こんにちは。医学生道場の橋本です。
先日、医学生の生徒さんと、次のような会話をしたのでご紹介したいと思います。
医学生
「先生、僕の勉強のスタイル間違ってますかね?」
橋本
「ん~どうだろうね。でも、ありきたりな言い方だけど、人それぞれ合った方法とかはあるね。俺の場合は超独特で、医学部での授業はほとんど一切聞いてないし、プリントは一切使わなかった」
医学生
「え、本当にですか!そのやり方はすごいですね! 教えてほしいです!」
橋本
「いや、真似しない方がいい。その代り、進級試験対策以外の勉強時間は尋常ではなかったし、教科書で重要な部分はほとんど素で理解してた。教科書を自分で作れたようなもんだ。プリントや授業からしか出ていない進級試験の問題は、俺だけ解けないってこともあった」
医学生
「それは大変ですね、、、。ちょっと真似したくありません」
橋本
「でも、医学部での他の人の授業の受け方と、自分の授業の受け方をはっきり理解しておくと、自信をもって勉強できるようになるから、医学部での授業の受け方を含め、色々なタイプを知っておくと惑わされなくていいかもね」
医学生
「僕は僕、あいつはあいつ、というようにですね。確かに、理解が得意なタイプの人と、暗記が得意なタイプでも、授業の受け方は大きく変わりそうな気がします」
橋本
「ということで、今回は医学部での色々な授業の受け方について話をしてみよう! 題して、医学部での授業の受け方を見てみようの会だ!」
医学生
「うん、先生センスなさすぎ(‘ω’)ノ」
みなさんは医学部受験の時に相当な勉強をこなしていると思いますので、自分なりの授業の受け方がある程度固まっていると思います。それはそれで一つの武器となります。他の人の授業の受け方と比べてみながら、それをより洗練させ続けるのもありだと思います。
授業の受け方に悩んでいる人は、自分の授業の受け方をもう一度見直してみてくださいね(*´▽`*)それでは早速見ていきましょう!
目次
「親が払ってくれている授業料なので、きちんと聞こうと思っています」
「私は予習メインです。授業をある程度復習だと思っていて、授業中に足りないなと感じた所を、放課後に復習しています」
「授業中に理解するのが苦手なので、予習をして、なんとか授業にくらいついて、復習して、しかないと思っています」
その名のとおり、全科目の予習と復習をする、という授業の受け方です。どうしても時間はかかってしまいますが、様々なタイプの中では一、二を争う勉強時間の多さになります。そして、その分、成績などの結果も出しやすいのが特徴です。
「生物学だけ先生の話が面白くて、興味あるから聞くようにしている」
「確かにあの先生、試験問題の性格が悪いって嫌われてる。けど、授業だけは聞いてみると結構おもしろいかなって思う」
「将来的には研究職もいいかなって思ってて、それだったら病理かな、と思って聞いています」
少しでも興味がある科目は、他の科目に比べて勉強をしていてイメージが湧きやすかったりします。
また、それで医学が分かるようになってくると、少しプライドが湧いてきたりして、分からないことがあると調べたくなったりします。そして益々強い興味に代わります。そのメリットを生かした授業の受け方と言えます。
ちなみに、医学生道場の授業で、「勉強はしようと思うが、何から手を付けていいか見当がつかない」という生徒さんには、医学の楽しみ方に気づいてもらうために、初めは興味のある科目から指導していくこともあります。
「毎年その科目は分量が多いから気を付けた方がいいよって噂があるので、少しでも楽になるように授業を聞いています」
「先輩が、その科目だけは時間を使った方がいいって教えてくれたので、まあとりあえず授業を聞いています」
「なんかこの科目やばそうなんで、とりあえず聞いてます。直前に何も分からないと、勉強するのに不安なので」
部活やサークルなどの先輩、仲間から教えてもらい、その科目だけを集中して聞く、という要領のいい授業の受け方と言えます。
これが可能な人はかなり強いですが、実は出来る人は限られていると思います。私も数回、挑戦したことがありましたが、私にはできませんでした。苦手な人には苦手な方法だと思います。
「一回、春休みの間に過去問を一通り解いてみたんですが、授業で話してる事がばかり出ているな、と思ったので聞いています」
「部活の先輩が、その科目の授業だけはしっかり聞いとけ、試験の時に楽だぞ、って言っていたので」
