こんにちは! 医学生道場の橋本です。医学生にとって、最初の関門ともいえる「解剖学」ですよね。医学部1,2年生で学ぶ科目の中でも、一番重い科目かもしれません。ここでは、いくつかのコラムにわたって、解剖学の勉強の手助けとなるような情報をまとめていきたいと思います。
今回は、その中でも、泌尿器系について考えていきたいと思います。
橋本の大学の泌尿器科の先生は、「腎臓が一番難しい臓器だ」と言っていました。それほどに大事で、かつ大変な内容ですが、がんばって勉強していきましょう。
そんな難しい「泌尿器」ですが、少しでも楽に勉強するために、自分で絵をかいてみましょう。
ここでも模式的なイラストを示しますが、アトラス等で自分で確認しながら勉強を進めていってほしいと思います。また、自分で図を描きながら理解していくことも一つの手です。その時に、この図を参考にしてみて下さい。
さて、まずは泌尿器とは何をしている臓器か、考えてみましょう。
考える間もなく、「尿を作る臓器だ」と答えてくれる医学生が大半だと思います。知っている通り、尿は、体内で不要なものを捨てるために作られていますね。次からは、具体的に尿がどこで作られているのか、見ていくことにしましょう。
それでは、尿をつくる装置である腎臓は、どこにあるでしょうか。腹側は消化器があるので、その後ろ側にあります。場所は、手を下にブラっと下げた時の、およそひじの高さです。
解剖学的な話をすれば、T12からL1くらいの高さになります。下図に、消化管をすべて取り除いた時に腎臓がどう見えるか、を示します。血管がどう走っているか、という事も含めて、このような図で覚えていくのが効率的だと思います。ぜひ、参考にしてみて下さい。
おそらく知っている通り、腎臓で作られた尿は、膀胱に行きますよね。膀胱は、直腸のすぐ近くにあって、腎臓とは「尿管」という管でつながっています。膀胱に貯められた尿は、膀胱の筋肉が収縮することで、「尿道」を通って排出されます。この「尿管」と「尿道」を合わせて「尿路」と言います。
上の図をもう一度見返して、尿路全体を把握できるようにしてみて下さい。繰り返しになりますが、自分で書いてみるのも一つの手です。
最後に、実際の腎臓の構造がどうなっているか、簡単ではありますが触れていきたいと思います。
腎臓は、よく「ソラマメ」に例えられる形をしています。そのソラマメを縦に切ると、「腎錐体」が見られます。
この「腎錐体」の中に、ろ過装置が詰まっています。では、そのろ過装置の模式図を見てみましょう。
まずは、原尿を作る「糸球体」があり、その次に「近位尿細管」、「ヘンレ係蹄(ループ)」、「遠位尿細管」、「集合管」といった構造があります。
「糸球体」の中には毛細血管があり、その壁には穴が開いています。その穴から不要なものが出てきます。この時、体に必要なものも一緒に出てしまうので、尿細管などで再吸収しています。
もっと詳しい話は、別のコラムにまとめてありますので、併せて読んでみて下さいね。
以上、医学生道場の橋本でした。