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皆様お世話になっております。医学生道場です。
早いもので9月も終わり、10月に入りましたね。医学部4年生の皆様がそろそろ気になってくることといえば、CBTですよね。
ここで一つ注意喚起をします。
皆様がCBTという単語を使用する時には、「臨床実習前に必要な知識の確認を行うためのテスト」のようなニュアンスで使用されると思います。
実際に、現在医学部や6年制薬学部、歯学部、獣医学部で実施されているCBT試験は臨床実習前に必要な知識を確認する試験となっています。
しかしながらCBTとは”Computer Based Testing”の略称であり、直訳だと「コンピューターに基づいた試験」辺りです。
このように、実はCBTには「臨床実習前に必要な知識の確認テスト」というような意味はなく、単に試験形式を略しただけの単語となっています。
実際に、現在は英検でもCBTが行われています。加えてIT化が急速に進行している最近の潮流を読めば、今後CBTを実施する検定や試験が増えても不思議ではありません。
不用意にCBTの話題を出すとうまく話が嚙み合わないどころか、モノを知らない奴認定されてしまうかも…。
前述の4学部出身者以外の前でCBT試験の苦労話や昔話をする際には気を付けましょう。
以上注意喚起でした。
なお、今回のブログの趣旨としては、CBTが導入された背景やその狙い、また出題傾向を述べることで皆様にCBTを正しく恐れていただくことにあります。
CBTの勉強方法についての具体的な記載はございませんのでご了承ください。
CBT対策や心構えについては、こちらの過去ブログに詳しく記載しておりますのでご参照ください。
また、本サイトの「医学部CBT対策コース」のページにはCBTの概要や勉強法、準備まで短くまとまった記述があります。併せてご覧ください。
それでは本編始まります。
医学部4年生の鬼門-CBT-が恐るるに足りない理由の1つ目ですが、それは理念にあります。そもそもCBTは選抜するための試験ではないのです。
医学部や獣医学部、歯学部、6年制薬学部で行われる共用試験を実施・運営する「公益社団法人 医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)」が発行している、「共用試験ガイドブック2022(令和4)年度第20版」によると、
臨床実習前には、1)コンピューターを用いた知識に関する客観試験(Computer Based Testing, CBT)と、2)客観的臨床能力試験(Objective Structured Clinical Examination, OSCE)によって基本的臨床技能を、それぞれ評価し、これにより医・歯学生の知識と技能・態度が、臨床実習開始可能と判断できる水準に到達していることを確認します。
公益社団法人 医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO) 「共用試験ガイドブック2022(令和4)年度第20版」
とあります。
あくまでも臨床実習を開始してよいかどうかの判断をすることが目的であり、成績不振者を選別する試験ではありません。
なぜこのような判断が必要となるのかといえば、臨床実習の違法性を否定するためです。
現行医師法の第五章第17条に「医師でなければ、医業をなしてはならない」と明記されているため、医師免許を持っていない医学生が臨床実習を行うことは違法であると考えることもできます。
しかし臨床実習検討委員会最終報告(平成3年5月13日、前川ら)にて、
医師法で無免許医業罪が設けられている目的は、患者の生命・身体の安全を保護することにある。したがって、医学生の医行為も、その目的・手段・方法が、社会通念から見て相当であり、医師の医行為と同程度の安全性が確保される限度であれば、基本的に違法性はないと解することができる。
前川ら 臨床実習検討委員会最終報告
という解釈がなされました。
具体的に言えば、①指導医の監督下で、②事前に評価された医学生が、③低侵襲的な医行為を、④同意が得られた患者に対して行うことは違法でないと提言されました。
この提言において、②の事前評価のために考案されたのがCBTとOSCEからなる共用試験です。
