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こんにちは、医学生道場です。
突然ですが、皆さんは舞台作品を観劇することはありますか?映画を見たり小説や漫画を読むことはあっても、舞台を観劇することにハードルや抵抗を感じる方も多いのではないでしょうか。また、興味はあるけれどどのような作品が有名なのかが分からないため劇場に足を運ぶことにためらいがある方もいらっしゃるかもしれません。
舞台作品は、目の前で繰り広げられる生のお芝居を見ることができる点が他にはない大きな魅力です。生の観劇体験は一度経験するとその世界のとりこになること間違いなしです!
今回のブログでは、年間約70本ほどの作品を観劇する医学生道場スタッフのおすすめの舞台作品をジャンルごとに三作品紹介します。
現在右肩上がりに成長を続ける2.5次元ミュージカルから「ミュージカルテニスの王子様」、伝統的な帝国劇場のクローズド公演を飾る古典グランドミュージカル「レ・ミゼラブル」、ライオンキングやアラジンで有名な劇団四季のミュージカル「ウィキッド」の三作品について、それぞれの歴史や魅力、見どころをご紹介します。
どの作品も観劇初心者の方でも楽しんでいただける作品になっているので、観劇初心者の方も上記の作品を観劇したことがある方も最後まで楽しんでいただけると嬉しいです。
まず初めに、漫画やアニメなどの原作を舞台化した2.5次元ミュージカルから、「ミュージカルテニスの王子様」をご紹介します。
「ミュージカルテニスの王子様」は、許斐剛先生の漫画「テニスの王子様」を原作とした2.5次元ミュージカル作品です。「テニスの王子様」は奇想天外なテニスの技の数々や個性の強いキャラクターなどで人気を博し、現在でも連載が続いているなど根強い人気を誇ります。
原作の漫画を読んだことがある方や、キャラクターを目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
作品を知らない方向けに簡単にストーリーをご紹介します。「テニスの王子様」は、主人公で天才テニスプレーヤーの越前リョーマが青春学園中等部のテニス部に入部し、個性豊かな先輩たちとともに中学テニス部の大会での全国優勝を目指す話です。
主人公校の青春学園テニス部のメンバーはもちろん、強豪揃いのライバル校のキャラクター達も魅力的で、生意気なルーキーとその仲間たちが全国大会を制覇するまでのドラマと青春にワクワクすること間違いなしです!
そのような漫画を原作とした舞台作品「ミュージカルテニスの王子様」は初演が2003年に上演されました。21年たった現在でも定期的に作品が上演されており、数多くの有名俳優を輩出している「2.5次元ミュージカル作品の金字塔」的存在の作品です。
そんなミュージカルテニスの王子様、通称テニミュの魅力を三点ご紹介します。
一点目は、「若手俳優の登竜門としての魅力」です。テニミュに出演する俳優は、芸能活動を初めたばかりであったり、テニミュが舞台初出演であるなど、経験の浅い俳優の卵であることがほとんどです。特に主人公校の青学を演じる俳優はその傾向が強く、作中で青学のキャラクターたちが全国制覇という目標に向かって経験を積み強くなっていく姿と、青学を演じる俳優が舞台経験を積み一人前の俳優へと成長していく姿を重ね合わせることで、キャラクターと俳優の両方を応援することが出来ます。
テニミュは一つの作品で40公演ほどを上演しますが、その中で初めて舞台に立った俳優達が、公演を重ねるごとに芝居やダンス、歌などのスキルが磨かれていく様子を応援することができる点はテニミュの大きな魅力でしょう。
二点目は、「舞台ならではの演出の工夫」です。「テニスの王子様」は先ほどご紹介したようにテニス部が舞台となった作品の為、原作漫画の作中でもテニスの試合をしているシーンがほとんどです。そのため、舞台化作品でもあるテニミュでもテニスの試合がメインに描かれるのですが、舞台上でどのようにテニスの試合を表現するのか、疑問に思った方も多いのではないでしょうか。
テニミュでは原作で行われるテニスの試合を舞台上で表現するために様々な演出上の工夫がなされています。例えば、テニスはラケットを使いネットを挟んでボールを打ち合う競技です。しかし、実際に舞台上でテニスボールを打ち合うことは危険性が高いとともに漫画的な表現をリアルで行うことが難しいため、テニミュでは実際のテニスボールを打つのではなくスポットライトを用いることでテニスボールを表現しています。
俳優がラケットを振る動きと同時にスポットライトをボールの様に動かし、同時にラケットでボールを打つ効果音を加えることでまるでテニスをしているように見えるような演出が行われています。
このスポットライトやボールを打つ効果音は俳優の動きに合わせるために全て手動で行われており、俳優と照明、音響スタッフの息の合った動きによって、まるで舞台上がテニスコートに、俳優たちがキャラクターとしてテニスの試合を行っているように見えてくるのです。
また、「 テニスの王子様」には漫画的な表現として、現実では再現不可能な超常的な技が多く登場します。アニメやドラマ、映画などの映像作品ではCG等で再現することが可能ですが、生ものである舞台ではCGを用いることはできません。
そのため、俳優のアクロバットや照明や効果音、舞台上で行うプロジェクションマッピング等を用いて超常的な技を舞台表現として再現する工夫がなされています。
原作を知っている方であれば、この技はこんな照明や映像を用いて表現するんだ!という原作再現に注目することも楽しみ方の一つとしておすすめです。
ここまで、2.5次元ミュージカルの金字塔「ミュージカルテニスの王子様」の魅力的なポイントをご紹介しました。今回ご紹介したポイント以外にも、劇中で使用される魅力的なミュージカルナンバーの数々やスポーツ漫画を原作とした熱いストーリーなど、テニミュには魅力が沢山あります。
原作をご存じの方もそうでない方も、生で観劇した際の熱量や空気感をぜひ劇場に足を運んで体験して頂きたいです!21年続くテニミュの楽しさに虜になること間違いなしです!
