こんにちは! 医学生道場の橋本です。医学生にとって、最初の関門ともいえる「解剖学」ですよね。ここでは、いくつかのコラムにわたって、その勉強の手助けとなるような情報をまとめていきたいと思います。
前回までは、それぞれの器官系についてのさわりの部分だけを触れていました。ですから、「こんなことは医学部生でなくても知っているよ」という部分が多かったと思います。今回からは、その内容を踏まえた上での、「医学部での解剖学」のステップアップ的な部分になります。
ここでも模式的なイラストを示しますが、アトラス等で自分で確認しながら勉強を進めていってほしいと思います。また、自分で図を描きながら理解していくことも一つの手です。その時に、この図を参考にしてみて下さい。
今回は、その中でも、胸部の筋肉についてのお話をします。
胸筋には、大きく分けて二種類あります。「浅胸筋群」と「深胸筋群」です。「浅胸筋群」は、名前の通りに胸のすぐ浅いところにあります。そして、その下に埋もれるようにしてあるのが「深胸筋群」です。これらは、場所だけで区別しているのではありません。機能面でも大きな違いがあります。下では、それを見ていきたいと思います。
「浅胸筋群」の機能面での特徴は、腕を動かすのに関与している筋肉である、という点です。胸郭と上腕骨、鎖骨を結び、それらを動かしているのです。それでは、どんな筋肉があるのか、具体的に見ていきたいと思います。
まず、一番有名なのは「大胸筋」でしょう。体幹と上腕骨を結ぶ大きな筋肉です。腕立て伏せをする筋肉だと言えば想像しやすいかと思います。
他には、小胸筋、鎖骨下筋、前鋸筋があります。特に、前鋸筋は、肩甲骨を胸郭に固定する大事な筋肉です。
「深胸筋群」の筋肉は、「外・内肋間筋」「肋下筋」「胸横筋」「肋骨挙筋」の五種類あります。特に、「外・内肋間筋」については、呼吸の際の大事な筋肉なので、図を用いてしっかりと理解をしてください。「外肋間筋」と「内肋間筋」は全く逆の作用を持つので、混同しやすいと思います。
最後まで読んでくれてありがとうございました。このコラムを読んで、医学部1,2年での解剖学の勉強が少しでも楽になることを期待しています。
以上、医学生道場の橋本でした。