こんにちは。医学生道場の代表の橋本です。今回は、医学部の1年生と2年生に向けて、解剖学とは何か、という事について知ってもらいたいと思います。
解剖学の特徴や癖を知る事で、効率のいい勉強が出来るようになるからです。
それではまず初めに、ある医学部1年生の生徒さんと私の、よくあるやり取りをご紹介したいと思います。
医学生
「先生、解剖学が意味不明です。助けてください。」
橋本
「おお、心がすでにバラバラになっているねえ。解剖だけに?笑」
医学生
「先生、解剖学ってなんなんですか?とにかく覚えれば何とかなる、と言われ、どうやって勉強したらいいのか、分かりません。」
橋本
「まあ、そりゃそうだよな。医学部に入ったばっかりで勉強しろと言われても、そもそも解剖って何だよ、って思うのは当然だと思うよ。
ちなみに、勉強をしている中で、どういう時に困るのか知っているかい?」
医学生
「え、なんでしょう?」
橋本
「人は、理解できそうなものに対しては挑戦できるんだが、専門用語ばかりだったり、全体像がつかめないものだったりすると、どうしても手が止まってしまうものなんだ。」
医学生
「なるほどです。確かに、解剖はなにがなんだか分からなくて、どうしようか困っている所があります。」
橋本
「よし!そうしたら今日は、解剖学を勉強する前に、解剖学とは何か、特徴や癖を説明しようじゃないか!これであなたの心は、ワカチコだ!」
医学生
「そうですね!!(それって、あんまり気にするなってギャクじゃ、、、)」
という事で今回は、解剖学を効率よく勉強するために、解剖学とは何なのか、特徴を説明したいと思います。
目次
解剖学は、とにかくつかみづらい科目である、というのは、医学生の誰もが経験したことがあると思います。
ここでは「どうしてつかみづらいのか」という理由を3つお話したいと思います。それが分かると、どのように対策を立てればいいのか分かるようになるからです。
医学部6年間の中では、沢山の観点から人間の身体について学びます。解剖学、生理学、生化学、組織学、薬理学など、基礎医学だけでも相当な範囲があります。
そうなると、どの科目から勉強するのが一番いいのか、という話しになります。
ちなみに私は、医学部が基礎医学から学ばなければならないのは、本当に苦痛だと考えています((+_+))
というのは、人間の身体がどういうものなのか、どういう病気があるのか、というのを実感として知っているから、もっと学びたいな、という気持ちになると思っているからです。
例えば、レゴというおもちゃで遊ぶとします。楽しく遊ぶために、レゴの設計や工場での作られ方に興味がわく人は、恐らくごく一部ではないでしょうか。
解剖学は基礎医学の一つなので、医学部では低学年で学ぶ事になっていますが、何も知識のない医学生が、医学を学ぶ初めに勉強するのは、かなり大変な事だと思います。
解剖学は、難しい言葉がたくさん並びます。
脊柱起立筋、舌骨下筋、副半奇静脈、交感神経幹、骨盤内臓神経、、、ああああ!という気持ちになります。
医者になると、一通り勉強してきたので、全体像がつかめています。その為、改めて解剖学を勉強するのは、そこまで苦痛ではありません。
しかし、この間まで数学や英語を勉強していた人にとっては、新しい科目に取り組むのと変わりありません。
そのため、「膨大な量の専門用語を攻略する勉強のやり方」を身に着ける必要があります。
さて、解剖学の参考書を開いてみた人は、すぐに気づく当たり前の事実ですが、それは「人間の身体は立体像である」ということです。
私のようなペラペラな人間は、外から見ると二次元に見えるかもしれませんが、人間は一般的には三次元の立体像です(‘ω’)ノ
この当たり前の事実が、解剖学の勉強を困難にします。
医学部生で絵を描くのが好きな人は、橋本の統計的には、一クラスに5人~8人ぐらいです。
しかもほとんど女子 笑 一生懸命頑張ってスケッチしている人がほとんどではないでしょうか。
先輩にも、先生にも、「絵を描け、描けばなんとか分かる(かもしれない)」と言われ、勉強が進まずに私の所に相談に来る生徒が沢山います。
しかし、心配はいりません。きちんとした勉強のやり方があります。
今回は解剖学の特徴について焦点を絞っていますが、それをしっかりと把握することで、解剖学の対策の仕方が見えてきます。
楽しんで読んでくださいね(*^▽^*)
さて、いつも私が個別指導で教える時に大事にしていることを一つ教えたいと思います。それは「本質」です。
解剖学と言われると、やれ暗記だ、やれ力づくだと思い込む人が少なくないと感じています。
その前に、「そもそも、解剖学は何のためにあるのか」というのを考えてみたいと思います。
解剖学は、当然ですが「医学」の一つですよね。
他のブログでも説明していますが、医学は「人間の身体について学ぶための学問」です。
その内、解剖学は人間の身体について「どの観点から」学ぶ科目でしょうか?
