著者名:松下🌙
所属:関東私立大、経営
資格や経歴:経営学科在学中、アメリカ交換留学、簿記二級📕
過去のブログ:
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医学に関する情報を経営学で培った知識で効果的に伝達していく。このことを意識しながら、将来医学を牽引される方に有益な情報をお届けするサポートがしたいと思っております✨
・医学英語は、すべての医師にとっての必須スキルとなってきている
・近年の国家試験やUSMLEでは、単語力だけでなく、英語で提示される臨床症例を読み解き、診断や治療を導く実践的な思考力が問われる
・多忙な医学生が医学英語を習得するには、日々の生活に無理なく学習を取り入れる「習慣化」が効果的
こんにちは🌞医学生道場です🤗
皆さんは「医学英語」と聞いて、どんなイメージを抱きますか?
「難しそう…」「まだ早いんじゃない?」
こんな風に思っている人もいるかもしれません。しかし❗
もし皆さんがそう考えているのなら、それは大きな誤解です❌
なぜなら、現代の医療の世界において、医学英語はもはや「できたらいいな」というレベルのスキルではなく、
「必須」の能力になりつつあるからです!!
「医学英語が必要なのは一部の特別な医学生だけじゃないの?」
そう思っていませんか?いいえ、違います❌
医学英語の重要性は、年々、すべての医学生にとって現実的なものになっているんです😯
理由①> 最新の医療情報をキャッチアップするためℹ️
医療は日進月歩の世界です。新しい治療法、新しい薬剤、新しい手術手技…これらは常に世界中で研究・開発され、その成果は主に英語の論文として発表されます。
もし皆さんが英語の論文を読めなければ、これらの最新情報を知るまでにタイムラグが生じ、時代遅れの医療を提供してしまうかもしれません💦患者様の命を預かる医師として、常に最善の医療を提供するためには、最新の情報を自分で直接、スピーディーに手に入れる力が必要です。
理由②> 国際的なキャリアを視野に入れるため 🌍
「将来、海外で働いてみたい」「国境なき医師団に参加したい」「国際学会で発表したい」
もし皆さんがそんな夢を持っているなら、医学英語を身に着けることは必須になります。USMLE(米国医師国家試験)をパスしてアメリカで医師として働く、あるいは海外の医療機関で研修を受けるなど、グローバルな舞台での活躍は、英語ができてこそ実現可能です。
理由③> 国家試験の英語問題が難化傾向に📝
かつての医師国家試験の英語問題は、比較的平易な読解問題や専門用語の知識を問うものが中心でした。しかし、近年、その出題形式は大きく変化しています。より専門的で、単語の知識だけでなく、臨床的な文脈を理解する力が問われる問題が増加しています。
例えば、単純な英訳問題だけでなく、長文の症例問題が出題され、その中から病態を読み解く力が求められるようになっています。これは、厚生労働省が、最新の医療情報を英語で理解する能力を、医師に求めるようになっていることの表れです。今後、国家試験を受ける皆さんが英語に苦手意識があるなら、早めの対策は必須と言えるでしょう📕
💡実際の国家試験で出題される可能性のある問題例を見てみましょう💡
【問題例】 A 68-year-old male with a history of hypertension and diabetes presents to the emergency department with severe chest pain radiating to his left arm. The pain started 30 minutes ago while he was walking. An electrocardiogram (ECG) reveals ST-segment elevation in leads V2-V4. What is the most likely diagnosis?
