こんにちは! 医学生道場の橋本です。医学生にとって、最初の関門ともいえる「解剖学」ですよね。医学部1,2年生で学ぶ科目の中でも、一番重い科目かもしれません。ここでは、いくつかのコラムにわたって、その勉強の手助けとなるような情報をまとめていきたいと思います。
前回までは、それぞれの器官系についてのさわりの部分だけを触れていました。ですから、「こんなことは医学部生でなくても知っているよ」という部分が多かったと思います。今回からは、その内容を踏まえた上での、「医学部一二年生での解剖学」のステップアップ的な部分になります。
ここでも模式的なイラストを示しますが、アトラス等で自分で確認しながら勉強を進めていってほしいと思います。また、自分で図を描きながら理解していくことも一つの手です。その時に、この図を参考にしてみて下さい。
今回は、その中でも、「肩甲骨」についてのお話をします。名前ぐらいは医学部に入る前から聞いたことがある人が大半だと思います。少しでも覚えやすくなるようにまとめたので、参考にしてみてください。
さて、肩甲骨を語る時には、肩甲骨につながっている骨も一緒に考えなければいけません。
肩甲骨につながっている骨は、鎖骨と上腕骨です。実は、肩甲骨は、胸郭とは(解剖学的な)関節を持たないのです。
鎖骨は胸骨とつながっています。上腕骨は名前の通りですね。肩から肘にある骨です。
鎖骨を持つことによって、ヒトの腕の可動域はとても広くなっています。
肩甲骨は、腕を動かすときに一緒に動くのが分かると思います。それでは、その、肩甲骨の運動について説明していきます。
外転:肩甲骨を前に出す動き
内転:肩甲骨を後ろに引く動き
挙上:肩をすくませる動き
下制:肩を落とす動き
内方回旋:腕を下から後ろに回す動き
外方回旋:腕を上から後ろに回す動き
肩甲骨には、15種類以上の筋肉が付着しています。ですが、そのうち大半は肩甲骨に起こり、肩関節を動かす筋肉です。肩甲骨自体を動かす筋肉の、主なものだけを今回は紹介したいと思います。
僧帽筋:肩甲骨の固定
広背筋:下制
前鋸筋:外転、外方回旋
小胸筋:下制、外転
肩甲挙筋:挙上
菱形筋:内転
それぞれの作用については、実習の時に見ながら覚えていくと実感がわきやすいと思います。
最後まで読んでくれてありがとうございました。このコラムを読んで、医学部1,2年生の解剖学の勉強が少しでも楽になることを期待しています。
以上、医学生道場の橋本でした。