こんにちは。医学生道場の橋本です。
先日、留年してしまった医学生さんのお母さんから、医学部をやめることについてのご相談を受けましたので、ちょっとその時のお話をご紹介したいと思います。
医学生の親御さん
「うちの子、大丈夫だから大丈夫だからと言って、しっかり留年してくれちゃいました。もう息子を信用できません。そして、医学部をやめて、他の大学を再受験しようと考えています」
橋本
「なるほど。医学部をやめて再受験、の方向ですか、、、。ちなみに、どうして医学部をやめる話と、他大学の再受験の話が出てきたんですか?」
医学生の親御さん
「昨年度の進級試験もほとんどの科目が受かっていないし、もう一年受けるにしてもお金がかかってしまいますし、本人もメンタルがどうとか言ってますし、いっその事違う道をということで、他大学の再受験を考える話になりました」
橋本
「なるほどです」
医学生の親御さん
「先生、医学部をやめる事についてと、他大学を再受験する話については、実際どう思われますか?」
橋本
「ではちょっとお話しましょうか」
という事で、今日は、医学部をやめて、他大学を再受験するということについてコラムを書いてみたいと思います。医学部をやめることについては、他のコラムにも書いてありますので、そちらも合わせてご覧ください。
※関連コラム「これを読んだ後なら、辞めても仕方ないかも?」
目次
「医学部をやめて、再受験を考えているんですが、先生はどう思いますか?」というご相談をとても多く頂きます。
そして、いつも感じてしまうのは、再受験した場合のメリットとデメリットを比較して決めておらず、「不安や心配」といった、感情ありきの判断をしようとしているように見受けられることです。
医学部を辞めての、他大学の再受験を考える際に、見落としがちな点をいくつか挙げてみたいと思います。
留年してしまって、再受験を考えている場合の話をしたいと思います。
留年をしてしまった理由は人それぞれだと思います。その理由は、理不尽なものから当然なものまで多種多様です。
どちらにしても、その理由をはっきり理解し、次に同じことにならないように対策をしなければ、また同じ失敗を繰り返してしまいます。
例えば、医学部を辞めて、他大学を再受験をして、医学部でない学部に進むことができたとしても、「同じ原因の結果」が、「違う形」で立ちはだかることになるかもしれません。
医学部の一年間の学費はとても高いものです。
さらにそれが6年間ともなると、とてつもない金額になってしまいます。
確かに医学部を辞めて、再受験をして違う学部に行くことになれば、ご家族の負担は減るように感じられるかもしれません。
ですが、ぶつかっている壁をそのままにして医学部を辞めてしまい、それが将来に他の形で現れた時、もっと大きなコストになる可能性があります。
お金の心配も大事ですが、本人がぶつかっている壁や原因と向き合うことの方が大事だと、医学生道場では考えています。
少し表現しづらいのですが、もし再受験する場合は、メンタルは「後戻りをする」ような気持ちになります。
それは、「医学部をやめて、他大学を再受験をしよう」と決めて動き出した初めの方はいいのですが、医学部を辞めた年の夏ごろから徐々に色々な問題が起きたりします。
例えば、なぜか家族関係が悪くなってきたり、また周囲の仲間も減ってしまってきたり、小さなトラブルで人間関係に悩んだりすることが増えてしまったりします。
また、他大学の再受験の勉強の時に、昔できたはずの問題ができなくなっていたり、新過程に変わっていたり、思うように順位がのびなくなったりする出来事が、メンタルに追い打ちをかけます。
再受験は年単位の行動計画です。一度経験したことだから、と油断してしまいがちです。
色々、耳の痛くなるような話をして申し訳ありません。
医学部に入った優秀な頭の持ち主ですので、もし他大学を再受験をしたとしても、どこの大学でも合格できると思います。
ところが、すでにできることをやり直しても、根本的な問題を解決したわけではないので、心配な事がたくさんあります。
ここで、発想の転換が出来ればと思います!
もし留年した理由をはっきりさせることができて、しかも解決することができれば、足りなかったものを手に入れ、本人が大きく前に成長することができます。
確かに嫌な事に目を向けるのは、いつでもつらいことなのですが、ご本人が成長する大きなチャンスかもしれません。
※関連コラム「留年してしまった事を、プラスに変える具体的な方法!」
医学生の親御さん
「試験の結果が去年とは全く違って、本当にびっくりしました。目を疑いました。前は息子を疑っていました」
橋本
「(シャレなのか!?笑っていいのか!?)は、はい。まあ良かったです。私も人生をかけた甲斐がありました(*´▽`*)」
医学生の親御さん
「でも、今になって冷静に考え直すと、本当に先生の言った通りでした。再受験しても、よく考えたらその後は、医学部にはない卒論や就職や就活が待ち受けています。医学部時代がただの浪人扱いになるので、本当に最悪でした。あの時はパニクってしまって、この状態が見えていませんでした」
橋本
「いえいえ、やっぱり冷静な分析は、どうしても当事者だけだと難しかったりするので、引き留めるというよりは、第三者を使って冷静に分析するのがいい、という所だと思います」
医学部を辞めて、なおかつ他大学を再受験しようと考える時には、医学部に残る時よりも、広い視野で考えることが必要なのではないかと思います。
もし心配が大きければ、いつでもお問い合わせくださいませ。
医学生道場が親身にご相談にのります(*´▽`*)
相談するのが遅くて手遅れになることはあっても、早くて問題になることはありません。お困りの方は早いうちにご相談ください。
医学生道場 代表医師 橋本将吉