、、、、、、、
はい、答えられた人もいると思います。正解は「バラバラにした時に何があるか」という観点ですね。
当たり前だと感じる人もいるかもしれませんが、実際に勉強を始めてみると、「筋肉」「血管」「神経」「内臓」など、何を勉強しているのか分からなくなってしまいます。
解剖学を勉強する際には、常に「今は、人間の身体をバラバラにしたらどうなるのか、を学んでいるんだ!」という特徴をしっかり頭の片隅に置いて、前に進んでほしいと思います。
さて、解剖学の勉強の第一歩は、「皮膚を切って見てみる」という事です。
皮膚を切ってみたら、何が見えるでしょうか?
、、、、、、
そうですね、筋肉と骨ですね!筋肉と骨は、解剖学で「表層」という分野になります。
他のブログで、表層の勉強の仕方について丁寧に説明していますので、興味のある方はそちらをご覧くださいませ。
ここでは簡単に説明したいと思います。
表層を勉強する上でのポイントは「どこに骨があるか」「その骨を動かすためには、どのように筋肉がくっついているか」という順番で勉強すると、暗記ではなく論理で身についてきます。
骨は大体どこも同じで、しかも知らなければならない骨の数は、他の器官に比べ、そこまで多くありません。まずは骨の位置と名前を知ってしまいましょう。
自分の身体を触りながら覚えると、イメージをわかせながら勉強することが出来ます。骨の次は、それをつなぐ筋肉という流れで勉強してくださいね。
では次に筋肉を取り外してみましょう!(結構グロい事を言ってるな)
何が見えてくるでしょうか?
そうですね!内臓ですね。胃、腸、肝臓など、色々な内臓が見えてきます。
これを、表層より深い所にあるという意味で、「深層」と表現されます。
内臓の数はあまり多くありませんが、医学部に入りたての低学年には、何やらぐちゃぐちゃでイメージが湧きにくいと思います。
こちら、深層の勉強の仕方についても、他のブログで丁寧に説明していますので、興味があれば読んでみてくださいね。
簡単に説明すると、目を向けて勉強していく順番は、消化器系(食事を消化する、食道や胃腸)、泌尿器科系(秘密にしたい場所につながっているもの、腎臓から膀胱、そして尿道まで)、そしてその他(子宮や卵巣など)、というようにしましょう。
やたらめったら勉強していると大変です( ゚Д゚)
つながりを意識しながら勉強しましょう。
お疲れ様です!そして最後に、先程学んだ表層や深層をつなぐもの、血管や神経について勉強してみましょう。
血管や神経は、決して表層や深層の様に勉強してはいけません。なぜなら「ウネウネ」しているので、すごく勉強しづらいからです(~_~)。
これに関しても他のブログで丁寧に説明しているので、詳しく知りたい方はそちらをご覧くださいませ。
ここでちょっと簡単に説明すると、血管と神経は、くっついている(支配している)臓器の名前を指している事が多いです。
ですので、直接覚えるのではなく、表層と深層を勉強した後に、ある意味「復習」のような意味合いで勉強すると、うまくいく事が多いんです。
中々勉強しづらい部分もありますが、ある程度カバーできるので、ぜひ試してみてくださいね。(^O^)/
さて、人間という生き物は、勉強し終えた後に見えてくるものがはっきりしていると、勉強のやる気がメラメラ湧いてきたりしますね(^O^)/
そこで今回のブログでは、解剖学を勉強し終えると、「勉強したくなってくる科目」について説明したいと思います。
え、勉強したくなるなんてありえないって?笑 まあまあそう言わないで、騙されたと思って読み進めてみてくださいませ♪
さて、早速ですが、みなさんが大っ嫌いな発生学のお話です。
発生学というのは、どういう学問か、まずそこから少しお話しますと、「人間がどのように発生するか」という学問です。
つまり、医学部では「受精卵」から「生まれる」までを勉強します。
人間は一つの細胞、受精卵から発生します。
そこから細胞分裂を続け、人間の身体になっていきます。
ここでポイントが一つあります。
それは「解剖学を学んでいれば、人間の身体の、どこに何があるか分かっている!」という事です。
人間の始まりと終わりを理解しているからこそ、発生学は勉強していて楽しいのです!