a) Pulmonary embolism b) Myocardial infarction c) Aortic dissection d) Gastroesophageal reflux disease
【解説】 この問題は、単に医学用語を知っているだけでは解けません。患者の年齢、既往歴、症状(胸痛、左腕への放散痛)、そして検査データ(ECGのST上昇)という複数の情報を英語で読み取り、「心筋梗塞(Myocardial infarction)」という診断に至る臨床的な思考プロセスが求められます。
理由④> USMLEを低学年から目指す医学生が増加 ⤴️
(※USMLEの詳細は以下記載)
米国医師国家試験であるUSMLEは、日本の医師国家試験とは比べ物にならないほど、膨大な知識と英語力が要求されます。特にUSMLE Step1は、日本の医学部で学ぶ基礎医学の知識と重なる部分が多いため、在学中に受験する医学生が増えています。USMLEでは、症例を読み解くための英語力が徹底的に問われるため、日本の国試の英語問題にも似た傾向が見られます。
日本人にとってUSMLEの合格は決して簡単ではありません。米国人医学生の合格率が9割を超えているのに対し、日本人を含めた外国人受験者(IMGs)の合格率は50%程度と言われています。しかし、これに挑戦し、低学年からUS系統的に勉強を始める医学生も珍しくありません😯
USMLEは、アメリカで医師として働くための必須の試験で、主に以下の3つのステップで構成されています。
Step1: 基礎医学の知識を問う試験です。日本の医学部で学ぶ解剖学、生化学、生理学、薬理学、微生物学などが範囲に含まれます🧬
Step2 CK(Clinical Knowledge): 臨床医学の知識を問う試験です。内科、外科、小児科、精神科など幅広い分野から出題されます🏥
Step3: 診断や治療方針など、より実践的な臨床判断能力を問う最終ステップです🧫
出題形式の特徴:
すべて選択式:日本の国家試験と同じく選択問題ですが、問題文はすべて英語で、そのほとんどが「Clinical Vignette(臨床症例問題)」と呼ばれる形式です🧪
Clinical Vignetteとは:患者の年齢、性別、主訴、病歴、身体所見、検査データなどが詳細に記述された物語形式の問題です。この文章を迅速かつ正確に読み解き、診断や次のステップ(追加の検査、治療法など)を判断する力が求められます✍
日本語の知識だけでは解けない:USMLEでは、基礎医学・臨床医学の膨大な知識に加え、英語での情報処理スピードと論理的思考力が不可欠となります。これが、多くの日本人医学生にとって大きな壁となっています😯
💡USMLEのClinical Vignette で出題される可能性のある問題例を見てみましょう💡
【問題例】 A 24-year-old medical student comes to the student health clinic complaining of a severe headache, stiff neck, and photophobia for the past 2 days. He has a fever of 39.5°C and appears disoriented. He mentions that several students in his dormitory have also been sick recently. Physical examination reveals a positive Kernig’s sign. A lumbar puncture is performed, and the cerebrospinal fluid (CSF) analysis shows elevated protein, low glucose, and a high neutrophil count. Which of the following is the most likely infectious agent?
a) Streptococcus pneumoniae b) Neisseria meningitidis c) Haemophilus influenzae d) Cryptococcus neoformans
【解説】 これは、ただ単語を訳すだけでは歯が立ちません。 「24歳医学生」「寮の集団感染」「頭痛、項部硬直、羞明、発熱」「意識障害」「Kernig徴候陽性」といった症例情報を素早く正確に読み取り、「細菌性髄膜炎(Bacterial meningitis)」を疑う必要があります。さらに、CSF検査の結果(タンパク質上昇、グルコース低下、好中球増加)から細菌性であることが確定でき、最後に「集団感染」という情報から「髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)」が最も考えられる病原体だと判断する、という高度な知識と英語での思考プロセスが求められます。
「よし、やるぞ!」と意気込んでも、なかなか続かないのが勉強です😥
特に医学英語は、範囲が広く、ゴールが見えにくいため、挫折しやすいかもしれません💦
そこで、医学生道場が提案するのは、「特別な勉強」ではなく「日々の生活習慣」にすることです💡
ステップ1:小さな一歩から始める♟️いきなり分厚い英字医学書を読もうとしたり、難しい論文に挑戦したりするのは挫折の元です!
