医学部のOSCE(オスキー)は他の試験とは特色が違うので、「どんな内容が出題されるのか」「合格するためにどのような対策をすればいいか」など、疑問を持った方も多いはず。
そこでこちらの記事では、医学生が一度は通る試験OSCE(オスキー)の概要を徹底解説します!試験の流れや出題内容はもちろん、合格率や対策方法についてもご紹介していきます。
これからOSCE(オスキー)を控えている医学生はもちろん、事前にOSCE(オスキー)の試験概要を知っておきたい1〜3年生の医学生も目を通してみてくださいね。
目次
そもそもOSCE(オスキー)とは?
OSCE(Objective Structured Clinical Examination)とは、薬学部や看護学部を含む医学科共用の客観的臨床能力試験です。臨床医学能力を試すもので、学力試験であるCBTと合わせて、基本的に早い大学ではM3(3年生)の冬、遅い大学でM4(4年生)の2月頃までに実施されます。(※大学によっては実施時期が異なる場合があります。)
診療参加型実習が始まる5年生への進級判定のための試験でもあり、合格することで進級と診療実習に参加する資格が与えられます。
医学部のOSCEの試験概要
OSCEは医療面接を含めた6つの実技試験で構成されています。部屋(ステーション)が複数に分かれており、医学生が順番に回って受験する方式です。
各ステーションには採点を担当する大学内外の教員と患者がいます。患者はSPと呼ばれる模擬患者で、患者役として訓練を受けた人なので想定外の受け答えをしてくることも。
コミュニケーション能力はもちろん、患者の症状や受け答えに対して臨機応変な対応力が求められる試験です。
OSCEの試験の流れと試験の内容
医学部のOSCEは以下の流れで進む場合が多いです。
- ①ステーションに入室後、受験番号と氏名を名乗る
- ②準備時間の間に手指の消毒・課題シートの確認などを行う
- ③合図されたら開始
- ④終了後、退室して次のステーションに進む
これらを全てのステーションで行います。各課題の間には2分間の準備時間が設けられるので、開始の合図までに患者の症状や診療の指示が書かれた課題シートに目を通しておきましょう。
また、ステーションには打腱器やペンライトといった診察に必要な器具やゴミ箱が用意されていることも。課題シートの内容に合わせて、何が必要になるのかを確認しておくと安心です。
試験内容①医療面接(必須項目)
医療面接では、実際の診察・問診を想定して模擬患者を診察します。制限時間は10分間で、主に以下の流れで進む場合が多いです。
- ①模擬患者入室・着席
- ②患者の本人確認
- ③自己紹介
- ④問診
- ⑤問診内容の確認
- ⑥模擬患者退室
問診では「今日はどうされましたか」と尋ねてから、患者の訴えから症状について発症時期や頻度、痛みの強さなどを深掘りしていく形です。メモを取りながら話を聞き、最後に患者さんへ内容に誤りがないかを確認するため整理します。
参照:https://informa.medilink-study.com/regularpost/11691/#4
https://ishin.kawai-juku.ac.jp/university/osce/
試験内容②各部位問診・診察等
各部位の診察です。3つの必須項目の他、大学によって設定されたセクションを受験します。
- 【必須】頭頸部診察
- 【必須】腹部診察
- 【必須】神経診察
- 【両方またはどちらか】胸部診察・バイタル測定
- 【両方またはどちらか】基本的臨床主義・救急
課題シートには患者のデータと診察の指示について書かれているので、順番や内容を飛ばさないようにしましょう。必須項目以外のセクションは大学によって異なるので、事前に確認しておくと準備しやすいです。
OSCEで落ちる人っている?合格率と不合格になる原因
OSCEは実際の診察を想定して行われるので「落ちるのが不安」という方もいると思います。しかし、結論から言うとOSCEの合格率は約90%前後と高く、落ちた人の方が少ないのが現状です。
具体的な合格基準や評価項目は明らかになっていないものの、各セクションで時間切れにならない限りは問題ないので、事前に練習を重ねておきましょう。
逆に時間切れになったり手間取ったりすると、課題の途中で試験官から「もういいから次のセクションに進むように」と止められ、不合格になる可能性が上がります。
不合格になった場合は再試験になり、最悪の場合留年に繋がるので要注意です。
