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こんにちは!医学生道場です!
まだまだ暑い日が続いていますね🥵
みなさんは体調等崩されていないですか?寒暖差が激しくなってくる時期だと思いますので、引き続き体調管理には気を付けていきましょう😊
さて、本日は医学部CBTについて述べていきます!
医学部CBTが導入されたのはここ最近10年くらい前の話なんです✨
昔はこのような制度が導入されていなかったので、ご存じない方もいらっしゃると思います。
今回はそんな方々のために、医学部CBTの内容や目的等について解説していきます!
是非、最後までご覧ください!!
医学部CBTは、「医学生共用試験」の略称であり、全国の医科大学および大学医学部、歯科大学および大学歯学部の学生に対して、臨床実習前に学生が習得しておくべき知識・技能・態度を評価するための評価試験です。
これは、知識・問題解決能力はCBTで評価し、態度・診察技能はOSCEで評価します。
2002年からトライアル(試験的な実施)が実施され、正式的な実施は2005年度から行われています。
全国の医科大学および大学医学部と、歯科大学および大学歯学部とで組織する社団法人医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)が管理し、各大学が実施しています。
医学部CBT導入の背景には、日本の医学教育における大きな転換点となった「臨床参加型実習」の導入があります。
ここに至るまでには、医師・歯科医師の言動が患者を傷つけるケースや、医療ミスなどが社会問題になる中で、知識偏重になりがちな教育の見直しとして臨床実習充実の必要性が指摘されてきた経緯がありました。
従来の医学教育では、座学中心の学習を終えた後、臨床実習として実際の医療現場に進むという流れが一般的でした。
しかし、この方法では、学生が患者さんと接する前に必要な知識や技術、態度を十分に習得することが難しいという問題点が指摘されていました。
そこで、学生がより実践的なスキルを身につけることができるよう、臨床実習を指導医の診療を見学するだけの「見学型」から、病院の医療チームの一員として診療に参加しながら学ぶ「臨床参加型実習(=クリニカル・クラークシップ)」へと変わりました。これは、学生も「患者さんから学ぶ姿勢と能力を身につけるべき」という思いが込められています。
臨床参加型実習には、医学生が医療行為を行う際の法的根拠や、患者さんの安全確保といった課題が存在していました。
そこで、学生の能力と適性とが、全国的に見て一定のレベルに達していると証明する必要性が提言され、全国共通の評価システムとしてCBTが導入されることになりました。
確かに患者さん側からすると、一定の能力や適性が示されていないと不安になりますよね。
医学部CBT導入までの道のりは非常に長いものでした。
1987年の「医学教育の改善に関する調査研究協力者会議」における提言から始まりました。この会議では、臨床実習に移行する前に、学生が医学および医療の基礎的な知識を身につけているかどうかを評価する統一試験を実施することが提言されました。
その後、1996年の21世紀医学・医療懇談会においても、学生の能力・適性について全国的に一定の水準を確保し、学習意欲を喚起する観点から、共通の評価システムを作ることを検討すべきであると提言されました。
2000年には、厚生労働省医師国家試験改善検討委員会報告において、臨床実習前の学生評価のシステムを文部省と大学において検討されることが要請されました。
そして2001年に「21世紀における医学・歯学教育の改善策方針について~学部教育の再構築のために〜」が報告され、医学および歯学教育のモデル・コア・カリキュラムが提示されました。この報告書では、それに基づく臨床実習開始前の学生の適切な評価システムの構築のための大学間の共用試験システム創設についての提言等がなされました。
これらの検討や提言を受け、2005年に医学部CBTが正式に導入されるに至りました。
ここからは医学部CBTは実際どういうことを行うのかについて解説していきます!
医学部CBTとは、その名の通り、コンピューターを用いた知識・問題能力解決に関する客観視腱(Computer Based Testing)のことで、日本漢字能力試験や一部の入学試験等で導入されています。
医学生の共用試験におけるCBTは、臨床実習を開始するための十分な知識があるかどうかを判断する為に行います。
実際の試験問題は、蓄積された過去の問題(プール問題)と新作問題から成り立っており、その中からランダムに出題されます。
一人ひとり出題される問題の組み合わせや難易度が異なりますが、公平性を保つために項目応答理論(IRT)という評価方法を採用しており、難易度の差は無視できるほど小さくなっています。
臨床実習開始前である4年生の8月〜2月に行われる大学がほとんどですが、一部の大学では3年生で行われるところもありますので、各自確認しておくのが良いと思います。
試験問題は計320問であり、6ブロックに分かれて出題されます。
それぞれのブロックの制限時間は60分です。最後にアンケートのブロックが設けられています。
各ブロック間には休憩が設けられていますが、ブロック6とアンケートの間に休憩はなく、ブロック6が終了次第アンケートに答える形式となっています。
引用:https://informa.medilink-study.com/regularpost/11432/
試験問題を解くだけでも6時間はパソコンとにらめっこをしなければならないため、非常に目が疲れます。
実際、各ブロック間の休憩時間は20分ほど用意されていますが、トイレ休憩等を踏まえると数分程度しか休憩時間がないため、かなりきつくなってきます。
医学部CBTでは計320問の問題が出題されますが、採点対象となるのは240問です。
これは、蓄積された問題(プール問題)が240問、新作問題が80問という構成になっており、プール問題のみが採点対象となります。
新作問題は、全大学の試験が終わった後に、運営団体に所属する大学教授らが、問題の特性(正答率など)を評価し、適切だと判断すれば、次回以降に出題する問題として蓄積されます。
そのため、明らかに難しいと感じる問題は新作問題の可能性が高いため、解けなくても気にしすぎないことが重要です。
先程も述べた通り、受験者により出題される問題が異なるため、公平に評価するために項目応答理論(IRT)が採用されています。
以前は、合格基準を各大学が独自に設定していましたが、2023年8月に公的化され、合格基準がIRT標準スコアで396(おおむね65%以上の得点率)と統一されました。
学校の定期試験とは異なり、全国規模で行なわれる試験のため、そう簡単には合格することができません。
めちゃくちゃ難しいという訳でもないので、みんなと同じようにしっかり勉強すれば合格できる試験となっています。
大多数が行なっている勉強法として、メディックメディアのQBオンラインやモントレなどの医学部CBT用問題集があります。
これにプラスして、「病気がみえる」や「レビューブック」などの教科書を併用して勉強をしている方がほとんどです。
詳しい勉強法や勉強スケジュールについてはこちらの記事で詳しく解説しておりますので、是非ご覧ください😊
最後までご覧いただきありがとうございます!
まだ医学部CBTの制度が始まってから10年くらいとは驚きましたね。
このような制度がなかった先生方や医学部CBTについて知らなかった方々はなんとなくどういうものかお分かりいただけたでしょうか?🤔
しっかり勉強すればそこまで怖くないものです!
医学部CBTの制度がなかった先生方も是非、医学部CBTを含めた共用試験について学び、勉強方法が分からない学生やつまずいている学生の力になってあげてください!!
医学生道では、現役の医師の方々が臨床の話を交えた楽しい授業を行っています!
医学部CBTを含めた共用試験や、その他医師国家試験、定期試験の勉強について悩んだり、困ったことがあれば気軽にLINEや相談フォームからお問い合わせください!
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