こんにちは! 医学生道場の橋本です。医学生にとって、最初の関門ともいえる「解剖学」ですよね。医学部1,2年生で学ぶ科目の中でも、一番重い科目かもしれません。ここでは、いくつかのコラムにわたって、その勉強の手助けとなるような情報をまとめていきたいと思います。
前回までは、それぞれの器官系についてのさわりの部分だけを触れていました。
ですから、「こんなことは医学部生でなくても知っているよ」という部分が多かったと思います。今回からは、その内容を踏まえた上での、「医学部での解剖学」のステップアップ的な部分になります。
ここでも模式的なイラストを示しますが、アトラス等で自分で確認しながら勉強を進めていってほしいと思います。また、自分で図を描きながら理解していくことも一つの手です。その時に、この図を参考にしてみて下さい。
今回は、その中でも、腹部の筋肉についてのお話をします。
腹部は、背骨以外の骨がないので、お腹側から内臓の触診が出来たりします。そんな腹部にある筋肉で一番有名なのは「腹直筋」だと思います。
「腹直筋」は、肋骨と骨盤を結んでいます。皆さんがよく想像する「腹筋運動」で一番使う筋肉ですね。この筋肉は、多腹筋といって、筋肉の途中に腱で区切られた部分があり、その間を筋肉が走っています。
また、腹直筋は、腹直筋鞘という、側腹部の筋の停止腱膜に覆われているのも特徴です。
次は、脇腹の筋肉の紹介です。外から順に、「外腹斜筋」「内腹斜筋」「腹横筋」の三枚あります。これは、腰をひねったり、「排便の際にいきむ」といった役割があります。
筋肉の向きがそれぞれ異なるので、図で覚えるようにしましょう。
ここからは余談ですが、焼き肉屋で食べる「バラ肉」はこの部位です。ベーコンなどにも使いますね。
さて、上では腹筋の場所を話してきました。
先ほど話した腹筋の役割の一つに、「排便の際にいきむ」というものがありましたね。すなわち、腹筋が発達していないと、この行為が出来ないので、便秘がちになったりします。実際、腹筋が未発達な小児と、腹筋がやせ細ってきた高齢者は、成人と比べても便秘になる割合が高かったりします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。以上、医学生道場の橋本でした。