こんにちは!医学生道場です。
5月に入って、だんだんと暑くなってきましたね🌞
みなさん、4月からの生活にはもう慣れましたか?
5月病に負けず、今月も頑張っていきましょう💪
さて今回は医学生が悩み、つまづく基礎医学についての内容です。
今回の記事では特につまづく人が多い、解剖学と生理学について掘り下げてご紹介していきます。
医学における解剖学は人体解剖学を指し、人のからだの作りや形について学ぶ学問です。
一口に解剖学といっても、実際は骨学・組織学・肉体解剖学・発生学といったパートに分かれます。
また人体解剖のために献体してくださる方(篤志家)のご遺体を切って、人体の構造を勉強するという解剖実習も含まれています。
実習では皮膚、筋肉、血管、神経、内臓、骨のひとつひとつを細かく観察していき、また眼球や生殖器、脳なども細かく切られ、その内部がどのような構造になっているのかきちんと確認してきます。
そして人体の構造をしっかり理解しているかの試験も随時行われます。
この試験は英語で行われることもあり、人体の臓器や部位も全て英語で記憶しなければいけないため大変です💦
さらに、試験で臓器や部位の名称を英語で暗記しても、実際に今後使うのは日本語のため日本語で覚えなおさなければなりません…
このように覚える事項が多いことに加え、スケッチや人体解剖もあり体力的・精神的にもきつい科目が解剖学です。
ちなみに…医師7万人以上が参加する医師専用サイト「MedPeer(メドピア)」による「学生時代の基礎医学の中で、もっとも役立った科目」ランキングでは、約半数の医師が解剖学と回答しており、 解剖学が1位でした。
解剖学では人体の構造について学ぶのに対し、生理学は人体の機能について学ぶ学問です。
人体を構成する各要素がどのような活動を行っているかを学びます。
分かりやすい例で言うと、
などの仕組みが生理学の範囲です。
また生理学では、 人体の機能を臓器ごとに分類して扱うため解剖学の知識が前提とされ、生化学や薬理学の知識も使いますので、うまく関連付けて勉強する必要があります。
そして生理学は高学年で扱う臨床医学との結びつきを一番感じられる分野なので、医師7万人以上が参加する医師専用サイト「MedPeer(メドピア)」による「学生時代の基礎医学の中で、もっとも役立った科目」ランキングでは、生理学は解剖学に次ぐ2位です。
このように覚えることが多く、肉体的にも精神的にも辛い解剖学と生理学ですが、現役の医師の多くが「学生時代の基礎医学の中で、もっとも役立った科目」として解剖学と生理学を回答していることから、高学年で扱う臨床医学や医学部卒業後に非常に重要な科目ということがお分かりいただけたかと思います。
次になぜ解剖学と生理学でつまづく学生が多いのかについて見ていきましょう。
次に解剖学と生理学それぞれのつまづきポイントについて解説していきます。
解剖学と生理学でつまづいてしまう理由は大きく2つです。
解剖学には特殊な専門用語が多数存在し、似たような構造物も多数あります。
特に神経、血管、リンパ管は複雑でイメージ・判断がしにくいと言われています…
(例えば頭骨の神経走行は医学部の教員でも判断が難しいそうです💦)
また解剖学は次から次に試験が押し寄せ、大量に暗記すべき状況が続いてしまうことで精神的にも参ってしまう学生さんも多いのです😢
生理学は人体の機能を臓器ごとに分類して扱うため解剖学の知識が前提とされますが、解剖学とは違って人体を機能的な観点から見ていく学問です。
そのため解剖学とは違ったイメージのしにくさがあります。
さらに解剖学だけでなく薬理学、生化学の知識とも関連させなければならないため、その分知識量が増え、混乱してしまう学生さんが多いです。
最後に解剖学と生理学の勉強法をお伝えしたいと思います。
まず解剖学や生物学に限らず、医学部の勉強において必ずやってほしいことについて2つお話しようと思います。
それは…
大学の過去問を解くことで、どんな問題がでるかは絞り込むことが可能です!
医学部の範囲が膨大で、ランダムに問題を出すと学生が点数を取れないということを教員は分かっているため、試験で出る範囲をある程度絞ってくれます。そして教員が毎年同じであれば、同じ教員が試験問題を作るため、過去問と似通った問題が出るということになります。
そのため、過去問を集めるということが非常に重要になってくるのです。
次に全てを完璧に理解しようとしないことも医学部で進級していくには大切な心構えです。
大学受験までは全てを完璧に理解する勉強法は通用します。
しかし、医学部の勉強は上記でも述べましたように範囲が膨大です。
それゆえに、全てを完璧に理解するのは物理的に不可能なのです。
解剖学を攻略するためのポイントは2つです。
解剖学は他の科目とは違い、実際に勉強する内容を本物のご遺体を用いて勉強することができるため、勉強すべき器官や構造物を目で見て、触れて、色や感触を知ることができます。
このように五感を使って知識を体に覚えこませることができれば、身体の構造のイメージはしやすくなります。
また解剖学実習の時間を勉強に充てるられるとうことは、それだけ勉強が増えるため、その分勉強量をこなすことができるということです。
つまり必然的に解剖学のつまづきポイントの一つである「量の多さ」を克服できるということになります。
また解剖学のつまづきポイント2つ目の「イメージがしずらい」を克服するために、とにかく手を動かして器官や構造物をノートやipadに書いていきましょう!
その際お手持ちの参考書や「人体解剖3D」(アプリストア)などのツールを使うと、より効果的です。
頭の中だけで構造をイメージするのは難しいですし、また机の上でただ単語の羅列や図だけ見て「解剖学難しい!」「覚えられない」と嘆くのではなく、 自分の手元で「頭の中のイメージが見える」ようにすることが重要です。
生理学を攻略するためのポイントは3つです。
アルファベットの略語は元の単語にも注目して覚えるというのはちょっと大変かもしれません。
しかし、例えばSGLT=sodium glucose cotransporter(sodium glucose transporter)、TFPI=tissue factor pathway inhibitorの略というように、元の単語に目を向けると割と自然な名前だなと感じませんか?
略語だけだとイメージがわきにくい単語は、このように一度元の単語に目を向けてみるのもひとつです。
また生理学に関連する解剖学、生化学、薬理学の知識を引き出しながら勉強するというのも、その分覚えることが増えて大変かもしれません。
しかし、その他科目の知識を関連付けさせて勉強することで理解度も高まり、知識としての定着もよくなります。
大変かと思いますが、解剖学、生化学、薬理学の知識との関連付けを意識して勉強していきましょう!
そして、生理学は解剖学とは違って機能的な観点から見ていく科目のため、身体に起こることを人に説明できるレベルで論理的に考えて勉強しましょう!
その際、物理学的視点で考えるとイメージしやすいでしょう。
人に説明できるレベルで理解ができるようになれば、ある程度身体の機能についてイメージができて、知識として身についているということになりますので、この勉強法も重要になってくるかと思います。
最後までご覧いただきありがとうございます!
今回の記事では基礎医学の中でも、特に多くの医学生がつまづく解剖学と生理学についてお話しました。
解剖学と生理学はかなりハードな科目ですが勉強の仕方を工夫することで、つまづきを少しでも解消することができる科目です。
解剖学や生理学を含めその他基礎医学の科目についても、医学生道場では勉強の仕方や試験対策の学習スケジュールを現役の医師講師と相談しながら自分の学習を進めることができますよ!
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