軸索」には、「シュワン細胞」という細胞が巻き付いていることが有ります。また、軸索に巻き付いた「シュワン細胞」の間には、「ランビエ絞輪」という部分があります。
神経細胞の細胞体で発生した興奮は、先ほど説明した「軸索」上では電気信号となって伝わっていきます。そうして、末端まで来ると、次の細胞に情報を伝えるために物質を放出するのです。
この詳しい過程については、別のコラムにまとめてみました。併せて読んでみて下さいね。
これからは、具体的な神経系の話になります。
神経にも、大きく分けて二種類あります。
上図のように、末梢部に情報を伝えたり、逆に末梢部からの情報を伝えるのは「末梢神経」です。一方、「末梢神経」からの情報を処理して、その結果興奮を起こす部分を「中枢神経」と呼んでいます。「中枢神経」は脳や脊髄のことを指します。
また、「末梢神経」の中でも、いくつかの区分によって分けられます。末梢からの信号を脳に送る神経(感覚神経)と、中枢神経からの指令で骨格筋などに情報を送り、随意運動に関わる「体性神経」、そして中枢神経からの指令を内蔵に送って働きを調節する「自律神経」があります。
いかがでしたでしょうか。ここの内容は知っているよ! という医学生も多かったかもしれません。あくまでここは解剖学を学ぶ上での基礎的な内容をまとめたものですので、もっと詳しく知りたい人はぜひほかのコラムにも目を通してみて下さいね。
以上、医学生道場の橋本でした。