こんにちは! 医学生道場の橋本です。医学生にとって、最初の関門ともいえる「解剖学」ですよね。医学部1,2年生で学ぶ科目の中でも、一番重い科目かもしれません。ここでは、いくつかのコラムにわたって、その勉強の手助けとなるような情報をまとめていきたいと思います。
前回までは、それぞれの器官系についてのさわりの部分だけを触れていました。
ですから、「こんなことは医学部生でなくても知っているよ」という部分が多かったと思います。今回からは、その内容を踏まえた上での、「医学部一二年生での解剖学」のステップアップ的な部分になります。
ここでも模式的なイラストを示しますが、アトラス等で自分で確認しながら勉強を進めていってほしいと思います。また、自分で図を描きながら理解していくことも一つの手です。その時に、この図を参考にしてみて下さい。
今回は、その中でも、肩関節についてのお話をします。
出てくる筋肉の名前が非常に多いので、覚えるのが大変だと思います。人体でも一二を争う複雑な関節だと思います。ぜひ、一緒に見ていきましょう。
さて、関節のお話をするのに欠かせないのが、そこの部分の骨です。
肩関節、そして腕を動かすための骨を全て覚えていますか?覚えていない人も、ここで覚えていきましょう。胸骨から鎖骨が伸び、鎖骨の先に肩甲骨があります。そして、その肩甲骨に上腕骨がついているのです。厳密には関節とは違いますが、機能上重要な骨のつながりもあります。この時点でもう複雑ですね。
このように、関節がたくさんあることで、動きの自由度を高めています。
さて、腕の動きが自由で複雑になった代わりに、肩関節はやや不安定になりました。そのせいで、肩関節の脱臼の頻度も高くなっています。
そんな不安定な肩関節ですが、少しでも安定させようとする仕組みがあります。例えば、肩甲骨の上腕骨とつながる関節には、浅いくぼみがあります。そんなくぼみの上に繊維軟骨が発達し、実質の深さを補っています。橋本も、整形外科で学ぶまで知りませんでした(笑)
ちなみに、野球選手が肩を痛めたと言うときは、この軟骨の損傷であることが多いようです。日常生活に不満がない程度までは回復するそうですが、スポーツをするには難しくなってしまいます。
他にも、肩関節周りの靭帯によって、上腕骨と肩甲骨は固定されています。
さて、肩関節安定のための仕組みは、軟骨や靭帯だけではありません。肩関節の周りの筋肉が、肩甲骨と上腕骨との関節を周りから包むようにして補強しています。その仕組みを「回旋筋腱板」といい、脱臼してしまうとこの腱が損傷を受け、再び脱臼しやすくなってしまいます。「肩を脱臼した人は繰り返しやすい」のはそのためです。
最後まで読んでくれてありがとうございました。このコラムを読んで、医学部1,2年生の解剖学の勉強が少しでも楽になることを期待しています。
以上、医学生道場の橋本でした。