こんにちは!医学生道場の橋本です。
医学生にとって、最初の関門ともいえる「解剖学」ですよね。医学部1,2年生で学ぶ科目の中でも、一番重い科目かもしれません。
ここでは、いくつかのコラムにわたって、その勉強の手助けとなるような情報をまとめていきたいと思います。
前回までは、それぞれの器官系についてのさわりの部分だけを触れていました。
ですから、「こんなことは医学部生でなくても知っているよ」という部分が多かったと思います。
今回は、その内容を踏まえた上での、「医学部一二年生での解剖学」のステップアップ的な部分になります。
ここでも模式的なイラストを示しますが、アトラス等で自分で確認しながら勉強を進めていってほしいと思います。
また、自分で図を描きながら理解していくことも一つの手です。その時に、この図を参考にしてみて下さい。
今回は、その中でも、「頭蓋底」についてのお話をします。
少しでも覚えやすくなるようにまとめたので、参考にしてみてください。
頭蓋骨は脳を包んでいることは、聞いたことがあると思います。
もちろん、頭蓋骨の中に脳がただ入っているだけではありません。
頭蓋骨が包んでいるその中の空間を「頭蓋腔」と言います。
そして、そのすぐ内側に脳を包む髄膜があり、さらにその中に髄液が入っていて、その中に脳は浮かんでいます。
最初に話した「頭蓋底」とは、この頭蓋腔の底にあたります。
また、頭蓋腔側を内頭蓋底、外側を外頭蓋底と呼びます。
この呼び方は後で出てくるので覚えておいてください。
先ほども書いたとおり、頭蓋底は、頭蓋腔の一番下にあります。
ですから、頭蓋骨を下から支える役目と言っても過言ではありません。ここで思い出してほしいのが、脳の形です。
脳の一番下は、ボールのようにただ丸いだけではありません。
凹凸があります。ですから、内頭蓋底にも、その凹凸に合わせた形の構造が見られます。
具体的にいえば、大きく分けて三つのくぼみがあります。
まずは前頭葉が収まる前頭蓋窩、側頭葉が収まる中頭蓋窩、そして小脳が収まる後頭蓋窩です。
後頭葉は小脳の上にあります。間違えないように、しっかりと押さえておきましょう。
少し別の話をします。
ここで話したいことは、脳から血管や神経が直接出ている、ということです。
では、これらの血管や神経は、どのようにして脳に向かうのでしょうか。答えは単純で、骨の中を貫通しているのです。
言い換えると、頭蓋骨には、血管や神経が通るための穴があるのです。
そして、頭蓋腔の底である頭蓋底には、この穴がたくさん分布しています。
今回は、穴の具体的な名前については触れません。
別のコラムで詳しく触れたいと思います。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
このコラムを読んで、医学部1,2年生の解剖学の勉強が少しでも楽になることを期待しています。
以上、医学生道場の橋本でした。