「まあ、結局は先生が熱く語ってる場所が自信があるから試験に出すんでしょ」
「先生自身が試験に出すぞって明言している所が出なきゃ、何が出るんだって感じですし」
これもかなり要領がいい授業の受け方です。この方法をうまく使えるタイプも、進級試験のための効率の良い勉強につながり、なかなか強いですが、③のタイプと同様、人数もそこまで多くありません。
「授業聞いているけど、専門用語ばかりで、何を話されているか分かりません」
「自分は臨床医になるに決まってるんですが、基礎医学とかの授業って、聞いてて将来的に意味があるんですか?」
「そもそも、これまでの人生で、授業とか数回しか聞いたことがありません」
「いつもいつも、最初の一回目の授業で必ず挫折しています 笑」
「もはや授業料は、私が医師免許を手に入れるためのお金だと思ってます♪」
要領がいいとは決して言えませんが、純粋に医学を楽しみながら勉強できる授業の受け方です。
そもそも試験に出るか出ないか、あまり興味もなければ、本人に関係もありません。その時に知りたいことをとにかく調べ、勉強したい時に勉強し、思ったことを大切にして次につなげます。
医学という「人について学ぶ」という好奇心が強いことが特徴です。ちなみに、橋本はほとんどこのタイプで、自称医学マニアです。完全に真似をするのは、決して要領がいいとは言えませんが、技術や考え方だけを取り入れるのには、便利な方法が沢山あるので、他のコラムでも紹介しています(*´▽`*)
※関連コラム「マップという技術を使えば、医学が楽しく勉強できる!」
「絶対に2週間前からだけ勉強を始めて、それでもし間に合わなければ、俺の実力はそこまでだったんだな、って割り切っています。」
「もっとしっかり、前もってやっておかなければ、って分かってるんですが。でもね、試験直前にならないと、勉強するぞって言うドーパミンが出てこないんです」
なぜか西日本出身の人に多いタイプな気がしています。確かに要領はいいのですが、メンタルも強くなければなりません。また、時間も限られてしまっているので、どの科目であっても、大体60点前後で勝負している場合が多いです。
これは理由がはっきりしていて、少ない時間をかければ合格する科目の勉強時間を、合格するためには時間がかかってしまう科目に充てる戦略になるからです。ペース配分が得意な人が多いと思います。
※関連コラム「医学部って資料ないとヤバイですか?大切さから作り方まで」
「私、友達に恵まれているんです。成績5番でなんでも教えてくれる仲間がいます」
「仲のいい学年上の先輩彼女がいて、全部教えてくれるんです」
「お陰様で、部活とサークルにめっちゃ沢山入っています。だから資料や過去問や情報も人より圧倒的に多いです」
友達や仲間が優秀であることを理解していて、さらに自分の勉強に巻き込む事が出来るタイプです。
このタイプは、コミュニケーションが得意な人に多いのですが、医学部ではあまり多くないかもしれません。
医師になると、他の科の先生や看護師さん、薬剤師さん、臨床工学士さんや理学療法士さんなど、本当に色々な人と一緒に仕事をすることになりますので、このタイプは病院の中でも特に愛されキャラになりやすいです。ただし、勉強以外のスキルが必要になります。
※関連コラム「医学部って、仲間を作らないと進級は難しいんですか?」
「うんうん、ああ、分かる、、、かも(ウトウト)」
「え、授業でそんなこと言ってたっけ?あんまり覚えていないや。ははは。」
本当に理由が分からないのですが、授業を全く聞いている感じはないのに(というか寝ていますし)、なぜか試験の時に「まあ、知ってたかな」とか「ああ、授業で言ってたような気がして」というように、なぜか問題がサクサク解けてしまうタイプです。
私の感覚ですが、1つの医学部で、2~3人ぐらいの割合です。これは惑わされやすいのですが、絶対にマネしてはいけない不思議なタイプですので、良い子は気を付けてください。
こうやって見ると、結構色々な授業の受け方があります。どれが正解というのはありませんが、自分がどの授業の受け方なのか、もしくはどのタイプの要素を組み合わせるのか、しっかり意識して、勉強してみると、強い自信になるかもしれませんね。
相談するのが遅くて手遅れになることはあっても、早くて問題になることはありません。お困りの方は早いうちにご相談ください。
医学生道場 代表医師 橋本将吉