医師としてキャリアを積んでいく方法は1種類に限られません。代表的なのは臨床と研究、開業の3種類であり、どれを選択するかによってキャリアアップの方法は大きく異なります。それらを理解しないまま、イメージだけで安易に選択するのは良くありません。この記事では、上記の3種類の働き方に関して、キャリア形成におけるメリットを紹介します。
臨床はキャリア形成の選択肢が豊富
臨床を続けるのが、医師の最も一般的なキャリア形成のステップです。外科や内科をはじめとして多くの診療科目がありますし、一般病院や大学附属病院など医療機関の種類も多岐にわたります。さまざまな選択肢が用意されているので、キャリアを形成していく過程において、進路の調整や修正を行いやすいことがメリットです。また、高齢化にともない医師不足が社会問題になっている点も見過ごせません。人口あたりの医師の数は地域によって偏りがありますが、それでも余っているところはないのが実情です。これまで以上にニーズが高まっていくのは間違いないので、雇用が減ることを心配しなくて良いのも、大きなメリットといえます。さらに、どこの医療機関も優秀な医師を求めているので、経験を積むにしたがってキャリアアップを実現しやすくなっていきます。したがって、確実に収入を増やしていきたい人にとって有力な候補となるでしょう。
研究は実績がキャリアアップに直結
医療技術はたゆまぬ進歩を見せており、それを実現しているのは医師による研究に他なりません。キャリア形成において研究を選ぶと、患者と直接向き合う機会は少なくなりますが、働き次第で多くの人の健康や命を守れる可能性があります。人類の英知である医療の発展に寄与するという重大な使命感を得られるでしょう。画期的な治療法などを発見して、学会発表で成果を認められると、キャリアアップに役立つ大きな名誉となります。国内だけでなく権威のある海外メディアにも報道されることで、日本を代表する医師として確固たる地位を築いた人も数多くいます。認知度が上がることで、より設備の充実した研究機関や大学院からオファーを受けることも増えるでしょう。順調にキャリアを積んでいけば、研究チーム内でのポジションが上がり、最終的にはチームの枠を超え、センター長など所属機関の重要なポストにつけるケースも多く見受けられます。
開業は長期的なキャリア形成が可能
開業する最大のメリットは、理想を追求できる病院を持つことができることです。他人が決めたルールではなく、自分のスタンスで患者と向き合うことが可能になります。例えば、短時間で多くの診察をこなすのではなく、一人一人をゆっくり診るといった方針を自由に決められるのです。これはキャリア形成において大きなポイントとなっています。後ろ盾がないので失敗するリスクもありますが、一方で成功したときのリターンを他に奪われる心配がありません。自分の病院に投資する形で地域に浸透させ、集客力を上げながら積極的に成長させていけます。つまり、自分の腕や努力次第で病院を大きくしていけるということです。また、長期的な視点でキャリアアップを行えるのも大きなメリットといえます。過労で続けられなくなると、キャリアの形成もそこで止まってしまいます。開業医であれば就業規則を決める裁量もあるため、休診日を多めに設けるなど働きやすい職場を構築できるでしょう。
また後進育成はどのキャリアでも求められるスキルです。医学生専門の予備校「医学生道場」の講師にチャレンジし、後進を導くスキルを磨くという方法もあります。ぜひ一度ご検討してみてください。