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「1年生の時は再試験で乗り切れたから、次も大丈夫だろう」
そんな楽観的な姿勢のまま、ご家族に促される形で2年生への進級時に入塾した、ある生徒の事例です。
医学部2年生は、基礎医学の圧倒的なボリュームに多くの医学生が圧倒される学年です。彼がどのようにして「自己流の非効率な勉強」と「自己管理の甘さ」を克服し、最終的に学年上位25%にまで上り詰めたのか。その具体的なプロセスを振り返ります。
1. 【入塾時】自己流の暗記と不安定な学習習慣
入塾当初の彼は、平日はほとんど勉強せず、試験2週間前になってから慌てて試験範囲を確認する学習スタイルでした。その対策方法も「講義冊子の太文字を5回書いて覚える」という、非常に時間と体力を消耗する非効率な暗記法に偏っていました。
結果、膨大な範囲の基礎医学全科目に手が回るはずもなく、1年生の時は病理学を除くほとんどの科目が再試験に。
本人は「再試になっても最後は受かっているから」と危機感が薄い様子でしたが、基礎医学の内容に興味が湧かず眠くなる、気づけばだらだらスマホを見てしまう、といった自宅での様子を見ていたご両親様は、強く不安を感じておられました。
2. 【学習戦略】過去問活用×自習室利用ルール
そんな彼の一番の課題は、「過去問に一切触れず、単語だけ丸暗記をして試験に臨んでいること」、そして「その場しのぎな学習習慣」でした。
そこで、以下の3つの方針を徹底しました。
・過去問を活用した日割り学習計画の策定
講義冊子の1ページ目から覚えるのをやめ、過去問を学習範囲の主軸とし「試験に出る部分」から学習する効率的な演習スケジュールを組みました。
・医師講師による「体系的理解」で暗記量を削減
文字の丸暗記ではなく、なぜその現象が起きるのかを医師講師が臨床の話を交えて解説。今の勉強が医師になってからどう役立つのか、具体的な臨床のイメージを持てるように指導しつつ、知識と知識のつながりを意識することで、単純暗記の負担を最小限に抑えました。
・毎日自習室へ通うことのルール化
自宅や一人きりの空間でのスマホ・居眠りを防ぐため、人の目がある自習室での学習を徹底。教務とも面談を繰り返し、細かく決めた課題を一つ一つクリアできているか随時確認しました。
3. 【直面した課題】まさかの半数再試ーその本当の理由
前期は週1回の授業と教務面談を重ね、学習は計画通りに進んでいるように見えていました。実際の試験の手応えも悪くない様子。しかし、前期の試験結果が発表されたとき、大きな問題に直面します。なんと約半数の科目が再試験になってしまったのです。
試験直後の面談で、これまで表面化していなかった3つの事実が発覚しました。
①勉強場所の甘え
試験前、「大学の図書館で友達とやる」と言って自習室に来なかった期間、実は集中できずにおしゃべりやスマホに時間を費やしていた。確かに医学部は情報戦であり、試験前のアウトプットも大事なため、友人との学習自体は有効な手段の一つでもある。しかし、まだ正しい学習習慣が定着しきっていなかった当時の彼にとっては、結果として集中を欠く環境になってしまっていた。
②評価点の損失
毎回の授業で課されていた簡単な課題を先延ばしにして提出しておらず、試験の点数以外の評価を著しく落としていた。
③苦手部分の抱え込み
医師講師や教務に「できていないと思われたくない」という気持ちから、本当に苦手な科目を隠して質問していなかった。また試験の手応えについても、正直に伝えることができなかった。
4. 【軌道修正】「間違えるのは授業で」の徹底
日頃から面談を重ねていたにも関わらず、彼の「大丈夫です」という言葉の裏にある本音を引き出せなかったことは、教務として大きな悔しさと責任を感じる点でした。
「もっと早く気づいて頼ってもらえる環境を作るべきだった」という反省のもと、一人で踏ん張ろうとしてしまう彼が必ず後期で巻き返せるよう、医師講師や教務を頼るべき理由を丁寧に伝えました。
「医学部の試験において、分からないことを隠すのは自分の首を絞めるだけ。授業でどれだけ間違えても、医師講師は怒らないし、むしろその場で苦手を潰せるからラッキーなこと。基礎医学が難しくて大変なのは当たり前のことだから、分からないことや間違えて覚えていたことをひとつひとつ医師講師と解消していく。そのための授業だよ。」
「めんどくさい課題も、間に合わないなら授業中に講師と一緒に終わらせる計画に変えればいい。隠さずに全部頼ってほしい」
また、友達との勉強についても、「一人で自習室でガリガリやる方が自分は集中できる」と本当は本人が一番分かっていたはずです。
再試が決まり、そしてかなり痛いところを突くことになった面談。やはりその時はかなりへこんでいる様子もありましたが、この面談が、自分自身の行動を振り返り、後期に向けてマインドを切り替えるきっかけとなりました。
具体的には、まず今は自分の学習ペースを取り戻すための期間と位置づけ、自習室での学習を徹底する方針を再確認しました。 また、苦手科目の抜け落ちを構造的に防ぐため、授業ではもちろん苦手科目を重点的に対策するものの、本人の認識と実際の学習到達度に差がないかを確認できるよう、どの科目も一度は必ず授業で扱う方針といたしました。
また、面談の内容はすぐにご両親様へご連絡し、「ご家庭では本人が弱音を吐いたときに、とにかく気持ちを受け止める場所にする」という共通のスタンスを確認。合わせて、少しでも気になる様子があればすぐに共有していただくようサポート体制を整えました。
5. 【結果とその後】後期は全科目一発合格、学年上位25%へ
後期が始まってからの彼の学習姿勢は見違えるようでした。
自習室は毎日閉室時間ギリギリまで利用し、学校の課題は「後でめんどくさくなるよりは」とその日の内に終わらせるように。授業中は、間違えたくない思いから、解答やレジュメを見て完璧に答えようとする場面もありましたが、医師講師からの「全然気にすることじゃないよ!」の声掛けもあり、徐々に自身の弱点を隠さず、その場で解決できるようになりました。
その成果は数字に直結します。後期は全ての科目を本試験で一発合格。学習リズムを掴んだその勢いのまま、年度末に行われた前期の再試験も一発でクリアし、無事に3年生への進級を決めました。
現在の彼は、自習室に通うルーティンを完全に定着させ、熱心に勉強を継続しています。2年生の時にこれだけ努力して培った基礎医学の土台は強く、3年生から始まった臨床科目の授業でも「あの知識がここに繋がる」と、自力で正解を導き出せる場面が非常に多いです。
実際、現在も学年成績は上位25%以内を維持していますが、
「もう少し上を狙えると思う」
「今回の試験は、あと1日暗記時間があればもっと得点できた。この反省は、次の試験対策の時に生かしたい」
と、客観的に自己分析を行い、次の戦略を見据えています。
単に目先の試験をクリアするだけでなく、「正しい勉強法」を身につけたことは、これからのCBTや国試、そして医師になってからも彼を支え続ける一生の武器になるはずです。
医学部での勉強は、誰もが人それぞれの壁にぶつかるからこそ、 それを乗り越えるのは本当に大変なことです。一人で勉強することや、お子様の「大丈夫」という言葉に少しでもご不安があれば、まずは無料相談にて現在の状況をお聞かせください。