こんにちは。医学生道場の代表の橋本です。
先日、ある医学生さんから、次のようなご相談を頂きましたので、ご紹介したいと思います。
医学生
「先生、医学生が勉強しなければいけないのは分かってきたのですが、どうにもやる気とか能率が上がりません」
橋本
「なるほど」
医学生
「なんだか、勉強しても頭に入ってこないというか、前に進まないというか、雲をつかんでいるような感覚なんです」
橋本
「言っている事、良く分かるぜ」
医学生
「先生、どうしたらいいんでしょうか。このままだと、どんどん試験が近くなってしまいます!」
橋本
「よし、そうしたらすごい裏技を伝授してやろう!目からウロコが落ちるぜ!」
目次
効率が上がらない勉強は、とても辛いですよね。
目的を考えるどころか、人生の意味さえ考えてしまう事もあります(@_@)
例えば、試験前、覚える事が山程あるのに、資料を見ても全然頭に入ってこないこともあるでしょう。
他にも、教科書を広げながら、どうしても隣にあるパソコンでyoutubeを開いてしまう。
誰でもそんな経験はありますよね。
脳神経医学を勉強すると分かるのですが、「やろう!」と思ってやる気を出せるほど、人間は単純ではありません。
ロボットのようにスイッチなど無いのです。
これは、私の本では、内的報酬と外的報酬と言う言葉を使って、医学生がやる気を出すための方法を詳しく説明しておりますので、興味があれば読んでみてください。
今回は、やる気に関係なく医学の勉強の能率を上げる方法を、4つ伝授したいと思います。
1つ目は「資料班」についてです。資料班というのは、進級試験の対策をするために、クラスを科目の数だけ分けて、資料を作るというものです。
学年やグループごとに資料班のクオリティーは違いますが、「これだけやっておけば大丈夫」という資料を作ってくれる、素晴らしい仕組みである事は間違いありません。
そこで、能率を上げる方法の一つとして、その資料班に入り、「自ら責任を負って資料を作る、資料班という環境に入りこむ」という方法があります。
資料班に入れば、一緒に勉強をする仲間もできますし、その科目の専門家になるわけですから、他の誰にも負けない力をつけることができます。
強力な環境調整の一つだと考えられます。
しかし、大学や学年によっては、資料班が無い場合もあります。そんな時にはこの「資料班を自ら作る」という方法がお勧めです。
これは、①の資料班に入ることよりも勇気が必要なことですが、資料を無料配布すれば、沢山の人に喜ばれます。
また、一つの科目に限らず、沢山の科目の資料を作ることができれば、もはや進級に問題はないでしょう。
今度は分かりやすい環境調整の一つですね。勉強場所を決めてしまうという方法です。
「今日はどこで勉強しようかなー」
「あれ、いつもの場所が空いてないや」
「今日はやる気が起きないし、諦めよっ」
人はとても弱い生き物です。すぐに楽な方に流されてしまいます。もし場所を決めていれば、このような事になりませんので、勉強時間の確保が可能になります。
また、勉強場所を決める効果は、他にも沢山あります。
「あれ、いつもここで勉強してるのに、昨日いなかったよね?」
「お、えらい。いつも勉強してるよね。」
「あ、いたいた、先輩から新しい資料手に入ったんだけどいる?」
「さ、いつもの所で勉強しよう。あ。俺が座るの分かってて、空いてる(*´▽`*)」
このように、「人の監視」「称賛」「仲間」「習慣づけ」などの副次的効果は、これからかなりの時間を勉強に費やす上で、本当に馬鹿になりません。
やる気が出ないと悩む人こそ、自分の勉強場所について考えてみましょう。
最後に、一緒に勉強する仲間を作る、というのも環境調整の一つとして説明したいと思います。
卒業して医師になると分かるのですが、医師はそれぞれの専門家になっていきます。
そして、「これは聞いたら恥ずかしいかな、けど患者さんのために聞かなきゃな」という事がすごく沢山あります。
そんな時に、一緒に勉強していた仲間がいると、気軽に相談することができます。これは大きなメリットの一つです。
また、そういった損得なしに、仲間がいることは、人生をきっと豊かにすることでしょう(*´▽`*)
今日のコラムをまとめると、人間は、気持ちを変えることは難しいですが、環境を調整することで勉強の能率を上げることができます。
必要なのは、行動する勇気だけかもしれません。
相談するのが遅くて手遅れになることはあっても、早くて問題になることはありません。お困りの方は早いうちにご相談ください。
医学生道場 代表医師 橋本将吉