医師になった場合でも、1か所の病院でずっと医師をし続ける人はそれほど多くありません。もちろん、自分の親が経営している病院ならば、そこで医師をし続けることは可能です。ですがそのような繋がりもない状態では、1か所でいることの方が珍しいぐらいです。この場合、転職をすることになりますが転職回数が多いことは不利になるのでしょうか。それ以外の転職に関する条件なども見ていきます。
転職回数が多くても問題ない
医師の転職は一般的なサラリーマンの転職と比較すると、条件や評価基準が異なります。ですが、サラリーマンと医師では共通している部分が多いのも事実になります。例えば、今まで勤務してきた会社の数がこれに該当するでしょう。渡り歩いた会社の数があまりに多いと、サラリーマンはマイナス評価を受けてしまう場合があります。少なくとも、何故そこまで何度も転職をしてきたのか、質問を受けることになるでしょう。これと同じように、医師になった場合にも転職の数が多いと、どれについて質問されることが考えられるわけです。 もちろんこの時、しっかりとした答えを出すことができれば問題ありません。転職回数が多いことは、必ずしもマイナス評価に直結するわけではありません。むしろ、それなりの数を重ねていくと逆にそれがキャリアとして評価される場合も考えられます。いずれにしても、単に転職の回数だけで評価されることはなく、どれだけ技術的に優れているかなども、重要な判断基準になります。
認定医と専門医の医師の違い
それに合わせて、医師には2つの種類があることを理解しておく必要があります。医師の中でも学会が認定した医師のことを、認定医と呼びます。学会が指定した勤務時間や試験に合格することができれば、認定医として採用されることになるでしょう。ただ、医師の中でも認定医の立場はそれほど高くありません。基本的に、専門医になるためにいったん認定医の資格を取得しているだけのことが多いです。つまり、そのあとに専門医になるための試験を受けなければ、さらに高い給料をもらうことができません。 これは、職場を変える場合も同様で、医師を採用したいと考えた際、多くの病院では専門医を選ぶことになるでしょう。専門医の数はそれほど多くなく、需要に対して供給が少ないのが現状です。その分だけ給料が高くなることも珍しくなく、仮に転職回数が多かったとしても、専門医であることは大きなアドバンテージとなるでしょう。
ある程度キャリアがあった方がよい
医師は、転職をしてはいけないわけではありませんが、無意味な転職は避ける必要があります。例えば、「人間関係が悪かったので転職しました」と言うような内容ですと、いくら腕前がよい医師でも採用されない可能性があります。これは民間の企業などと同じように、人間関係が問題で転職した場合、新しい職場でも再び人間関係の問題に巻き込まれ、辞めてしまう可能性が高いのではないか、と評価されてしまうためです。このようなリスクを考えて、病院としては可能な限り消極的な理由で前の病院を辞めた場合には採用しないようにしている傾向があるわけです。 ただ、実際には消極的な理由で辞める人も少なくありません。むしろ、前向きな理由で前の病院を辞める医師の方が少ないはずです。もし、消極的な理由でやめてしまった場合には、前向きな理由を考えてから新しい職場を見つける必要があります。
医師として転職する場合、転職回数が多いとダメかといえば、必ずしもそうではありません。それぞれしっかりとした理由があれば、たとえ回数が多かった場合でも問題ないといえます。認定医と専門医の違いもありますが、回数が仮に多かったとしても後者の方が採用される可能性が高くなるでしょう。専門医は絶対数が少なく、採用する病院側にとっても貴重な存在だからです。転職を考える際、その回数を気にする必要はありませんが、自身の能力や前職を辞めた理由が重要な判断基準になることを、しっかり把握しておく必要があります。
最後に、もし様々理由で一度医療の現場から離れたいという気持ちのある方には、「医学生道場」の医師講師への転職もお勧めです。医師を志す医学生の教育という次世代の医療を担う人材育成というやりがいのある仕事です。関心を持たれた方がぜひお気軽にお問合せください。