こんにちは! 医学生道場の橋本です。医学生にとって、最初の関門ともいえる「解剖学」ですよね。医学部1,2年生で学ぶ科目の中でも、一番重い科目かもしれません。ここでは、いくつかのコラムにわたって、その勉強の手助けとなるような情報をまとめていきたいと思います。
前回までは、それぞれの器官系についてのさわりの部分だけを触れていました。ですから、「こんなことは医学部生でなくても知っているよ」という部分が多かったと思います。今回からは、その内容を踏まえた上での、「医学部一二年生での解剖学」のステップアップ的な部分になります。
ここでも模式的なイラストを示しますが、アトラス等で自分で確認しながら勉強を進めていってほしいと思います。また、自分で図を描きながら理解していくことも一つの手です。その時に、この図を参考にしてみて下さい。
今回は、その中でも、上肢の筋肉についてのお話をします。上肢って何ぞや?と思う人もいると思います。かく言う橋本も、医学部に入るまではそうでした(笑)
上肢とは、言ってしまえば腕のことです。厳密にいうと肩関節も含めることもありますが、肩関節については別のコラムで取り上げました。ぜひ参考にしてみてくださいね。
出てくる筋肉の名前が非常に多いので、、覚えるのが大変だと思います。具体的な筋肉の名前や作用などは、授業や教科書を見て自分で書いてみて覚えてくださいね。
まずは、「上腕」、つまりは肩から肘までの部分の筋肉について考えていきます。上腕部には、肩関節を動かす筋肉や、肘関節を動かす筋肉があります。
肩関節を動かす筋肉として、大胸筋や広背筋といった大きな筋肉以外にも、肩を挙げるのに使う三角筋や「回旋筋腱板」といった筋肉があります。「回旋筋腱板」は、肩関節の安定のために働いています。
一方、肘関節を動かす筋肉は、「屈筋」「伸筋」に大きく分けられています。前者は体の前側、後者は体の後ろ側にあります。特に、屈筋が発達した人は、腕を曲げた時に筋肉が盛り上がる現象、いわゆる「力こぶ」が見られます。
同じく、「前腕」についても見ていきます。前腕とは、肘から手首を指します。やはり、上腕と同じように、前腕の筋肉も「屈筋」「伸筋」があります。前者は上腕骨の内側上顆、後者は上腕骨の外側上顆から起こっています。「屈筋」は手首を掌側に、「伸筋」は手首を甲側に動かします。
屈筋の中の「長掌筋」は、ヒトでは退化しつつあり、日本人の5%はこの筋肉を持たないといわれています。また、伸筋に属する「腕橈骨筋」ですが、親指を前にして腕を下した状態から、腕を曲げるのに使います。覚えにくいので、図を描いてみてください。
また、いわゆる「テニスひじ」「野球ひじ」もこの部分の筋肉の損傷です。
手首から先にも、もちろん筋肉はあります。大きく分けると「母指球筋」「小指球筋」「骨間筋」があります。母指球筋は、親指の付け根のところにあって、親指の付け根ごと動かします。また、小指球筋も同様に、小指を根元から動かす筋肉です。骨間筋は、指を開いたり閉じたり、といった操作を担います。
最後まで読んでくれてありがとうございました。このコラムを読んで、医学部1,2年生の解剖学の勉強が少しでも楽になることを期待しています。
以上、医学生道場の橋本でした。