まずは、本当に簡単なことから始めましょう。
SNSで英語の医療アカウントをフォローする
例えば、New England Journal of Medicine(NEJM)やJAMAなどの有名ジャーナルの公式アカウント、あるいは海外の医師や医療系インフルエンサーのアカウントをフォローしてみましょう📱タイムラインに流れてくる情報を読むだけでも、自然と医学英語に触れる機会が増えます✨
医療系の海外ドラマやドキュメンタリーを観る
難しい単語は字幕で確認しながら、耳を英語に慣れさせましょう。『Dr. House』や『グレイズ・アナトミー』などは、楽しみながら医療用語を学べる良い教材です📚
医療系ニュースを英語で読む
BBC NewsやCNNのHealthセクションなど、平易な英語で書かれた医療ニュースを読んでみましょう。日本のニュースで見たトピックを英語で読むことで、内容が頭に入りやすく、単語の意味も推測しやすくなります🧠
ステップ2:具体的な目標を設定する♟️漠然と「医学英語を勉強する」と考えるのではなく、具体的な目標を立てましょう。
「1日1つは知らない医学用語を調べる」
「1週間に1本、短い医療ニュースを英語で読む」
「1カ月に1本、興味のある論文の抄録(Abstract)を読む」
このように、「いつまでに、何をやるか」を明確にすることで、モチベーションを維持しやすくなります🔥
ステップ3:アウトプットの場を作る♟️インプットした知識は、アウトプットすることで定着します😗
医学英単語を友人や家族に説明してみる
自分が調べた単語を、誰かに教えるつもりで説明してみましょう。人に教えるためには、自分で深く理解する必要があります✏️
医学部の英語圏の留学生と交流する
もし身近に留学生がいるなら、積極的に話しかけてみましょう。日常会話でも、医療系の話題は意外と出てくるものです😯
ステップ4:ツールを賢く使う♟️今は、医学英語学習を助けてくれるツールがたくさんあります!
オンライン辞書アプリ
専門用語も網羅した医学英語辞書アプリをスマホに入れておきましょう。ちょっとした空き時間にすぐに調べることができます。
Ankiなどの単語帳アプリ
効率的に単語を暗記するために、フラッシュカード型の単語帳アプリを利用するのも有効です。自分で単語カードを作成し、スキマ時間に繰り返しましょう⌛
YouTubeの医療系チャンネル
TED Talksのような医療系スピーチや、Khan Academyなどの教育系チャンネルは、聴く力を鍛えるのに最適です!
「医学生道場」は、未来を担う医学生の皆様に、最適な学びの場を提供しています。
医学生道場とは、医学生向けの個別指導塾で、医学部の進級試験、CBT試験、OSCE対策、卒業試験、医師国家試験対策などを専門にサポートしています。医学教育に精通した医師が講師となり、マンツーマンの指導を行うのが特徴です!
医学英語は、すぐにマスターできるものではありません。でも、日々の生活に少しずつ取り入れることで、確実に皆さんの力になります💪
最初の一歩は、ほんの些細なことで構いません。
医学部生活は忙しく、やらなければならないことがたくさんありますが、医学英語を学ぶチャンスを逃さないようにしましょう!
Q1. 医学英語は、何年生から始めるのがベストですか?
A. 結論から言えば、早ければ早いほど良いです。特に低学年から始めるのが理想的です。高学年になるほど、臨床実習や国家試験対策で忙しくなり、英語学習に割ける時間が減ってしまいます。ブログでもご紹介したように、まずはSNSや海外ドラマなど、簡単なことから生活に取り入れてみましょう✨
Q2. USMLEの勉強は、日本の医師国家試験の役に立ちますか?
A. 大いに役立ちます。USMLEで問われる「Clinical Vignette(臨床症例問題)」は、日本の国家試験の英語問題の傾向と類似しており、臨床的な思考力を鍛える上で非常に有効です。また、USMLEで学ぶ膨大な知識は、日本の国家試験の知識の補強にも繋がります✍
Q3. 英語の論文を読めるようになりたいのですが、どうすれば良いですか?
A. いきなり全文を読もうとすると挫折しやすいため、まずは抄録(Abstract)を読むことから始めましょう。興味のある論文の抄録を週に1本でも読む習慣をつけるだけでも、医学英語の読解力は確実に向上します。オンライン辞書やDeepLなどの翻訳ツールを賢く使うのも有効です📚