発生学とは何を勉強する科目か、という本質を知っていると、解剖学を勉強した後に学びたくなる科目の一つであることが、容易に想像がつくと思います。(^^♪
次に、これまた医学生が大嫌いな科目の一つである、組織学について説明したいと思います。
ちなみに、医学生道場では、常に本質を重視した授業をしています。
それでは発生学と同様に、組織学の本質、つまり「組織学とはどういう学問か」という事について考えてみたいと思います!
組織学とは、肝臓や心臓など、それぞれの臓器を「めっちゃ細かく見てみようぜ!」という学問です。
例えば、ちょっと自分の腕を見てみましょう。
皮膚がありますね。
その皮膚、すごいんですよ。ばい菌が入って来ないようになってるんです。
皮膚がどんな構造になっているか、気になりませんか?
もっとよく見てみてください。
視力の限界を感じませんか?笑
では、顕微鏡を使って見てみましょう。
重曹扁平上皮と言って、皮膚は細胞が何層にもなっているんですね。
お疲れ様です!これが組織学です!
組織学は、「細胞がどのようにして、それぞれの臓器を構成しているか」という学問なのです!
解剖学を勉強していると、どこにどのような臓器があるのか分かっているので、組織学が非常に勉強しやすいです。
違う観点で見てみると、解剖学がマクロな世界で、組織学がミクロな世界である、と表現している先生もいます。
解剖学の勉強を頑張る事で、その後の組織学の勉強もすごく楽しくなります。
「へえ~~細かく見るとこうなってたんだ!」
医学生道場では、この独り言が聞こえてきます。(*´ω`*)
これを目標に、解剖学の勉強をがんばってみてくださいね。
次に生理学です。
さて、いつもの本質から勉強する流れでお話したいと思います。生理学とは何を学ぶ科目でしょうか?
文字を分解してみましょう。
「生物」の「理科」ですね。そうなんです。理科なんです。
理科は皆さん勉強したことがあると思います。
太陽のエネルギーをもらって、植物が酸素を出して、その酸素を人間が吸って、二酸化炭素を吐いて、というようなイメージですよね。
つまり、理科とは、エネルギーのやり取りについて勉強する学問です。
そして生理学は、生物の理科なので、人間がどのようにエネルギーを摂取して、どのようにエネルギーを使っているのか、という事を学ぶ学問なのです。
もっと簡単に説明すると、「人が飯を食べて、運動する」というお話です。
それを、五大栄養素の話から、消化吸収、さらに循環の話まで、丁寧に勉強していきます。それが生理学という学問です。
解剖学を勉強していると、どこにどのような臓器があるのか分かっているので、生理学が「臓器同士のつながり」を勉強するための学問として活用できるようになります。
医学生道場で学んでいる生徒さんは皆、「解剖を必死に勉強した後だと、生理学が答え合わせみたいで面白い」と言っています。
解剖学をしっかり勉強して、生理学を答え合わせにしちゃいましょう!
そして最後に、解剖学を勉強し終えて勉強したくなる一番の科目は「臨床医学」です!イメージが湧きやすいと思います。
臨床医学というのは、人間が病気になった時を勉強する科目です。
例えば、くも膜下出血を勉強するためには、脳の血管や脳室の構造を理解している必要があります。
もし、解剖学を勉強していると、医学部で高学年になった時にも、大変役立ちます。
是非、解剖学の勉強を頑張ってみてくださいね。(*´ω`*)
長文、お疲れ様でした。
医学生道場は、日本で初の、医学生専門の個別指導塾です。全てを経験した医師が直接、医学を楽しく教えてくれます。
ブログや動画でお話し出来ているのは、実はほんの少しです。
医学生道場には、最短最速で効率よく勉強できる技術など、実はもっとすごい技術が沢山あります。
もし、解剖学の勉強や勉強の仕方でお悩みの方は、是非お気軽にお問い合わせくださいませ。
医学生道場の代表医師の橋本将吉でした。(*^▽^*)