こんにちは。医学生道場の代表の橋本です。
先日、ある医学生さんから、次のようなご相談を頂きましたので、ご紹介したいと思います。
医学生
「先生、医学部に入って、なんとなく四年生に上がれてしまいましたが、CBTが怖いです」
橋本
「おお、そういう不安は橋本も持っていたよ」
医学生
「結局、どうやって勉強していましたか?」
橋本
「解剖や生理の先生にいっぱい聞きに行っていたなあ、関係なさそうな話でも聞いてくれたよ」
医学生
「臨床の先生に聞かないでいいんですか?」
橋本
「なにも臨床の先生にこだわらなくても良いんだな、これが(´◉◞౪◟◉)」
まず皆さんに質問です。医学部の3~4年生は何について勉強するのでしょうか。
他のコラムでも述べていますが、医学部3~4年生は「臨床医学」を学びます。「臨床医学」とは、人間の疾患について学ぶ学問です。
1~2年生の「基礎医学」で学んだ、「病気でない人の体」の知識をベースとして、いよいよ具体的な病気の話に入っていきます。
もちろん、無事に3年生に進級できても油断はできません。
2年生までの知識が完璧に残っている人はごくわずかですので、ほとんどの医学生は、もう一度「基礎医学」の勉強をやり直すことになります。
しかも、ものすごい分量の疾患の勉強をしながら、です。
今度は、具体的にどのように向き合ったらいいのか見てみたいと思います。
先ほど書いたとおり、医学部3~4年生は「臨床医学」を学びます。
そして、四年生の終わりにあるのが「CBT」です。
5年生での病院実習のことを考えると、すぐ忘れてしまうような勉強方法は望ましくありませんね。
それでは、いったいどんなことを心がけて勉強すればいいのでしょうか。
具体的には、「本質」を理解していくように勉強することです。
「本質」とは、木で例えると「幹」の部分の事を意味します。
「本質」を理解することが出来れば、様々な知識が「枝」のように広がっていくイメージです。
どんなに記憶力に自信がある人でも、医学部という大量の試験とボリュームがある世界の中では、「力づくで枝を沢山覚えていくぞ!」というのは少々危険です。
また、忘れる度に覚えなおさなければなりません。「記憶」だけではなく、本質の「理解」が重要です。
例えば、神経内科の勉強をしているとします。
その時、疾患の数の多さを見て戸惑うと思います。
この時、神経解剖の知識と関連して覚えることで、「ここの神経核がやられたからこんな症状が出る、といったように覚えていくと、解剖学や生理学の知識と一緒に覚えることができます。
覚えることが増えて一見大変そうに見えますが、実は、何か他のことと関連している知識は忘れにくいのです。
きっと、CBTだけでなく、病院実習や国家試験、さらに医師になってからも生かすことのできる知識となるでしょう。
まさに、あなたが医師として働くときの「幹」の知識になるのです。
臨床医学を学んでいくときに、基礎の解剖学や生理学についての疑問がわくことも多いと思います。
臨床の先生は臨床の目線から解説してくれると思います。
ですが、基礎の先生はまた別の視点から解説してくれると思います。違う視点から見てみる事で、さらに理解が深まると思います。
というのも、本来医学という学問は、綺麗に基礎医学と臨床医学が分かれているわけではないからです。
臨床が分かれば基礎が分かり、基礎の知識が深まれば臨床もより理解できるようになっています。
いわば、「スパイラル」ですね。この「スパイラル」を意識しておくだけで、だいぶ勉強が楽になると思いますよ。
最後まで読んで頂き有難うございました。
CBTに限らず、そのあとにつながる勉強方法についてお話しできたかと思います。
引き続き医学生道場のホームページをお楽しみください。
医学生道場 代表医師 橋本将吉