医師として働いている方は、一般人からすると充実して仕事をしているイメージがありますが、医師も人間であり、更に人とのコミュニケーションを多分に要する職業ですので転職をしたいと考えるケースも少なくはありません。ただ医師という仕事柄、現状の勤務をしながらいざ転職しようと考えてはいてもなかなか難しい場合も多いはずです。
医師の転職とサラリーマンの転職
転職をするのに医師とサラリーマンに違いはないという考えはあまり的を射ていません。サラリーマンであれば、例えば小売業の営業をしていた方が、出版社の営業に就職をし直してもそれなりに仕事は引き継げます。その他、運送業の配達をしていた方が、工場で作業をするようになっても問題はあまりないはずです。つまり、資格を有する特別な仕事以外であれば、業種・職種が異なっていてもそれほど無理なく転職を行うことのできるケースが多いと考えられます。その点、医師は、医師として働いてきた以上、その他の業種というのはまさに別世界です。いきなり営業の仕事に就くことはできませんし、なにより医師としてまた働きたい方も多いのではないでしょうか。そのため、医療関連の仕事を転職先として検討することになると思います。そうした観点では、かなり限定的な世界ではないでしょうか。ただ気をつけなければならないのは、その情報量の多さです。一見、限定的とは思われがちですが、方法を間違えると転職先を探すのはかなりの時間を要するようになってしまいます。
医師の転職の主流はインターネット
現代において、医師として転職を成功させた人が利用した媒体で一番多いのが、やはりインターネット経由です。もちろん、インターネット以外にも、友人や知人の紹介やコネを利用したり、紙媒体の求人誌を利用したりといった場合もありますが、全体的に見るとこの割合は1割にもなりません。ただ、インターネットを利用する場合、単純に「医師」「転職」というワードを検索エンジンにかけても100万件以上の結果が出てしまい、多すぎる情報量から必要な部分を絞り込むのは工夫が必要になってくるでしょう。そこで利用したいのが、転職サイトなどですが、サイト自体も運営企業が非常に多いので、まずはそこから選択しなければなりません。日本の場合、運営企業が独自のシステムで情報を集約して掲載する紹介求人サイトがほとんどですので、転職サイトを選ぶ際は掲載数の多さを足掛かりにするのが最もわかりやすいポイントです。その上で担当者が模擬面接や手続を進めてくれるなどしっかりとしたサポート体制が整っているのかが、判断材料になります。
医師の転職先としての塾という選択肢
医師の転職先として、やはり一番思い浮かぶのは病院や、大学などの研究機関だと思います。ただ現在、意外にその他の道も人気が出てきています。それが医学部生専門の塾の講師です。医師になるためには、大学の医学部に入学するだけでは当然のことながらなれません。医学部で知識と技術の研鑽を積みながら、その上で国家資格をとり、更に研修医として長い期間を過ごさなければならないのは、医師として勤務されている方々にとっては当然のことでしょう。そこで利用されるのが、医学部生専門の塾「医学生道場」です。ここで働く講師はやはり現役の医師や、研修医の方々です。この講師というお仕事は、かなりやりがいのある内容です。勤務する講師側からすると、これまでの自分の経験や知識をこれからの時代を担う学生に教えることによって後進の教育を行うという意義のある仕事という認識になりますし、雇用する側からすると現役の医師ほど素晴らしい講師たりえる人材は他にありませんので、お互いに多くのメリットがあるといえるでしょう。
医師の転職先として、塾はひとつの有力な案件です。働き方もそれなりに自由に組むことができるので、現在の勤務先に在籍をしながら週末の夜だけ講師として働くなど、通常のバイトはしにくい研修医の方などにも向いています。研究や臨床の現場を探すのか、後進の教育で未来を作り上げるのか、意外にも医師の転職先の道は選択肢が広いのです。