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こんにちは!医学生道場です!
8月が終わり、9月が始まろうとしていますが、暑い日が続いていますね🥵
体調に気を付けて過ごされていますか?
今回は、共用試験である、CBT、OSCEについて詳しく話していきたいと思います。
共用試験は4年生終了時に、確実に合格しておかなければいけない試験です。
多くの学校では、4年生の8-2月頃に行われます。
もう試験が終わったという医学生もいると思いますが、まだこれからだよという医学生の為にも、共用試験の情報や対策について述べていきます。
そもそも共用試験とは何かを説明していきます。
共用試験とは、全国医科大学および大学医学部、歯科大学および大学歯学部の学生に対して、臨床実習を開始する前に行われる評価試験です。
この試験は、臨床参加型臨床実習に必要な態度・技能・知識・問題解決能力を問うもので、このうち知識・問題解決能力を評価するCBT(Computer Based Testing)と、態度・診察技能を評価するOSCE(Objective Structured Clinical Examinaton=客観的臨床能力試験・オスキー)で評価します。
この試験はほとんどが4年生の8月-3月(一部は3年生の冬)に行われます。
試験に不合格になってしまうと、臨床実習に進ませないだけではなく、5年生に進級させない、国家試験を受験させないなどの指導方針も打ち出されています。
そのため、4年終了時に確実に合格しなければならない試験です。
これから話していく対策をもとに、試験を一緒に乗り越えていきましょう!
CBTとは文字通り、学生が1人1台のコンピューターに向かい、画面に出てくる問題にコンピューターの操作によって解答するというものです。受験者の1人1人に無作為に抽出された問題を出題する方式なので、それぞれ異なる問題を解くことになります。
大学によって異なりますが、ほとんどの大学では、4年生の8月〜3月に実施されます。
一部の大学では、3年生の冬に実施されています。
出題される問題が受験生によって異なるため、厳密には、受験生によって難易度が異なります。
この難易度の違いを考慮して点数化したものをIRT(項目反応論)といい、IRT359が最低合格基準となります(IRT359=約65%の得点率)。
大学によっては、独自に合格基準(IRT359以上)を設けているところがあります。
採点対象となるのは、320問中240問で、残り80問は新規に作成された試行問題のため、採点対象外となります。
受験生は採点対象の問題と採点対象外の新規問題を見分けることはできません。
現在、2025年の運用を目指してCBTとOSCEを公的化する働きがあり、公的化されると合格基準は全大学で統一されます。
出題範囲は、『医学教育モデル・コア・カリキュラム』に準拠しており、医学生が卒業までに身につけておくべき学修目標が示されています。
この学修目標のうち、臨床実習開始前までに修得すべきレベルがCBTの出題範囲ということになります。
基礎医学から臨床医学、社会医学まで幅広く問われますが、疾患の知識に関する出題が約半分を占めています。
試験は、6つのブロックに分けて実施され、各ブロック60分、合計360分で320問の問題を解くことになります。
ブロック1-4、計240問の出題は、5つの選択肢から1つの答えを選ぶ「単純5肢択一」形式です。
単純な知識問題だけでなく、解釈や思考が必要な問題や、基礎医学・臨床医学双方の知識が求められる問題も出題されます。
同ブロック内であれば、解き終わった問題を見直し、解答を変更することが可能です。
ブロック5、40問の出題は6つ以上の選択肢から1つの答えを選ぶ「多選択肢型」形式です。
基礎医学からの出題もありますが、診断を選ぶ臨床形式の問題が多くを占めます。
「単純5肢択一」形式と同様に、解き終わった問題を見直し、解答を変更することが可能です。
ブロック6、40問の出題は1つの症例について4問が連続で出題される「順次解答型4連問」形式です。
臨床推論能力をみる問題形式であり、医療面接・身体診察・検査・病態などの幅広い理解が求められます。
解答して次の問題に進むと、前問の正答に基づく問題文の続きが追加されるため、前の問題に戻ることはできません。
過去の受験生からは「情報量の少ない1問目が特に難しい」という声が多いです。
もし1問目で間違えてしまっても気持ちをしっかりと切り替え、落ち着いて2問目以降に対処しましょう。
OSCEとは、模擬患者と接したり、マネキンを相手に処置を施すなど、実践に即した試験項目によって、患者への接し方、患者とのコミュニケーション能力や、診察・診断・診療に関する基本的能力を採点します。
実際に現場に足を踏み入れる前に、「きちんとした言葉遣いや態度で問診ができるか」「基本的な診察・手技が身についているか」といった点を確認するための試験です。
したがって、4年生で行われるこの試験はPre-CC OSCEと呼ばれています。
2023年4月からOSCEはCBTとともに公的化され、全ての大学において同一の基準で試験が行われるようになりました。
多くの大学では、CBTの前後、つまり多くは4年生の間に実施され、診療参加型実習に参加するためにの条件となります。
試験会場には、ステーションと呼ばれる部屋が複数用意されており、受験者は各部屋を巡回して実技試験を受けます。
各ステーションでは、大学内部の教員と他大学の教員が、一定基準のもと、学生が行った診察・手技や態度などを採点します。
