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こんにちは!医学生道場です。
夏休みも終わりを迎え、新学期(後期)が始まる頃ですね。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
今回は、ストレスフルな医学生特有の悩みや、医学部の実態についてご紹介していきます!
医学生の方はもちろん、医学生のご家族の方にぜひぜひ読んでほしい内容となっております。
夏明けのテストに向けて、頑張っていきましょう!✊
・朝の9時~夕方17時30過ぎまでみっちり入っている授業
(欠席は基本的に行えません)
・授業・実習はカリキュラムが目いっぱい詰まっているので、もちろん再履修の余裕などはなく、一科目でも落としたら即留年
(その一科目の為だけにもう1年間過ごすことになるんです…!)
・講義は、専門用語満載、膨大な知識満載の難解なものだが食らいついて行かなければならない
・周囲とは、高いコミュニケーション能力が求められ、時間通りに実習を終わらせる力も必要
(欠席はほぼ不可能です)
・全体を通し、求められる高い出席率
(出席点の有無で進級が左右されることもしばしば。「1限逃した!」なんて悠長なこと言ってられません😿)
・(昔の教科書や医学書を見れば一目瞭然ですが)物凄いスピードで進んでいく医療、増え続ける医学知識
・人体について学ぶという「医学」「医療」の特殊性
(解剖実習中に失神してしまう人がいたり、高学年の臨床実習では、教授にひどい扱いを受けることも…)
・年々高くなる授業料
(留年をすることは絶対に許されない、という状況がプレッシャーとなりメンタルを追い込ませる要因になります)
・部活動やサークル活動での上下関係
(医学生の部活にも関わらず、厳しい体育会系である部活も。理不尽な出来事もたくさんあります)
・狭いコミュニティだからこそ起こる、人間関係のトラブル
(実習がある日など、嫌でも毎日顔を合わせなくてはいけないので、この時期から学校に行けなくなってしまった等、とっても多いんです)
・受験時代よりも求められる勉強量、暗記量(『医学部に入るまで』を頑張りの目標と決めていた方にとっては、酷な現実なのではないでしょうか)
・平気で襲いかかる徹夜 & 眠れない極限状態のテスト期間
(人間をやめている状態で、テストへ向かう人もいると思います。何を隠そう私もその一人です。)
・次々と起こる、試験の難化・公的化
(臨床実習に出る前のCBT・OSCEなどが公的化され、それらを受けどんどんカリキュラムが前倒しになっている学校も!(ただでさえ詰まったカリキュラムなのに…!))
・医師国家試験合格率の見栄えのために行われる、過酷な留年事情
(医学部人気の昨今、やはり学校の“ブランド”を維持したいもの。国試合格率の見かけの数字だけでも上げようと、学校側は必死なわけです。)
さて、読んでみてどう感じたでしょうか。やる気がなくなってしまうのも無理はないと思うかもしれません。
これを読んでくれている医学生の皆さん、「ウンウン、本当にその通りだ…」という感じではないでしょうか。
軽~く私の医学生生活を思い出しただけでもこの量です。
大学によっては、進級試験が本当に厳しすぎる…!や、毎年カリキュラムが大幅に変わるのどうにかして欲しい…など、様々な阿鼻叫喚が聞こえてきそうです。
強靭なメンタルがなければ、生き残れない、いわば医師育成サバイバルゲームなわけです。
ここで、中途半端な喝や、やる気の問題だよというありきたりな言葉を投げつけられると、「うるさい!こっちだって頑張っているに決まってるじゃないか!」と憤りを感じてしまいますよね。
医学生の方の親御さん、というとみなさん「やっぱりお医者さんばかりなのかな」というイメージがあるかと思いますが、実際のところはどうなのでしょうか。
結論を簡単に表現すると「世間的なイメージほど医者が多いわけではないが教育に対し熱心で、子供の将来を見据えている親御さんが多い」と言えると思います。
ここでは、衝突・すれ違いがちな医学生と家族の方の関係について、私自身の実体験や、友達のエピソードなどを参考に少しお話できたらなと思います。
辛い辛い医学部生活ですが、「周りもみんな通る悩みなんだな…」「ちょっと誰かに相談してみようかな」と思える医学生が増えるといいなと思っています( ‘ᵕ’ ) ̖́
父
「最近の勉強は順調か?」
4年生
「うん、まあ…」
父
「ウチはひいじいちゃんから続いてる消化器専門だからな、家を継ぐために頑張ってもらわないとだからな」
4年生
「分かってるよー…(実はこないだの臨床科目のテスト、消化器落ちてるんだよな…あんまり好きになれないし…)」
父
「父さんの時代は学生の時でも夜遅くまでの実習は当たり前だったからな、テストもうんたらかんたら…」
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今の医学生の親御さんの時代は、医学部というのは今以上に閉鎖的な環境であり、テストや実習での団結力は、今以上に強力で、心強いものだったと思います。卒業後も大学との繋がりが深かったりと、私の友人には親と大学教授が同期・先輩後輩だったというケースもあります。
しかし現在、コロナ禍の影響で3〜4年の間、人と人との関わりや助け合いが薄いものになってきているのではないかなと感じています。
先に例に挙げたように、学生時代から仲間に恵まれ優秀で、素晴らしいキャリアを持つ大人が周りにいらっしゃると、高い目標を持つことが出来る反面、
自分の本当に目指したい姿が分からなくなってしまったり、目標と今の自分とのギャップに落ち込んでしまうこともあると思います。
こういった時に医学生にできることは、まず、視野を広げてみることです!
