医学部では受験科目として、英語や数学の他に理科を設定しているところがほとんどです。理科も1教科ではなく、化学や物理などの細かく分かれたものから2教科選びます。その際、物理と生物のどちらを選ぶかは勉強のしやすさだけでなく入学後の大変さについても考えなくてはいけません。化学については、ほぼ必須で全受験生が勉強することになっています。
生物を専攻していない人もいる
医学部も他の学部と同じように、入学すると教養科目を受講することになります。2年生以上になると、徐々に専門的な科目を学ぶようになります。その中には、生化学や分子生物学なども含まれているでしょう。これらは高校で学ぶ科目の生物学にあたり、より専門的で医学に必要なことを学ぶわけです。しかし、そこで気になってくるのは高校の時点で生物を専攻していたかどうかです。同じ医学部の学生とはいえ、高校で生物を専攻しているとは限りません。化学についてはほぼ全員が専攻していますが、他は物理を勉強していたと言う学生は沢山います。ただ、4科目ある理科の中で地学を専攻していたと言う学生はほぼいません。地学に関しては、医学部はもちろん理学部や工学部など他の理系学部でも地学系以外では受験科目にしてないところがほとんどだからです。物理を専攻していたからといっても、周りにも同じ条件の仲間は沢山いるのでさほど悲観する必要はありません。とはいえ、医学部だと物理に関してはあまり専門的に学んだり研究したりすることはないと言うことも考えておくことは大切です。
入学してからでも追いつく
大学で学ぶ生物学は高校の内容よりはるかに広範囲な上、専門性が広くなっています。一言でいうと、高校の生物は大学で学ぶ科目の入門的な位置付けといっても良いでしょう。こう言ってしまうと、高校で学んでおいた方が、勉強が先に進むと思う人もいます。しかし、実際には医学部で学ぶ生物は非常に難しく高校で勉強したからといって高得点が取れるとはいえません。新しい内容もかなりあるので、全く新しい学問と感じる人もいる程です。結論から言ってしまうと、高校で専攻していなくても不利になったり困ったりするということはありません。スタートに若干の差はありますが、1年か2年でその差はなくなることがほとんどです。むしろそれよりも、基礎中の基礎となる化学や数学をしっかりやっておくことをおすすめします。化学については医学部でも必要な上、高校の内容が基礎になるのでしっかりやっておかないと苦労します。入学後を心配して、専攻を悩みすぎる必要はあまりないです。あえて言うなら、高校で専攻しておいた方が抵抗なく勉強できるということくらいです。
なぜ物理専攻がいるのか
医学部に入ってから困らないとはいえ、将来的にあまり必要のない物理を専攻する学生は少なくありません。理由としては、医学部以外の理系学部を受験するときに物理を専攻していた方が有利と言うことがあげられます。医学部は物理と生物のどちらで受験しても良いようになっていますが、他の理系学部のほとんどが生物と地学以外の2科目に対応するようになっているというのが現状です。滑り止めや志望変更で医学部以外を受験する際、困らないというメリットがあります。また、物理は苦手な人にとっては点数が取りにくい教科ですが満点を狙える教科とも言われています。範囲がしっかり決まっている上、公式さえ覚えてしまえばどうにかなるという人も少なくありません。一方、生物は数年おきに教科書に書かれている範囲が少しずつ変わっていく傾向があります。暗記が得意な学生には有利な反面、満点が取りにくいという声もある程です。こうした理由から、医学部なのに物理をわざわざ専攻して受験する学生がいるのです。
確かに、高校で生物を専攻していた方が医学部に入ってから抵抗なく大学の科目が学べるというメリットはあります。しかし、医学部で勉強するためにはまず難しい受験を突破することが大切です。入学後に不利かどうか感じるより、まずは医学部に入ることを優先すべきです。暗記が得意なら生物、公式を覚える方が楽なら物理といったように受験しやすい方をまず選ぶことが大切です。
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