医師免許を取れば麻酔科医以外の全ての診療科を名乗ることができるようになります。とはいえ、学んでいなくても何でもできるというわけではありません。診療科目を選択し、医学部で学ぶことで医療の現場で活躍できるようになります。では医学部でどの診療科目を選ぶのが良いのでしょうか。医学部を受験する方に有用な情報を発信していきます。
需要が高いのは内科医
医学部受験生の中で最も人気といっても過言ではない診療科目は外科です。外科はドラマなどでもおなじみの診療科目であり、花形とも呼ばれることがあります。とにかく外科になりたいと考えている方は少なくありません。実際の医療の現場でも医学部でも外科医は大活躍しています。しかしながら、実際に需要が最も高いのは内科とされます。その理由としては、診断技術の進歩が挙げられます。以前であれば見つからなかったような病気を発見できるようになり、内科の治療が一層複雑化しました。今後もこのような状態は続くと考えられるので、診療科目の中でも特に内科に需要が高まるといえるでしょう。需要に合わせて診療科目を決めたいと考えるのであれば、内科がお勧めです。もちろん、外科に対する需要も安定して高いので、この2つはこれから先も安定して仕事をしやすいと言えます。これらはまさに定番の診療科目として世界的にも重要になっています。
少子化でも小児科は大切
現在の日本では少子化が進んでいるため、小児科医の仕事は徐々に減っていくのではないかと考えてしまうかもしれません。しかし、実際には医学部においても小児科への需要は根強く、今後も重要な診療科目となっています。なぜなら、大人に比べて子どもは病院に診察してもらう必要性が高いからです。大人であれば多少の体調不良で病院に行く方は少ないかもしれませんが、子どもの場合はちょっとした体調不良に見えても実は重病であったりするケースが存在します。そのため、とにかく小児科で診てもらいたいと考える保護者も多いです。また、子どもと大人では対応が全く異なります。普段子どもを全く相手にしていない医師が突然小児科医として働くことは困難といえるでしょう。そのため、医学部に通っている方で将来小児科医として働きたいと考えている場合、子どもがかかりやすい病などについて、医学部の時点から勉強をしておく必要性が高いといえるでしょう。
精神科への需要は上がっている
昨今、精神科への需要は上がっています。それゆえに医学部でも精神科について学ぶ方が増えつつあります。需要が上がった背景には精神病への理解があります。かつては、「精神病は病気」というイメージがあまりないとされてきました。そのため、精神病にかかってもなかなか理解されず苦しむ方も少なくありませんでした。最近になって精神の不調が一般に認められるようになり、それに伴って診療科目としての精神科も注目されるようになりました。医学部で心療について学んでいる方も少なくありません。
医学部では呼吸器科や整形外科を学んでいる方もいます。いずれにしても医学部で何を学ぶかと併せて、将来自分がどのような医師を目指すかを踏まえておくことが大切です。医学部にいる間にある程度学んでおかないと、就職したときに出遅れることにもなりかねません。その点にも注意しつつ、自分の方向性を徐々に探っていくことが重要となります。
どのような診療科目を主軸に置くか、迷ったときは実際に現場で働く医師の声を参考にするのも手です。医学生のための個人指導塾「医学生道場」では、講師として現役の医師が在籍しています。その多くが大学教授よりも学生の皆さんに近い年齢ですので、同じような悩みを抱えた経験のある医師に直接悩みを相談したり、生の情報を得ることができたりと、有意義に使えるサービスとなっています。
医学部では様々なことを学ぶことが出来ます。しかし、医学部にいる時間だけで全てのことを学ぶのはほとんど不可能です。それゆえに診療科目を絞ることも大切といえるでしょう。また、就職してからも学ぶことはたくさんあります。医師として腕を上げたいのであれば、いつどんなことでも自分の成長に繋げておくことが重要となっています。