医学生なら誰もが通る試験「CBT」。進級がかかっている大事な試験なだけあって、しっかり対策を行うことが大切です。
このページでは、医学部のCBTで出題される問題傾向や試験の概要を詳しく解説します。さらに、正解率9割を目指す為におすすめの勉強法や対策用の問題集・参考書も紹介します。
これからCBTを控えている医学生はもちろん、事前にCBTについて知って備えておきたいという1〜3年の医学生の方もぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
CBT(Computer Based Testing)は薬学部や看護部を含めた医学科の共用試験で、4年生の8月〜2月の間に行われます。医療面接と実技試験を実施するOSCEに対し、CBTは学力試験でパソコンを使用して医学問題を解いていくものです。
臨床実習までに到達すべき目標が示された「医学教育モデル・コア・カリキュラム」に沿って医学生が目標レベルに達しているかを評価するものです。
OSCEと一緒に合格することで、5年生から始まる臨床実習に参加する資格を得ることができます。
医学部のCBTの問題は全320問で、6ブロックに分かれています。1ブロック60分×6ブロック+アンケート(ブロック7)を丸一日かけて解いていく試験です。長丁場になるので、長時間問題に向き合えるだけの集中力を持っているかも試験突破の鍵となります。
また問題はランダムで選ばれ、一人一人違う点が特徴。とはいえ平均して他の人と難易度がほぼ一致するように出題されるので、不公平になるわけではありません。過去問から一定の正解率がある質の良い問題が出される傾向にあります。
試験はPCで行われ、筆記用具やメモの持ち込みはできないので留意しておきましょう。
結果は受験後2〜3週間で成績表として返却され、合否の他に各ブロックと全体の正解率・IRT・学内順位などが記載されています。
CBTの出題範囲は以下の通りで、1年生から4年生までのまとめになります。
臨床医学が大半を占めていますが、基礎医学や社会医学と幅広く出題され、半分近くは病気に関する知識が問われます。
また320問のうち240問がプール問題(過去問)で、4分の1は新しい問題として出題されるのもCBTならではの特徴。後述もしますが、過去問でどれだけ対策ができるかが合格の鍵を握ると言っても過言ではありません。
医学部のCBTの出題形式はかなり特殊で、ブロックごとに異なります。
ブロック5の選択肢は8〜13個から選ぶことになるので、勘が通用しにくくなります。
さらに最終ブロックの順次回答式はかなり曲者。一つの大きな問題の中で4問出題され、選択肢から選ぶと次の問題が追加されるシステムです。
選択後に間違えても前に戻ることはできないので、一問目でミスをすると大きな失点に。最終ブロックはより慎重に答えていきましょう。
大学によって若干異なりますが、医学部CBTの合格基準はIRT359前後(65%以上)と言われています。
※IRT:難易度を配慮した項目反応理論。問題が一人一人違うため、それを考慮して評価するための値
半分強の問題に正解すれば問題ありませんが、新問題として出題される80問は採点されません。そのため、想定の10%ほど点数が高い結果になった医学生も。
平均点は試験の前に配られる共用試験ガイドブックに記載されているので、気になる方はチェックしてみてください。
具体的な数値は断言できないものの、CBTの合格率は他の試験よりも比較的高いと言われています。出題されるほとんどがプール問題なので、過去問でしっかり対策しておけばそこまで心配する必要はありません。
中には正解率が9割を超える医学生もいるようなので、早いうちから勉強しておけば合格率は格段に上がると言えます。
もちろん対策を怠ってしまうと不合格になる確率は跳ね上がり、落ちたら再試験となります。最悪の場合留年を免れないという事態にも発展せざるを得ないので、直前で焦らないように余裕を持って勉強を進めておきましょう。
ここからは、医学生道場が推奨する医学部CBTの対策と勉強法を紹介します。
個人差はあるものの、CBTの勉強は少なくとも本番の3ヶ月前あたりから始めた方が良いです。もちろん1年生〜4年生のまとめで範囲が広いので、余裕を持って始めるに越したことはありません。
