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2025.11.07
Y.I

【第119回国試に見る】国試で生きる!基礎医学の捉え直し方【医学生道場】

日の差し込む明るいラボで、立ちながらぶあつい本を読む白衣を着た女性

🖊 著者紹介
竹田美穂 (都内私立医学部医学科4年生)
3浪を経て医学部入学、1年次に留年を経験。2年次に心電図検定3級合格。3年次には大学祭実行委員長や所属部活の主将としての経験もあり、医学の勉強と課外活動を両立。
留年・浪人経験者だからこそわかる、医学の勉強のつまずきポイントを紹介。単なる暗記に頼らない、理解を深める勉強法を模索し発信中。「やる気が出ないときでも勉強を進めるコツ」を実体験からアドバイス。医学部生活を充実させるためのヒントや、課外活動との両立術も共有しています!
留年のこわさ、勉強の挫折、精神的なリカバリーの方法などを身をもって経験しています。実体験に基づき、「医学の勉強がしんどい…」と思っている人に寄り添った、役立つ情報を発信していきます!

【過去に著したブログ】
【失敗談】孤独な医学生のデメリットとリスク【私が留年した理由】【医学生道場】
【失敗談】「一人で判断してしまう」医学生がやりがちな勉強法【私が留年した理由】【医学生道場】

概要

「暗記してもすぐ忘れる」「医師国家試験では基礎医学は出題数が少ないから捨ててもいい」
そう思っていませんか?

基礎医学アレルギーの学生は、少なくありません。
しかし医師国家試験では臨床問題の中で基礎が問われており、基礎を理解できているかどうかが合否を分けるのです。
国試や臨床でも、本当に生きるのは基礎医学です。
今回は、第119回医師国家試験の出題傾向を踏まえながら、
「基礎医学の捉え直し方」をお伝えします。

・第119回医師国家試験で問われた、基礎医学について。

・基礎医学を国試で使える知識に変えるための3ステップとは。

・成績が伸び悩むのは、才能ではなく勉強法の構造の問題。

医学生道場では医師国試対策、卒業試験・進級試験対策、CBT、OSCEの対策まで完全個別指導でサポートしています。勉強の不安、悩みのある方はぜひ一度公式LINEからご相談ください!

はじめに

リュックを背負いながら本を読み歩きしている女子学生と、話しかけているリュックを背負った男子学生

多くの医学生が、「基礎医学よりも臨床医学の方が大事」と思っています。
確かに、臨床医学と比べれば基礎医学は出題割合も少なく、「時間をかけすぎても効率が悪い」と思うのも自然です。

そっちにばかり時間を割いていられないという気持ちもあるかもしれません。

しかし、国試浪人の多くは基礎を使いこなせないことが共通しています。
臨床の知識は、基礎の理解がないとなかなか伸びません。

とくに近年の医師国家試験では、免疫・病理・生化学など、「理解していれば簡単に解けるが、暗記しているだけでは落とす」といった問題が多く出題される傾向にあります。

国試・臨床・実際の医療全ての土台となるのが基礎医学。

模試で成績が伸びないとき、その原因は基礎医学が定着していないことかもしれません。
成績を伸ばす第一歩は、基礎を捨て問にする前にもう一度しっかりと学び直すことです。

第119回国試に見る基礎医学

第119回医師国家試験基礎医学の主題分布
(第119回医師国家試験基礎医学主題の分布)

第119回医師国家試験では、生理学・生化学・病理学といった基礎知識を理解していないと解けない問題も多く出題されました。

【A問題】神経解剖(高血圧性脳出血の好発部位)、腎生理・薬理(利尿薬の作用部位)、生化学・遺伝学(ウィルソン病)、免疫病理(IgA腎症)、発生学・分子生物学(結節性硬化症)、微生物学・免疫学(新生児髄膜炎)、生化学・神経生理(ウェルニッケ脳症)

【B問題】循環生理(心拍出量変化)、内分泌生理(甲状腺機能亢進症、無月経)、呼吸・血液生理(チアノーゼ)、生理・化学平衡(酸塩基平衡問題)

【C問題】生化学・病理(血清タンパク電気泳動)、循環生理・生化学(生物濃縮)、消化生理学(胃で吸収される物質)、微生物学(感染経路)、神経生理(パーキンソン病)、免疫学(抗原提示細胞)、遺伝学(遺伝形式)

【D問題】循環生理(心室圧波形)、分子病理・遺伝(染色体異常)、免疫・病理・循環生理(SLEによる息切れ)、免疫・病理(サルコイドーシス)、神経生理・遺伝(先天性色覚異常)、神経解剖(脳血管障害)

【E問題】神経生理(末梢神経障害の病態)、腎生理(尿濃縮障害)、病理学(糖尿病性網膜症)、分子生理(ペプチドホルモンと受容体)

【F問題】生理化学(酸塩基平衡)、呼吸・代謝生理(血液ガス異常)、生化学(糖代謝異常と酵素)、腎生理・病理(腎不全の病態)

今回は特に生理学、病理学が多く問われ、それらが身体機序と繋げて考えられるかが大きな差になりました。

ここで差が付くのは、説明できるかということです。現象を暗記する学生と、機序を理解している学生では、得点の伸び方が全く違います。

国試で使える知識に変える

人差し指をした唇に軽く当てて遠くを見つめ、考えている女性

繋がりを意識する

知識は単独では役に立ちません。
それらがどう関係しているかを理解して、初めて使える知識になります。

基礎医学の力は、一つの現象を多角的に見ることで力が発揮されます。

例えばナトリウム再吸収という言葉を見た時、
あなたは「腎臓」「アルドステロン」「血圧」「電解質バランス」まで
自然に思い浮かべられるでしょうか?