先輩や病院実習先の先生、なにかの機会で出会えた医師の方などに勇気を出して聞いてみましょう。
「こんなキャリアの積み方があるのか…!」「そんなのもアリなの!?」というような経験をお持ちの先生は案外沢山いらっしゃいます。
医学生道場にも三者三様、様々なキャリアをお持ちの先生方がいらっしゃいます!是非気軽に相談に来てくださいね🎶
医学生の皆さんが、少しでも自身の興味が持てることに関わってみたり、それをキャリアの一部に取り入れてみよう!と思えたら万々歳です🤲
母
「え、もしかしたら留年しそうだって…!?大学生の留年なんて、遊んでて大学に行ってないから留年するんでしょ…?」
2年生
「いや、医学部は1科目でも落としたら留年なんだよ…」
母
「医学生って毎日自習するもんじゃないの??バイトと部活ばっかりしてるなって思ってたのよ!留年は許さないからね!」
2年生
「過去レポもらうためとか、進級には人付き合いも大事になってくるんだってば!でも、再試の勉強もちゃんとしてるよ、けど先生によって点数の付け方が違ったり、問題の大幅な変更とか、大変なんだよ…」
母
「世間の医学生は再試なんてそんなにかかってないんじゃないの…?再試代も馬鹿にならないし、学費もうんたらかんたら〜…」
2年生
「…」
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「医学生の留年問題」は現在、社会的にかなり話題になっていますよね。数年前にはとある大学で40人近く留年者が出たなんて所も。
実は、カリキュラムの大幅変更により、昔より断然!進級が難しくなってきているんです。
文部科学省の集計の結果、2016年度に入学した医学部生が6年間ストレートで進級し、2021年度に卒業できた割合(最低修業年限での卒業率)は、国立大学の平均は85.8%で、9割を超える大学も珍しくはありません。
しかし、先に述べたような教授の大暴れ(大量再試・留年が起こることを私の仲間うちではこう呼んでいました(笑))などが起こった際には、6年間ストレートで卒業できる学生の割合が、低学年〜中学年次で既に60%台になってしまっている大学も散見されます。
大学のカリキュラムが大幅に変更された私立大学などでも、留年率は高くなっており、5人に1人は絶対に留年してしまう計算になっているのが現状です。
今後、医学部全体が徐々に難化していく事が予想されています。これは、グローバルスタンダード(国際基準)に近づけるため、医学部のコア・カリキュラムは臨床実習が急激に増加しているためです。それにより、前倒しカリキュラムとなってきているために医学生の負担がかなり大きくなってきているのが実際です。
とある大学では、2016年に新カリキュラムを導入した際は臨床実習が56週→66週となり、そのすぐ2年後には新々カリキュラムとなった際には66週→76週と、数年で20週も急増しています。現在、他の医大でも同様に臨床実習が増えていると思います。
皆さんの学校でも、心当たりがあるのではないでしょうか…?