ミュージカルテニスの王子様 4thシーズンの最新公演の映像はこちら☞https://youtu.be/X8SuviNE6Do?si=tpG31DUI60tR06Zp
次にご紹介するのは、フランス作家ヴィクトル・ユーゴーの文学作品を原作としたグランドミュージカル「レ・ミゼラブル」です。原作は日本名では「ああ無常」というタイトルで知られ、原作の小説や映画版などを見たことがある方も多いのではないでしょうか。
「レ・ミゼラブル」は1980年にロベール・オッセンの演出によってフランス・パリで始めて上演され、日本ではイギリスのロンドンやアメリカのニューヨークに続いて1987年に初演が帝国劇場で上演されました。
30年以上の歴史を持ち、キャストを変えながら日本での上演回数が通算3000回を超えるなど、日本でも多くの人に愛されているグランドミュージカルです。日本では「レミゼ」という愛称で親しまれています。
そんな長年親しまれるグランドミュージカル「レ・ミゼラブル」の魅力について2点ご紹介します。
一点目の見どころは、なんといっても「レ・ミゼラブル」の世界観を存分に表現する豊かなミュージカルナンバーの数々です。
もっとも有名な曲は「民衆の歌」でしょうか。映画版でも歌われている曲で、「レ・ミゼラブル」の中でもっとも有名な歌の一つです。テレビの音楽番組でもたびたび披露されているため、その特徴的なメロディーに聞き覚えがある方も多いかもしれません。
フランス革命を中心的なテーマとして中心に据える「レ・ミゼラブル」ですが、「民衆の歌」は六月革命において、政府や軍隊といった支配者に対して反旗を翻すべく立ち上がった学生や民衆たちの決意や覚悟を力強く表現した曲です。
「レ・ミゼラブル」には固有のキャラクターを演じずに役名を持たない「アンサンブル」と呼ばれるキャストが多数出演しています。彼らは集団となって歌ったり踊ったりするなど、舞台作品を表現する上で欠かせない存在ですが、「アンサンブル」のキャストたちがフランスの民衆となり大勢で声を合わせて「民衆の歌」を歌うシーンは、舞台ならではの緊張感や熱量に包まれる「レ・ミゼラブル」の見どころのシーンです。
また、ヒロインのフォンテーヌが歌う「夢破れて」も有名な曲の一つです。フランス革命前夜、妊娠し娘コゼットと共に愛したトロミエスに置き去りにされてしまい、工場もクビになってしまった際の場面で歌われる曲です。愛する人に置き去りにされ、明日食べていくための仕事すらも失ってしまった哀愁と絶望を美しいフォンテーヌが一人で歌う姿は、先程ご紹介した「民衆の歌」とは対照的にとても心に沁みる名シーンの一つです。
二点目は、ダブルキャスト・トリプルキャスト制を採用することによるキャストの組み合わせの面白さです。ダブルキャスト、トリプルキャスト制は歌をメインとするグランドミュージカルで多く採用されている制度であり、一つの役に対して2人、3人のキャストがキャスティングされています。これはメインキャストだけでなく、役名を持たないアンサンブルのキャストも同様です。
そのため、たとえ同じ役でも演じる人によって少しずつ解釈が異なったり、歌の表現が異なっているなど、キャスト一人一人の役の人生を見ることができます。また、様々な組み合わせをローテーションするため、相手役のキャストが変わることで異なった反応や芝居を見ることが可能です。同じ役を演じていてもそれぞれの役者によって変化する印象の差異を楽しむことができるのも「レ・ミゼラブル」の楽しみ方であり、魅力の一つと言えます。
このようにグランドミュージカルならではの魅力を持つ「レ・ミゼラブル」ですが、ちょうど今年2024年から2025年にかけて再度公演が行われます。また、長い歴史を持ち「レ・ミゼラブル」を筆頭に様々な有名グランドミュージカルが上演されてきた、帝国劇場のクローズド公演でもあります。
由緒ある帝国劇場で上演される「レ・ミゼラブル」に一度足を運んでみるのはいかがでしょうか。
レ・ミゼラブル2024‐2025の公演プロモーション映像はこちら☞https://youtu.be/YCMEvBXexuU?si=L16cKdtMdY_69wTH