参照:https://reiwa-igakublog.com/osce-study#OSCE-3
OSCEを合格するための対策と3つの意識すべき点
OSCE合格への近道は、とにかく練習を重ねること。筆記試験とは違い、コミュニケーション力や臨機応変な対応を求められるため、単純に流れを覚えればいいというわけではありません。
OSCEで陥りやすい失敗は、CBTの勉強に集中しすぎてOSCEの対策時間が取れなくなること。
CBTの勉強と並行しながら、少なくとも本番の2〜3週間前からOSCEの対策を行いましょう。大学によってはOSCEの模範動画を公開していたり、医療面接の対策イベントを行っていることもあるので、積極的に利用してください。
参照:https://informa.medilink-study.com/regularpost/11691/
①医療面接の流れを把握しておく
必須項目である医療面接の一連の流れは必ず把握しておきましょう。患者さんが入室してから診察を受けて退室するまでの間に伝えるべきことや質問が抜けてしまうと、評価に響く可能性が高いです。
流れを覚えた上で、どんな訴えにも臨機応変に対応できるよう質問や返答のストックを考えておくといいでしょう。
参照:https://reiwa-igakublog.com/osce-study#OSCE-3
③当日は清潔感のある服装や身だしなみで挑む
試験当日は清潔感を感じられるよう、以下の点に気をつけましょう。
- ・服装は清潔感を感じられるものにする
(スーツ+綺麗な白衣が無難。男子はネクタイをつける) - ・髪型は整え、金髪・茶髪など派手な髪色は避ける
- ・アクセサリーや化粧は派手にしすぎない
- ・ヒゲはしっかり剃っておく
- ・爪は切り、マニキュアやネイルアートはしない
- ・ブーツやサンダル、ピンヒールは避けてシンプルな靴で行く
特に爪は細かくチェックされる可能性が高いです。伸ばしっぱなしにすると悪印象なので、当日までに必ず整えておきましょう。
③患者さんファーストを意識した対応を心がける
患者さんへの配慮やわかりやすい説明も評価項目に含まれているので、以下を意識して挑みましょう。
- ・ハキハキとした挨拶や言葉遣いを心がける
- ・メモに気を取られすぎず、適度に患者さんと視線を合わせる
- ・患者さんが「はい」「いいえ」のどちらかで答えられる質問を行う
こちら側が投げかける質問に対して、患者さんが返答に困らないかどうかも評価対象になります。わかりやすい質問になるよう、特に意識しましょう。
また患者さんの負担にならないよう、聴診器を当てる時は「少し冷たいですよ」などの気遣いができていると良い印象を与えられます。
OSCE対策は予備校にお任せると安心!
少しでも「OSCEに合格できるか不安」と感じているなら、OSCEに特化した対策を行っている予備校に通うのがおすすめです。講師と模擬テストを重ねながら改善すべき点を見直し・解消していくことで、本番では何の心配も必要ないくらいの自信が身に付きます。
CBT対策に特化したコースがあれば一緒に受講することで、スケジュール調整もしやすく本番間近に焦ることもなくなるでしょう。
医学生道場ではOSCE対策も万全!

医学生道場では、osce対策に特化した「医学生osce実習コース」を展開しています。内科や外科、産婦人科など豊富な分野の現場で働く現役の臨床医とマンツーマンで模擬テストを繰り返し、良い点や悪い点、どう改善すべきなのかを詳しく伝授。
また実際に現場で働いているからこそわかる臨床現場との違いもお伝えするので、より試験のイメージが掴みやすくなります。
OSCE実習コース最大の強みは、担当する医師講師が20〜30代と比較的若いこと。直近の試験の記憶が新しく、対策を入念に行った医師も多いです。わからない点や試験傾向を気軽に相談できるので、合格に大きく近づくでしょう。

さらに必要な勉強時間や勉強範囲も熟知しているため、一人一人に合わせた勉強のスケジュール作成・管理もばっちり。CBTの勉強に影響が出ないよう効率良く進めるので、興味のある方はお気軽にご相談ください。
往復練習でOSCE合格を目指そう
OSCEは他の試験よりも比較的合格率が高いものの、筆記試験とは全く違う部分が評価対象になるため練習を怠ると不合格になりかねません。何よりも練習を重ねることが大切なので、少なくとも本番の2〜3週間前には準備できるようスケジュールを調整しておきましょう。