このように、CBTは臨床実習における医行為の違法性を否定することが目的であり、選抜の意図はありません。
ただし令和3年5月に医師法が改訂された結果、令和5年4月から共用試験に合格したものは指導医の監督の下で知識・技能の習得のために医業をすることが法的に認められることとなりました。
加えて、令和6年4月からは共用試験の合格が医師国家試験の受験資格になります。
このようにCBTの重要性は今後さらに増していきますが、後述する試験形式が変更になることは確認できませんでした。試験難易度に大きな変更はないと判断できます。
ちなみに現在、CBTを実施しているCATOは合格基準を設けておらず、合格判定は各大学の裁量に委ねられています。
一律の基準として、全国医学部長病院長会議という組織がCBTの推奨最低合格基準を提唱しており、それは正答率65%前後とされています。(中谷晴昭:日本の医学教育の現状と医師国家試験.医学教育 2015:46(1))
なお、前後という曖昧な言葉であるのは、CBTは学生によって解く問題が違うだけでなく、規定の期間内であれば実施日は各大学に任されているため、問題の難易度を加味した「項目反応理論(IRT)」という基準を用いたスコアを用いて採点を行っているためです。
もちろん、後述しますが難易度が低いわけではありませんし令和6年4月からはさらに重要度が増します。
しかし、このような理念の下で策定され、ある程度理念に沿った形で運営されている試験であることは注目すべき点でしょう。
医学部4年生の鬼門-CBT-が恐るるに足りない理由の2つ目ですが、それは問題形式にあります。
端的に言えば、過去問偏重の試験だということです。
CBTは320問で構成されており、これまでのCBTで出題されて適切な内容だと判断された問題群(プール問題)から約240問、新しく作成された問題群から約80問出題されます。
ここで特筆すべき点として、採点対象はプール問題のみであるということが挙げられます。
プール問題は過去問ですので、過去問を確実に解くことができれば合格できるのです。
しかし、プール問題がどの問題かは不明なようですし、出題はランダムですので1年分の過去問は320問を大きく越えてきます。
こちらのブログでは、プール問題は27000問以上に及ぶという噂が紹介されていました。
クエスチョンバンクCBTという再現問題集シリーズが発売されていますが、それでも掲載問題数は3000問程度であり、プール問題の全てをカバーすることはできていません。
そのため、早めに勉強に取り掛かり、再現問題を通じて周辺知識の確認を繰り返さなければなりません。
「取り掛かるタイミングが遅かった」「演習や理解が不十分だった」という医学生は容赦なくバッサリ切られるでしょう。
しかし、やることは再現問題の演習と周辺知識の確認を繰り返すことだけですので、特に工夫はいりません。
早めに真面目に取り組めば合格できる。それがCBTです。
医学部4年生の鬼門-CBT-が恐るるに足りない理由の3つ目ですが、それは医学生道場があるためです。
医学生道場には医学部CBT対策コースが設置されており、本試験から再試験まで幅広く対応しています。
クエスチョンバンクシリーズには3000問程度の再現問題しか掲載されていないとはいえ、周辺知識まで網羅するとなるとかなりの分量となります。
さらに周辺知識と言っても重要な箇所はどこであるのか、CBT初心者のうちは自力で判断するのは困難でしょう。
また、膨大な教科書・プリントの中から出題問題の該当ページを探すのは重労働ですので、学習に身が入りづらくなることも考えられます。
しかし医学生道場であれば、講師はCBTを突破した現役医師ですので覚えるべき周辺知識の指示に無駄がありません。さらに、医学部の勉強を応用することで日々の糧を得ている方々ですので、質問への返答も高クオリティのものが期待できるでしょう。
CBTが不安だ、再試験の勉強法が分からない、という方はぜひこちらから公式LINEを友だち登録して情報を集めてみてください。
医学生道場の強みが皆様の求めるものであったならば、まずは体験授業からお待ちしております。
本ブログでは、CBTの理念や出題問題からCBTがむやみやたらと怯えるものではないと述べてきました。
このブログを通してCBTの実際の姿を知っていただき、正しく恐れながら乗り越えていっていただければ幸いです。
それでは失礼いたします。
医学生道場