医学生道場では、生徒一人ひとりの理解レベルに合わせて、知識を体系化させ、
単に「Aを覚える」ではなく、「AとBの関係を説明する」ことを重視しています。

臨床の目線で読み直す

国試に出る問題の多くは、臨床現場での思考を模したものです。

例えばアルドステロンが過剰なとき、
なぜ高血圧と低K血症が同時に起こるのか。

この答えを導くには、ホルモン分泌や腎尿細管の働きを
臨床の結果とセットで理解することが大切です。

基礎を点で覚えるのではなく、現場での反応として読むのが、臨床に生きる基礎力です。

自分の言葉で説明する

最後のステップは、理解の定着です。

その最も効果的な方法が、人に説明することです。

実際に一度説明してみると、理解の穴が見えてきます。
でも、その穴こそが成長のチャンスです。

このプロセスを通じて、
「分かったつもり」から「本当に分かった」へと変わっていくのです。

本当の基礎力

基礎医学の学び直しは、臨床と結び付けることで初めて意味を持ちます。

たとえば生化学の「TCA回路」を学び直すとき、
「なぜATPが減ると心筋が障害されるのか?」
「どこが酸化的リン酸化の律速なのか?」
こうした臨床の現象とリンクさせて考えることが大切です。

また病理学なら、たとえば「この壊死がどのような症状を生むか」。
原因と結果を結び付けて理解することで、使える知識に変わります。

基礎が苦手な学生の中には、
「自分は医師に向いていないかもしれない」と落ち込む人もいます。
また、親御さんが不安になってしまう例も多くあります。

しかし、基礎で躓くのは頭の良しあしではなく、勉強法の構造の問題です。

医学生道場では、一人ひとりの理解スピードや背景を踏まえて、
なぜ分からないのかから一緒に分析します。
焦らせず、寄り添いながら再構築していくことを大切にしています。

親御さんにできる一番のサポートは、
安心して相談や勉強ができる環境を整えることです。

医学部の勉強では孤独になってしまう学生もいます。
一緒に考えてくれる人がいるという安心感が医学生を大きく支えます。

結論

暗い部屋、手元をテーブルライトで照らしながら勉強している学生

医師国家試験で最も重要なのは、知識を思考に変える力です。

そしてその力は、基礎医学を理解していないと絶対に生まれません。

丸暗記で乗り切る勉強から、なぜ?を考える勉強へ。

基礎を見直すことは、国試浪人を防ぐ最短ルートです。
将来の医師としての成長を決定づける大切なプロセスでもあります。

「基礎があやふやで不安」
「CBT以降、どこから復習すればいいか分からない」
「国試浪人を避けたいけど、今の勉強法でいいのかな?」

そんな悩みを抱えている方は、ぜひ一度ご相談ください。
医学生道場の現役医師講師が、あなたの理解度を一緒に確認し、最短で合格へ導く方法を一人ひとりに合わせて考えます。
24時間LINEから無料相談も受け付けています。

FAQ(よくある質問)

基礎医学を復習するタイミングはいつがいい?

国試対策を本格化する4~5年生の内に見直すのが理想です。
CBTやOSCEが終わった後の時期は、臨床実習や国家試験対策に向けて基礎を整理し直す絶好のタイミングです。

ただし、いつ始めても遅くはありません。
6年生や国試浪人中でも、臨床問題を解きながら基礎に戻る学び方をすれば、短期間でも理解が定着します。
大事なのは、今やる価値があると気づいたときに動くこと。基礎を立て直すことで、どの分野も伸びやすくなります。

CBT以降に基礎を忘れてしまった。もう手遅れ?

全く手遅れではありません。
CBTが終わると多くの学生が臨床科目に集中し、基礎医学の内容を忘れてしまいます。
しかし、基礎医学を一気に詰め込む必要はありません。
一度学んだ知識は、「繋がりを意識」して、「臨床とセット」で、「自分の言葉で説明」することを意識しながら復習することで短期間で取り戻せます。

国試浪人中でモチベが下がっています。どう立て直せばいいですか?

焦る必要はありません。
国試浪人の時期は、多くの人が「努力が報われなかった」と感じ、自信を失いがちです。
でも、それは学び方を見直すチャンスです。

次はどうするか、前向きに考えること。
基礎の繋がりを見直すこと。
1人で抱え込まないこと。

一度原点に戻って勉強を再開してみましょう。
基礎を理解し直すことで、問題理解が進み、やる気が自然に戻ってきます。
焦らず、確実に積み重ねていきましょう。

動画作成:Sora
編集:CANVA

YouTubeで医学生道場の様子をご紹介しています。

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