臨床実習は増える一方ですが、今まで通りの膨大な知識を頭に入れること(CBT・卒試・国試合格レベル)は必要であるため、実習の負担が増えた分、以前より進級が難しくなっているのは確実であると言えます。
さらに厳しいことに、高学年の留年率の増加を受け、低学年の留年率も徐々に増加しているとか。
常に急激な変化をし続ける医療界に飛び込む身として、その前段階である医学部生活は、かなり厳しいものかもしれません。ですが、医師になるためには必要な試練!避け続けるわけにはいきません…。
そんな時、医学生、特に低学年のみなさんにお伝えしたいのは、
何かしんどいことがあっても、「よし、これ乗り越えて良い医師になっちゃうぞ!」のマインドで挑んでみてください、ということです。
『やる気は脳の思い込みから!』
ですが、少しでも不安なことを誰かに相談したいなと思ったら、「医学生道場なんてものがあったな」と思いだしてみてください。いつでもスタッフ一同、ご相談に乗りますよ🙌
皆さんご存じの通り、医学生は様々なストレスにさらされています。
もともと医学にあまり興味がない学生や、講義についてこれなくなり再試祭りに陥ってしまった学生は次から次に迫る圧倒的な勉強量の前に勉強意欲を失ってしまうことも度々…。
さらに、過酷なスケジュールの中での難しい試験であるため、連日徹夜&カフェイン大量摂取などの不健康な生活が重なることによる体調不良、
そして、自分が本当は何がしたかったのか目標を見失ってしまい、やがて学校にこなくなり退学する…というケースもあるようです。
勉強の他にも医学部の人間関係は少し特殊で、人学年100人程度しかいない狭い世界なので人間関係の問題でも悩む人は多いようです。
こちらの論文によると、医学生のうつ病またはうつ症状の全体的な有病率は【27.2%】、希死念慮の全体的な有病率は【11.1%】であるとか。
うつ病の検査で陽性反応が出た医学生のうち、【15.7%】が精神科の治療を求めたそうです。
https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2589328
Medical Student Mental Health
つまり、医学生の4人に1人がうつ症状やうつ病を抱えている計算になります。
多すぎますよね…⁉
これらの第一の要因として、医療界は厳しい世界であるため、医学部も非常に厳格で厳しいものであるべきだという考えがあることです。
やはり、一部の教員や管理者の中には、医療教育と医学生の「軟化」について遺憾の意を表明している方もいるといった結果も示されています。
実際、大学病院で働く医師や研修医のメンタルケアにリソースが割かれ、医学生のメンタルケアまで手が回っていないのが現状なようです。
この記事を読まれている皆さん、少しでも「様子がおかしいな」「医学生によくあるうつ症状かな」と感じたら、学校の学生相談室や健康管理室をぜひ活用してみることをおススメします。
頼れる大人に相談でも全然OKですからね👌
テスト前に何をして欲しかったか、どういう気持ちだったのか、
医学部の友達や先輩、後輩の医学生に色々聞いてみました!かなりぶっちゃけな回答ではありますが、参考になりましたら幸いです(^^
「とにかく気持ちが落ち着かないので。そっとしておいてほしい、喋りかけられると八つ当たりしてしまいそう。」(2年 男子)
「家族でご飯を食べながら色々話す時間がストレス発散になっていたので有難かった。なんだかんだ姉妹で話す時間も癒しになっていたと思う」(4年 女子)
「いちいち話しかけてこないでと伝えてます!『もう勉強しなくて大丈夫だよ』や『美味しいごはん食べに行って来たら?』など。でもメンタルがボロボロな時は親のところに行って泣きそうになりながら話を聞いてもらってます。」(3年 女子)
「友達の家に泊まる、一択でした」(6年 男子)
「テスト期間の日程などを一旦聞いたら、落ち着くまで連絡は控えて欲しいと思っていたのでちょくちょく無視していた、返信する時間も無いので」(5年 男子)
「母とはかなりLINEしてます。
どうしても一科目だけほぼ一夜漬けになってしまった時があって、『本試験は諦めてもいいですか…』とLINEしたときに、『いいよ!再試に託しちゃえ!』と普通に励ましで返してくれたのが染みました」(4年 女子)
「特になかったと思います。普段通りに連絡してくれたら大丈夫です。」(研修医1年目 男子)
「特に嬉しかったのは、LINEギフトを送ってくれたことです。頑張ってるねのメッセージ付きで!本当に嬉しかったし、うるっときました。感謝してます。」(2年 女子)
このような感じで、
学年や男女がバラバラなのもあってか、かなり十人十色な回答となってしまっていますね…( ˊᵕˋ )💦
そっとしておいて欲しい派が割と多いかな?とは感じますが、弱気になっている時はやはり周りの励ましや、相談に乗ってくれる優しさが有難いものです。
テスト期間中はこうしておけば良い!というようなひとつの答えはありませんが、裏を返せば、その人に合った対応をするには「どうしたらいい?」と本人に聞いてしまうのが1番早いということになりますね…!
医学生のご家族の方、ぜひ医学生にどうして欲しいか聞いてみてください。☺️
また、これを読んでいる医学生の方!なるべくピリピリせずに、テスト期間中のニーズを家族の方に積極的に話してみましょう👍🤲
低学年~中学年の方で、勉強法が分からない、悩みがある、という方はこちらもチェックしてみてください✨
記事を最後までご覧いただきありがとうございました。
以上、医学生の現状や悩み、思っていることについて紹介していきました。いかがでしたでしょうか?
こちらで紹介したお悩みなどについてはもちろん、勉強に関する相談や日々の相談などLINEやお問い合わせフォーム にてご気軽にご相談ください!🤲
私たち、医学生道場は、医学生一人ひとりと向き合い、医学生へのサービスに徹しています。
楽しく効率のよい医学学習を通じて、険しい医学部生活を一緒に乗り越えていきましょう!🔥
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