CBTの勉強で絶対に欠かせないのが過去問です。先述もした通り、出題される問題の8割(240問)はプール問題。事前に過去問を解いたら、本番でも同じ問題が出てきたなんてことも珍しくはありません。
まずは過去問を一周して全体感を掴んだ後、間違えたところは参考書と合わせてチェック・復習しましょう。ある程度過去問に自信がついたら問題のシャッフルやCBTの模試にチャレンジしてみてください。
CBTの本番前に、少なくとも1回は模試を受けておきましょう。本番の流れや雰囲気を掴めるので、試験対策としてはもってこいです。
成績表も返却されるのはもちろん、解説が充実していたりスマホやタブレットから受験できる模試も。
種類によって金額や難易度が変わるので、自分に合った模試を選択してくださいね。
特にCBTの本番までに時間がなくて焦っているなら、臨床医学の勉強から始めてください。
医学部のCBT試験で出題される問題の6割以上は臨床医学の分野です。つまり臨床医学さえ自信がついていれば合格できる可能性が高いということになります。
もちろん全範囲をしっかり勉強するに越したことはないので、あくまでも優先的に進めるという意味で知っておきましょう。
医学部のCBT対策に特化したコースがある予備校なら、効率よく質の高い勉強が叶います。CBTは臨床現場に進むための試験。そのため予備校ではCBTの問題を解くだけでなく、臨床現場を意識した授業を行うところが多いです。
単純にCBTに合格するためだけでなく、CBTで医師としての実力を身につけるきっかけにもなります。一発合格したい医学生はもちろん、臨床実習での戸惑いや不安を減らしたい医学生のみなさんは前向きに検討してみてください。
医学生道場の「医学部CBT試験対策コース」では、現役の臨床医師がマンツーマンで個別指導を行います。担当する医師は20〜30代と若く、CBT試験の記憶も新しいため合格に向けての対策や問題傾向を熟知。的確なアドバイスができるので、わからないことはすぐに聞けます。
また一人一人に合わせた勉強スケジュールを細かく調整。アルバイトとの両立も可能なので、忙しくて勉強の時間を取れるか不安な医学生の方も安心です。
東京・名古屋・大阪・福岡の全8校舎の他、オンライン授業も行っているため全国どこからでも受講可能。「絶対CBTに一発合格したい」という医学生の方は、お気軽にご相談ください。
CBT対策で9割の受験生が愛用しているほど王道とも言われているQB。出題されやすく他の問題にも応用が効く良質な問題をピックアップしているのが大きな強みです。専門医による解説はムダがなくピンポイントなので、本番まで時間がない医学生にももってこい。
vol1〜5まで発行されており、それぞれ毎年改訂されています。
全てチェックするのも良いですが、苦手な分野から着手するというやり方もありでしょう。
またオンライン版も出ているので、PCやタブレットから使用したい方にはこちらがおすすめ。後述する「メディックメディアCBT模試」を無料で受けられるシリアルコード付きです。
問トレは、TECOMが提供している無料のオンライン演習問題サービスです。CBT対策に特化した問題が無料で3,000問近く解ける上に解説文もついているので、コスパ重視の方にはもってこい。
ただし内容はQBよりも薄いため、他の問題集と合わせて使うのがおすすめです。
医学生ならご存知の方も多い病気が見えるシリーズは、CBTの参考書としてもおすすめです。イラストでの解説がわかりやすいので、視覚的に記憶しやすく問題集でわからなかった部分を復習するのに最適。
内科や消化器科など、各科ごとに出版されています。
こちらのメディックメディアというサイトでもCBT模試を提供しています。メディックメディアのCBT模試は結果がわかるのが早く解説も充実しています。間違えた問題はWebで復習できるので、短期間で苦手な問題を克服したいときにおすすめです。
QBのオンライン問題集とのセット販売もあるので、CBTの勉強にあまりお金をかけたくない方も納得できるでしょう。
医学部のCBT試験は主にプール問題なので油断しがちですが、範囲が広く問題数も多いので早めに対策を始めましょう。時間がない方は、臨床医学を優先的に勉強することで合格へと近づけます。
合格率が高いからと油断せず、過去問を中心に余裕を持って勉強を進めてくださいね。