人気ランキングの上位に位置する医学部に進学すれば、医師免許を取得しやすいと考えている人もいるでしょう。しかし、その認識は正しいとは言えないので注意しなければなりません。医師免許を取得するには国家資格に合格する必要がありますが、人気と合格率は比例するわけではないのです。この記事ではその理由について詳しく説明します。
入学試験の偏差値やキャンパスの立地条件など、医学部の人気を左右する要因はたくさんあります。どのような要因に魅力を感じて入学したにせよ、一生懸命勉強しなければ国家試験を合格することはできません。しかし、人気のある医学部に入学できたことによって、気が緩んでしまう学生が多く見受けられます。医学部への進学を人生の目標のように考えて受験勉強に励んできた反動により、進学後は勉強する意欲が湧きにくい状態になっているのです。そのような状態でキャンパスライフを送っていると、真面目に勉強している学生に大幅に遅れを取ってしまいます。一般的には、2年という長い歳月をかけて国家試験の対策に取り組む必要があります。目標の医学部に入学しただけで満足した学生は対策が遅れてしまい、合格が遠のいてしまうケースが少なくありません。このように、例え人気が高くても勉強不足の学生の割合が多いと、合格率は必然的に低くなってしまいます。
合格するポイントとして、積極的に情報収集を行うことが挙げられます。なぜなら医師の国家試験は相対的な評価で判定されるからです。すなわち、他の医学部の学生と比べて著しく劣っていなければクリアできる可能性は十分にあります。そのために必要になるのが、コミュニケーションによる情報収集というわけです。他の学生がどのような勉強をしているのかを知って、自分も同じように取り組むのが合格に向けての基本的なスタンスです。しかし、偏差値が高くて人気があるような医学部は、あまりコミュニケーション能力が高くない学生が珍しくありません。秀才型や自信家にありがちな黙々と一人で勉強し続けるタイプが目立ちます。同じ医学部にそのような学生がいると、自分も負けてられないと感じて同じように一人で頑張る学生が増えていきがちです。その結果、多くの学生が試験に関する情報を仕入れられず的外れな対策を続ける、といったことになりかねません。そんな事態になるとやはり合格率は下がってしまいます。
医療について通常より深く学べる医学部も人気があります。臨床だけでなく研究も視野に入れている学生にとって非常に魅力的だからです。しかし、そのような医学部だからといって国家試験に合格しやすいわけではありません。それどころか、その特徴がかえって合格率を下げる要因にもなってしまうのです。なぜなら前述のように、国家試験の合否は相対的な評価によって決まるからです。深く学んだとしても、一般的な医学部で学ぶ標準的なレベルの内容でなければ得点には結びつきません。むしろ海外論文などで先進的な知識を身につけると、深読みをしてしまって誤った選択肢を選んでしまう恐れもあります。例えば、現状の治療法を答えるべき問題で研究段階のものを回答してしまうケースなどがあるのです。このようなケースもあるため、学術的に優れているランキング上位の医学部に進学しても油断はできません。意外と合格率が低いこともありえるので要注意です。
ランキング上位の医学部でも、合格率が高いとは限らないことを覚えておく必要があります。どの医学部に進学したとしても、しっかりと情報を集めて、十分な量の勉強をこなすのが必須の対策となるのです。そう言われても、やはり難しいと感じる場合もあるかもしれません。それなら医学部の学生を対象とした塾に通うことも視野にいれると良いでしょう。医学生道場は、現役医師や医師免許を持つ講師たちによる個別指導で、効率の良い勉強法を身に着け、国家試験に備えることが出来ます。