ステーションの数や採点する教員の人数は大学によってまちまちですが、必要最小限のステーション構成は次項のように決まっていますので、特に対策しておく必要があります。
なお、医療面接や身体診察はSP(Standardized Patient)と呼ばれる標準模擬患者に対して行いますが、直腸診など実際に行うことが困難な手技にはシミュレーションが用いられます。
課題は、現時点で以下の8つが課せられています。
①「医療面接」
②「全身の状態とバイタルサインの測定」
③「頭頚部診察」
④「胸部診察」
⑤「腹部診察」
⑥「神経診察」
⑦「基本的臨床手技」
⑧「救急」
さらに令和7年度には、⑨「四肢と脊柱の診察」⑩「感染対策」を加えて、全10課題とすることが検討されています。
そして、このそれぞれの課題について、「患者への配慮」と「診察テクニック」の2つの観点からそれぞれ評点が付けられることになります。
実際の試験の流れについて話していきます。
各ステーションのドアを開けたら、まず、受験番号・名前を名乗ります。
入室から実技開始の合図までに少し間があるので、手指消毒をしたり課題シートを確認したりしておくのが良いと思います。
室内には2名以上の教員とSPがいて、必要な器具も置いてあります。
学生は用意された課題の指示に従い、制限時間(試験により5~10分)内に診察を行います。
各ステーションのインターバルは数分と短く、次々とステーションを移動し、試験を受けます。
共用試験は、「クリニカル・クラークシップ」導入を背景に、実施が決定されました。
この共用試験の実施は、現在進められている医・歯学教育改善・充実の一環です。
2001年3月、政府によって報告された「21世紀における医学・歯学教育の改善方針について」が背景となっています。
この大きな2本柱となっているのが、「モデル・コア・カリキュラム」に基づいた教育カリキュラムの改革と、共用試験の実施です。
医師・歯科医師の言動が患者を傷つけるケースや、医療ミスなどが社会問題になる中で、知識偏重になりがちな教育の見直しと臨床実習充実の必要性が指摘されてきました。
臨床実習を、指導医の診察を見学するだけの「見学型」から、医療チームの一員として診療に参加する「診療参加型臨床実習(=クリニカル・クラークシップ)」とし、学生も「患者さんから学ぶ姿勢と能力を身につけるべき」というものです。
実際の診療に参加するには、学生の能力と適性とが、全国的に見て一定のレベルに達していると証明される必要があります。そこで、臨床実習前に、その評価を行う共用試験を実施することになったのです。
臨床実習に参加するために合格が必須となる共用試験。
どう勉強していけば良いのかをここから解説していきます!
医学部CBTの対策は、皆さんいつ頃から始めているのでしょう?
多くの人は半年前から始めているようです。
中には試験1か月前から間に合わせてくる人もいますが、早くから勉強を始めるのにこしたことはないでしょう。
それでは、医学部CBT対策は何をすれば良いのでしょう🤔
医学部CBT対策には、「QBオンラインCBT」を使っている人がほとんどです。
この問題集には約3000問程収録されており、問題の解説も詳しいため、CBT対策には有効な参考書です。
基本的な勉強法としては、「Q-Assist」で講義動画を視聴し、その後、QBを用いて、問題演習をしていくという流れになっています。
時間に余裕がある人は「病気がみえる」シリーズを用いて、知識の深堀をしている人もいます。
難しい問題は、他の人も大概解けないので、皆が解ける問題で点を落とさないような勉強をしましょう!
医学部OSCEは、試験1か月前から2週間前にかけて勉強を始める人が多いようです。
特に試験2週間前は繰り返し練習をしている人が多いです。
OSCEの勉強法としては、大半の医学生が学校の教材(プリントなど)や、共用試験実施機構のDVDを用いて対策をしていたようです。
他には、「診察ができる」などの参考書を用いて勉強している方もいました。
OSCEは、実際の診察を想定して行われるため、試験に落ちるのではないかと不安な人もいると思いますが、実際の合格率は90%前後と高く、落ちる人の方が少ないです。
時間内に終わらせることができれば問題ないですが、反対に言えば手間取ってしまったり、時間切れになってしまうと不合格になる可能性があがってしまいます。
練習を重ねることで、乗り越えていきましょう👍
OSCEの評価のポイントは以下の記事を参考にしてみてください!!
ここまで医学部CBT、OSCEについての情報や対策を述べて来ましたが、万が一落ちてしまったらどうなってしまうのか話していきます。
基本的にどちらも再試験・追試験があります。
本試験で不合格になってしまったとしても、再試験・追試験で合格することができれば大丈夫ですが、それでも不合格になってしまった場合は、臨床実習に進ませないだけではなく、5年生に進級させない、国家試験を受験させないなどさまざまな問題が生じてきます。
そうならないために、早くから対策をして合格しましょう!!
医学生にとっては、大きな壁となると思います。
医学部4年生ではCBT・OSCE、5年生では臨床実習、6年生では医師国家試験と、これからイベントが盛りだくさんです。
定期試験以外の大きな試験となるので、不安に思っている方も多くいらっしゃると思います。
ぜひ、CBT・OSCEのための勉強ではなく、医師国家試験にも繋がるような勉強をしていきましょう🙌
もし一人では不安だという方がいれば、「医学生道場」の公式LINEを追加し、相談してみてください。
医学生道場スタッフ一同、心より応援しています🤞