こんにちは。医学生道場の代表の橋本です。
先日、医学生さんからご相談を頂いたので、紹介したいと思います。
医学生
「先生、突然のお電話すみません。ちょっと計算してみると、医学部での出席がやばいみたいなんです、一体どうしたらいいのでしょうか」
橋本?
「どの先生の何の科目をやっちまったんだい?」
医学生
「えと、薬理学のA先生です。やばいと思っています」
橋本?
「確かにそれはまずいかもしれない。でも諦めるのはまだ早い!やれることは沢山ある!」
医学生
「本当ですか!?なんでもやります!伝授してください!」
橋本?
「よいしょ!忙しくなるぞ!」
まずは前提のお話です。
医学部は他の大学に比べて、出席がとても厳しいです。
これは事実です。
医学部の出席に関して、よくある仕組みの一つが、全科目が3分の2以上の出席が必須で、もし出席が不足していれば、試験そのものが受けられない、というものです。
「あれ、え、しまった!出席が足りてない!え、うそ!?」
「うわ、ギリギリアウトじゃん!心配すぎて何も手につかない、、、」
「やば、数回しかない実習、完璧に休んじまった。油断した、マジで鬱、、、」
また、医学部の出席に関して、もう一つのあるあるが出席点です。
出席自体が試験の点数になることがよくあります。
・テストは80点満点です。20点は出席点です。
・試験自体は100点満点です。しかし、平均点が低い場合には、出席点を考慮します。
こういった具合に、出席は試験の結果を大きく左右します。
それではなぜ、医学部ではそんなに出席が厳しいのでしょうか。
では、どうして、医学部ではそこまで出席が重視されてしまうのでしょうか。
ちなみに、医学生の間では、次のような都市伝説(?)が噂されています。
「医師になる奴の出席が足りないなんて、そもそも医師になる資格がないと判断されてしまうから(?)」
「出席ができない人は、自分の事を見れない人。自分の事さえ見れないのであれば、患者を診ることは出来ないから(!?)」
「出席なんて人間の常識(謎)」
もしかすると、どれも一度は聞いたことがあるかもしれません。
しかし、試験の資格の有無という重要な問題を、そんな都市伝説で振り回されてしまっては、納得がいきません。
現に日本では、大学の出席を争って訴訟が起きたこともあるいということです(多額の学費も関わってきますし、学費を払っている側に出席の自由があるのでは、という争いになったそうです)。
ですが、そんな話をしていても仕方がありません。
医学部の出席が厳しい、本当の理由をお話したいと思います。
そしてさらに、それが理解できると、出席が足りなかったときに対策できる可能性が見えてきます。
先生側の状況を考えてみましょう。
医学部の先生方は、論文を検索したり、細胞を育てたり、データをとったり、まとめたり、授業をしたり、問題を作ったり、人と会ったり、場合によっては臨床医と研究委を兼ねている場合もあり、、、もう、とにかくとにかく忙しいです。
本来なら、医学生の質問に答える時間さえ勿体ないぐらいなんです。
そんな中、医学生一人一人の生徒の顔と名前を、毎年楽しく憶える余裕はありません。しかし、進級させるかどうかはきちんと見極めなければなりません。
限られた時間の中で、簡単なふるい分けをする必要があるんです。その時に、次のような便利な表が出てきます。
この表は、(先生方にとって)すごく便利です。
限られた時間の中で、きちんと合法的に進級をさせるかどうか決める事の出来るんです。あ、これが出席率の表です(´・ω・`)
これは、研究室の秘書さんが作ってくれるので、先生方にとっても手間がありません。
これを元に、某会議で、出席率がギリギリの医学生について話し合いが行われます。
上の先生
「原田と伊藤は、また出席率が足りないのか?」
下の先生
「そうですね。この前しっかり注意したんですが、結局はギリギリアウトで出席率が低いままですね。」
上の先生
「じゃあしっかり反省してもらって、来年頑張ってもらおう。」
下の先生
「仕方ありませんね。」
大学側からすると、出席率はこのふるい分けをとても簡単にしてくれます。
付け加えると、初めにもらうシラバス(教授要目)には、ご丁寧に「出席が足りなければ、試験は受けられませんよ」と書いてありますので、どんなにその生徒さんと親御さんが訪ねてきて、駄々をこねたとしても(訴えてきたとしても)、「残念ですが、来年頑張ってください」の一言で突っぱねることができます。
これが大人の世界です。大学側としては、こんなに便利な表はありません。
・授業態度が良くないから
・生徒の中で「変わっているから」と噂されていて浮いた存在だから
・この間の授業で態度が悪い印象だったから
こういった、人の「主観的」な感情が入ってしまった進級の評価基準では、もめたときに面倒ですからね。
「客観的な評価基準」という理由で、出席率が重視されています。
これがベースにある上で、先程の都市伝説のような、医学部は理系(客観視)のスペシャリストでもあり、人を診る医療従事者の卵と言う性質上、この傾向が他の学部よりも強くなっている、ということなのです。
それでは、その事実を踏まえたうえで、医学部で出席が足りなかった場合の対策について考えてみることにしましょう。
医学部で出席が足りなかった場合の具体策についてお話したいと思います。
それは「出席率で判断させないようにする」ということです。
言い換えると、出席率という「数字」ではなく、自分という「人」で勝負して、判断してもらうということです。
何もしなければ留年してしまいます。
すぐに行動を起こす必要があります。
勝負というのは、「きちんとやる気がある姿を見せる」ということです。
では具体的に、先生の所に行って、どういう会話をすればいいか、見てもらいたいと思います。
「初めまして。お忙しいところお時間を頂きありがとうございます。橋本と申します。」
「早速ですが、大変申し訳ありません。出席が足りないことが分かりました。」
「そもそも授業は100%出席するのが礼儀だと思うのですが、それができませんでした。」
「本当に申し訳ありません。それにはきちんとした理由があります。」
「ですが、どんなに言い訳をしても先生のお時間を使ってしまうだけですので、科目の勉強をしっかりして、もし試験を受けさせていただけましたら、結果でお見せしたいと思います。」
「しっかり勉強をしている姿は、これから残っている授業の態度、残る授業の出席率などを見ていただきたく思います。」
「また、お手数をおかけしてしまうのですが、課題などを出していただけましたら、喜んでレポートにまとめ、提出したいと考えています」
このように、自分の名前と態度をしっかり印象に残してもらい、出来る限りの時間を費やして、勉強とレポート、そして先生に質問に行くなどの顔合わせの回数を増やしましょう。
そして重要なのは、出席が足りないと気づいた時にすぐに動き出すことです。
早ければ早いほど、できることが多くなります。
先生側からすると、直前に来られても、誠意を感じる時間がないということになるからです。
※関連コラム「医学部の出席は厳しいが、隠されたメリットが3つある!?」
ちょっとそういうのが苦手、という生徒さんもいます。
実際、医学生道場の生徒さんに「それが出来たら苦労しません(´・ω・`)」と泣きつかれたことがあります。
その方法ですが、ちょっと公の場では、ご紹介できない内容です。
すいません。どうしてもこの方法がまかり通ってしまい、大学の先生に知られてしまうと、残念ながら使えなくなってしまう方法だからです。
ちなみに、その生徒さんはこの方法でうまくいって、現在は無事に進級を続けています。
※関連コラム「こんなの医学部だけでしょ!?進級試験の評価のされ方!」
相談するのが遅くて手遅れになることはあっても、早くて問題になることはありません。お困りの方は早いうちにご相談ください。
医学生道場 代表医師 橋本将吉