こんにちは。医学生道場の代表の橋本です。
先日、ある医学生さんから、次のようなお問い合わせを頂きましたので、ご紹介したいと思います。
医学生
「先生、物理選択で本当に後悔しています。生物マジで分からないっす」
橋本
「逆に生物選択の人は、物理を選んでおけばよかったって言ってるよ?」
医学生
「へえ(華麗にスルー)。それで先生、生物ってどうやって勉強したらいいんですか?ガチの暗記って感じですか?」
橋本
「医学部を記憶力で突破しようって思ってる?それ、撃沈する考え方よ」
医学生
「やっぱそうですか、、、。先生、生物の勉強の仕方を教えてください!」
橋本
「よっしゃ、生物王に、お前はなるっ!」
医学生
「あ、撃沈の話、まだ続いてたんですね。それ普通気づかないっすよ(´・ω・`)」
というわけで今回は、物理選択だった人が医学部に入学してから、生物をどのように勉強していくか、書きたいと思います。
ご存知の通り、医学部には物理と化学で入学する人が多いですよね。生物は中学校で習ったきり、という人も多くいます。
そうなると、もちろん医学部に入ってから生物の勉強を始めます。かく言う私もそうでした。
「やったことがない」と嘆いているだけでは、前に進めません。ここで何とかしなければ、留年が見えてしまいます。
気を持ち直して、対策を考えていきましょう!
「生物は暗記科目じゃん」と考える人も多いと思います。確かに暗記が通用する事も多々あります。
そして、どうしても暗記で対抗しなければならない部分も、恐らく物理学よりは圧倒的に多いでしょう。
しかし、全てを暗記で対抗しようとするのはナンセンスです。
というのも、生物や医学は知識の寄せ集めではなく、生物学であっても、細胞生物学であっても、また生化学であったとしても、「人間の身体について学ぶ」という共通点があるからです。
つまり、どんな事柄も、理想としては一つながりのはずのものなのです。
では、それを踏まえて、どのようにして勉強していけば良いのでしょうか。
さて、実は医学生には、大変強力な武器があります。それは「論理的な思考能力」です。
具体的に言えば、AだからB、BだからC、そしてCだからDという結論になるんだ、というものですね。
つまり、Aさえ分かればB、C、Dを導き出せる、だから暗記をしなくて良いという、とても便利な考え方です。
この思考能力を使って生物学や医学を勉強してほしいのです。
ちなみに、このAの事を「本質」とも言います。本質を理解すれば、そこから派生した知識を、覚えなくても編み出したり、思い出したりできる、という事になります。
逆に、もしそれができないとしたら、次のようになってしまうでしょう。
「Bは分かる。Cは良く分からない。Dは覚えているから知っている」
「BとDだけ、覚えてる。意味は分からないけど、よく試験に出てるから」
「全部とりあえず覚えた。試験終わったら忘れるけどね」
つまり、全てを論理的ではなく暗記、もしくは感情で解決しようとしてしまいます。
ここを読んでいるあなたは、数学と物理を医学部受験で勉強していると思います。
これらの科目は、無意識だったかもしれませんが、論理的な思考を鍛えていたことになるのです。
この論理的な思考は、医学を学ぶ上での基盤になってくれるでしょう。
では、生物の「本質」とは一体何なのでしょうか。
それは勉強しながら是非、楽しく自分で探し出してもらいたいと思うのですが、どうしても知りたいという人は読み進めてください。
生物の「本質」、それはつまり「生き物とは何か?」という質問です。そしてその答えは、「人間は細胞の塊だ」というものです。それが生き物の「本質」であり、唯一絶対の真実です。
そして、医学部で学ぶすべての科目は、その事実の確認作業と言っても過言ではありません。
「本質」を意識しながら勉強を続けることで、覚えなければならない量は格段に減らすことができます。
しかし、「本質」を理解しても、覚えることは当然あります。
なぜなら、医学は日進月歩の世界であり、分からないことや、理屈で説明できないことが、まだまだ沢山あるからです。
それが、医学という学問の醍醐味であり、医学生を困惑させる原因にもなっています。
ぜひ、生物や医学の魅力を感じるような、暗記だけではない勉強をしてもらえたらな、と思います。
相談するのが遅くて手遅れになることはあっても、早くて問題になることはありません。お困りの方は早いうちにご相談ください。
医学生道場 代表医師 橋本将吉