こんにちは! 医学生道場の橋本です。医学生にとって、最初の関門ともいえる「解剖学」ですよね。医学部1,2年生で学ぶ科目の中でも、一番重い科目かもしれません。ここでは、いくつかのコラムにわたって、その勉強の手助けとなるような情報をまとめていきたいと思います。
前回までは、それぞれの器官系についてのさわりの部分だけを触れていました。ですから、「こんなことは医学部生でなくても知っているよ」という部分が多かったと思います。今回からは、その内容を踏まえた上での、「医学部一二年生での解剖学」のステップアップ的な部分になります。
ここでも模式的なイラストを示しますが、アトラス等で自分で確認しながら勉強を進めていってほしいと思います。また、自分で図を描きながら理解していくことも一つの手です。その時に、この図を参考にしてみて下さい。
今回は、その中でも、「頸部三角領域」についてのお話をします。「いきなり何ぞや?」と思う人が大半だと思います。少しでも覚えやすくなるようにまとめたので、参考にしてみてください。
さて、頸部には「○○三角」という名前の領域がたくさんあります。それは、その領域の奥にどんな構造があるか、というランドマークになっています。ですが、まずは胸鎖乳突筋から覚えましょう。
これを境に、僧帽筋と鎖骨を囲む後頚三角、正中線と下顎骨を囲む前頚三角の二つに分かれるのです。それでは、それぞれがさらにどのように分かれているか、見ていきましょう。
さて、後頚三角は、肩甲舌骨筋を境にして、鎖骨上三角、後頭三角の二つに分かれます。前者は、その奥に鎖骨下動脈、静脈、腕神経叢があります。後者は、頸神経叢皮枝、副神経があります。
さて、次は前頚三角です。後頚三角と比べると複雑になっています。まずは正中線と顎二腹筋、下顎骨で囲まれるオトガイ下三角、そして顎二腹筋と下顎骨で囲まれている顎下三角です。特に、後者は顎下腺があります。
その下の領域は、後頚三角と同じように肩甲舌骨筋で分かれます。正中線と胸鎖乳突筋を含むのが筋三角で、気管支切開の部位として重要です。一方、顎二腹筋と胸鎖乳突筋を含むほうは頸動脈三角と言い、その名の通りその下に総頚動脈や内頚動脈が通ります。そのため、脈を触れる部位として重要です。
最後まで読んでくれてありがとうございました。このコラムを読んで、医学部1,2年生の解剖学の勉強が少しでも楽になることを期待しています。
以上、医学生道場の橋本でした。