最後にご紹介するのは、劇団四季のミュージカル「ウィキッド」です。劇団四季は多くの専用劇場を持ち、年間様々なミュージカルを上演している大規模な演劇集団です。日本国内に劇団四季の作品を上演するための専用劇場を多数有し、オリジナルのミュージカルや海外のミュージカル、歌を用いないストレートプレイの作品など、様々なジャンルの作品を上演しています。
ディズニー作品としても有名なライオンキング、美女と野獣、アラジンなどは一度は観劇したことがある方もいらっしゃるかもしれません。近年ではアナと雪の女王をミュージカルとして上演したことでも大きな反響を呼びました。
そんな劇団四季の手掛けるミュージカル「ウィキッド」は、名作「オズの魔法使い」を主人公ドロシーではなく南の良い魔女・グリンダ、西の悪い魔女・エルファバの二人の魔女の視点から描いた作品です。ミュージカルの聖地・ブロードウェイでも長年上演され、世界中から愛される作品です。
そんな「ウィキッド」の魅力を二点ご紹介します。
一つ目の魅力は、劇団四季専用劇場ならではの豪華な舞台装置です。「オズの魔法使い」のストーリーは多くの方がご存じかと思いますが、魔法というワードから分かるように、ファンタジーできらきらとした世界観が魅力の一つです。
ストーリーの中で南の良い魔女・グリンダと西の悪い魔女・エルファバはあこがれの町「エメラルドシティ」へと向かいますが、その名の通り一面がエメラルドで彩られた「エメラルドシティ」は圧巻です。
舞台上の装置だけでなくその住民までもがきらびやかなエメラルドの衣装に身を包む姿に、観客自身もまるで「エメラルドシティ」を訪れたかのような錯覚に陥り、世界観にどっぷりとつかることができるでしょう。
また、作中に登場する「ドラゴン時計」も「ウィキッド」のファンタジーな世界観を表現するために必須な目玉の舞台装置です。幅十メートル、奥行き三メートルの大きさで舞台上を覆う「ドラゴン時計」は、その大きさだけでなく緻密な構造に圧倒されること間違いありません。
二つ目の魅力は、キャストたちが纏うこだわり抜かれた衣装です。主人公の二人の魔女は作中で何回か衣装を変えますが、南の良い魔女・グリンダが纏うきらきらと輝く水色のドレスと、西の悪い魔女・エルファバが纏う重厚な黒いドレスはどちらもとても美しく、目を奪われます。二人の性格や良い魔女・悪い魔女という性質を繊細な衣装によって表現している点も注目するポイントです。
また、先程ご紹介した「エメラルドシティ」のシーンで出てくる住民たちが着用しているエメラルド色の衣装も魅力的です。同じエメラルド色の衣装でもキャストごとにそれぞれ異なる素材や布が用いられ、キャスト一人一人の魅力が引き立てられる衣装デザインとなっています。実際に動くことを考慮されたキャストを引き立てる衣装表現を見ることができる点は、生ものの舞台ならではの魅力と言えるでしょう。
「ウィキッド」は大阪公演が2025年7月まで行われます。それと関連してUSJでコラボが行われるなど、現在注目の劇団四季ミュージカルとなっています。ぜひ劇団四季の魔法の世界を体感してみてください!
ウィキッドの公演プロモーション映像はこちら☞https://youtu.be/14ciX6D_OaU?si=0hxq0-umSdzuUOga
以上三作品、おすすめの舞台作品をご紹介しましたが一つでも気になる作品はありましたか?このブログが皆さんの観劇の足がかりになることができたら幸いです。
ここにご紹介した作品以外にもたくさんの個性的な舞台作品が日々上映されています。是非皆さんも気軽に劇場に足を運び、生の観劇体験をしてみてください!
このブログを執筆したスタッフが所属している医学生道場では、医学部に在学する医学生を対象とした個別指導を行っています。身近に医学部の学習や試験についてつまづいていたり、誰かに相談したいと悩んでいる方はいらっしゃいませんか?
そのような方がいらっしゃったら、ぜひお気軽に医学生道場にご相談ください!