医師にもさまざまな種類がありますが、大企業などでは産業医師が必ず1人いるのが決まりになっています。産業医師の仕事内容は、企業の中で医療的なアドバイスをすることが中心になります。例えば、ストレスがたまっている場合や運動不足の社員に運動を推奨したり、高血圧の社員がいる場合はそのためのアドバイスをしたりといった仕事です。このような医師が転職する場合、どこに転職をするのがふさわしいでしょうか。
転職は精神科の医師もよい
もともと、産業医といえども医師の免許を持っています。倍率の高い医学部に入学し、その後医学部卒業試験を受けて合格した後、医師国家試験を受けようやく免許を取得したことと思います。これにより正式な医師になることができますが、さらに産業医として雇われることが必要です。このとき、単に医師としての技術だけではなく話を聞く力が要求されます。基本的に、会社での勤務ですので多くの人が在籍していて、それぞれにアドバイスをするとともに、悩みなどを聞いていく仕事です。そのため、医療に関するアドバイスの力はかなり上達していくでしょう。 ある意味、傾聴力が高まるため、産業医を経てさらに転職する場合には、傾聴力を生かした方向性で求職を行うことができます。考えられる仕事の一例として、精神科医あります。うつ病などの患者が増加している現代、精神科医は非常に需要が高い仕事のひとつです。専門医師になるためにはそれなりの経験を経なければなりませんが、今までの産業医師の経験を生かせる場所と言えます。
大学教授になる方法も
医師として長年経験してきたならば、あえて大学教授になる方法もあります。大学教授になるためには、少なくとも大学院などを修了している必要がありますので、一度大学院に通った方がよい場合があります。ただ例外的に、今までの医師の経験が認められるならば、大学院に通わなくても大学教授になることも可能です。 どの大学で採用されるかは明確ではありませんが、少なくとも欠員が生じている所ならば採用してくれる可能性が高くなります。このとき必要なのは、今までの経験を学生のために活かす気持ちがあることでしょう。もちろん、最初から希望しているところに転職できるかはその時々ですが、それでも大学の教員としてのキャリアを重ねながら最終的に希望している大学で教鞭をとることも可能になります。 年齢的には、40歳以上で大学教授になる可能性はありますが、あきらめなければ50歳以上から大学教授として採用される可能性もあります。何らかの点で貢献度の高い成果を収めたり、知名度を高めておいたりといったことは足がかりになるでしょう。
また、大学で教鞭をとるほどではなくても、医学教育に関わりたいと考えている場合は、医学生専門の塾「医学生道場」がおすすめです。これは、医学部受験の予備校ではなく、医学部に在籍している学生が、より医学の理解を深め、進級や卒業をスムーズに行うための塾です。すでに医学を学び始めた学生が対象ですので、教えるだけでなく意見の交換を行ったり、現場で働いてきた経験を伝えたりと、やりがいのある職場といえるでしょう。
コンサルタントや作家になる
医師とは違う転職先として、コンサルタントに転職する方法もあります。医師の仕事とあまり関係ないような気もしますが、適切なアドバイスをすると言う意味においてコンサルタントは非常に魅力的な仕事です。しかも、単純に会社のコンサルタントになるのではなく、医師の経験を生かした立場を利用すると良いでしょう。現状、医療コンサルタントを除く一般的なコンサルタントでは、医師として経験がある人はほとんどおらず、非常に貴重な存在になります。また、顧客にアピールする時も医師をやっていたと言うだけでかなり差別化を図ることができるわけです。ただ、医師がそのように転職した例は少ないですので、自分で新たな道を作り上げていく必要があります。
それ以外では、作家になる方法もあるでしょう。実際に医師や医師だった人が作家に転職しているような例も少なくありません。実際に自分の経験を生かして、人々の健康を推進するような内容の書籍を出版することで、作家として立場を確立することができる可能性もあります。
産業医は、医師の中でも治療や手術をする機会は少なく、健康のアドバイスをする機会の方が多くなります。これを生かして転職をするとすれば精神科医などになる方法もあります。また、大学院まで行って大学教授になる道もありますので、大学教授になる方法を調べておくのもよいでしょう。少し変わった方向に進むならば、コンサルタントや作家も選択肢のひとつです。